トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2022年4月29日金曜日

半年振り、そして今年初の山歩き奥多摩『大岳山』

大岳山山頂。天気が良ければ富士山が見えるはずなのに...

前回の山行から、はや半年、山から離れると月日の流れるのは早いもので、この間、体を動かすことがあまりなかったためか(いや、以前からか...)、身体はぽちゃぽちゃと軟化してきて、一方、その割にはひょろひょろと線が細くなり、まるで茹でたてのもやしのようになってしまった。

このままではいけないと思い、近々、定期検診もあったことから、心ばかりのランニングや筋トレをしてみたけど、身体の弱体ばかりが際立って、身体を鍛えているんだか、いじめてるんだか分からない始末で、余計に疲れてしまった。ただ、この週末は家族が皆、実家に用事があり自分一人になったので、久々のテン泊山行を計画したんだけど、そこは筋金入りの雨男の自分、しっかりと雨空をキャッチしてしまった。なんとか土曜日だけは天気が持ちそうだったので、それだけでも幸いと、今回の日帰り山行を決めた。

それにしても山から離れると、準備すらスムーズにいかなくて、前日からガチャガチャと大忙しで、当日の朝も家を出てしばらくしてから忘れ物があったことを思い出し、家に引き返すなど、山を歩く前から疲れ果ててしまった。

朝6時の奥多摩駅前。この静寂がたまりません。

そんなこんなでようやく辿り着いた奥多摩駅、ここは記憶どおりの静寂さで、ようやく「山を歩くぞ」といった気分がアガってきた。そして、この日の歩き初めは、この奥多摩駅、ここからまずは愛宕山を目指し、歩き始めたのだが、写真を撮ろうとカメラを構えたところ、液晶パネルが真っ黒のまま。電源は確かに入ってるようだが、どうにもこうにも液晶が使えないみたいだ。仕方なく、この日の写真はiPhoneで撮影することとした。

この日の登山口。アートなオブジェが素敵です。

なんとも不吉な歩き初めであるが、気を取り直して、登山口から少し歩いていくと、本日最初の難関と言っていいだろう、愛宕山神社直下の階段が見えてきた。改めて数えてみたけど、おそらく188段あったと思う。久々の高度感に慄きながらも登り切って愛宕山神社でこの日の安全を祈願し、神社を出ようとしたら、目の前に「この先通行止め」の立て札が。不吉な予感的中かと思い、一瞬目の前が真っ暗になったが、この日はどうしても歩きたかったので、多少の危険は覚悟するとして、大人気もなく強行突破してしまった(関係者の皆様、ごめんなさい)。ただし神社の階段を降りたらその先は通行止めの様子はなかった。どうも神社の階段が老朽化で通行止めになってたみたい。迂回路がちゃんと用意されてたようで、焦りのあまり迂回路を見逃してしまったようだ。幸い大事には至らなかったからよかったものの、山では危険回避のために冷静な判断が必要だと、改めて反省しました。本当に申し訳ありませんでした。

愛宕山神社に向かう階段。なかなかの高度感があります。

さて、というわけで歩き初めはなんだかんだあったけど、その後は順調に歩きを進めた。久しぶりの山は日ごろの喧騒から解き放たれた解放感がたまらなく、最高の気分。この日は風もなく、聞こえてくるのは小鳥たちの囀りだけ。目に涙が滲んでくるほど嬉しかった。忘れかけていた感覚が次々と蘇ってくる。息が弾み、時折出てくる岩をよじ登り、汗もしっかりかき、急登の途中で一旦休み、たまに平らな道になるとホッとし、たまに見える遠景に目を細め、そしてまた坂の上を見る。こんな動作が延々続き、息苦しさや足のキツさはあるけれど、でもたまらなく楽しい。そんな、あの頃の感覚が蘇ってくる。

鋸尾根。半年ぶりのおじさんには結構堪えます。

この鋸尾根、考えてみると登りを歩くのは初めてかもしれない。これまであまりノコギリを感じることはなかったけど、登ってみると確かに数メートルクラスの岩こぶや、10メートル超えの小ピークみたいな登りがそれなりに出てくるので、やはり鋸尾根なんだと実感する。久々の山歩きとしては、まあまあ堪える。というか、結構、堪える。山に行っていない間、田中陽希さんの三百名山とかテレビで見ていて、そんなイメージを持って歩いたけど、当たり前だがうまくいくはずがない。自分は凡人中の凡人で、やはりあの人は超人だと思い知る。

登山道の傍らには可憐な花が。ほっとします。ツツジですかね?

鋸山の山頂で休憩をとったのち、次に目指すは大岳山。この日は特に朝のうちは雲が多かったので、天気が良ければ富士山が見えるであろう西側の展望も残念ながら雲で覆われている。鋸尾根と違って、大岳山までの登山道は比較的平坦で、富士山が見えないのであれば、ぐいぐいと進むしかないと、先を急ぐが、さすがに山頂が近づくにつれて急登が増してくる。久しぶりのこのルート、何やら見慣れぬ階段が現れると山頂はもう少しで、ところにより鎖も出てくる。山頂に到着したのは10時頃。この時間になってくると御岳山側から歩いてきたであろう登山者もかなり現れ始め、山頂ではさすがにマスクを着用したが、逆を言うとそれまでは人とすれ違うことは稀だったため、マスクを外して歩いていた。正直、山でマスクなんてしたくないからね。

人気の大岳山。山頂にはぞくぞくと登山者が集まってきました。

大岳山山頂では、かろうじて富士山の裾野が見えるだけで、肝心の5合目より上は相変わらず雲の中。これでこの日の富士山には見切りをつけて、パンを少しだけ食べて、山頂を後にした。まだまだ足の調子は大丈夫みたいだったから、ここから鍋割山、奥の院と続けて走破し(気分です。歩きましたけど)、御岳山手前の長尾平で昼食タイムとした。ここでザックから取り出したプラティパスの異変に気づいた。というのも、ザックの中がびっしょりと濡れているのだ。プラティパスの中の水は十分に入っているにもかかわらず、この状態。おそらくじわじわと水が漏れていたのだろう。途中で何度かペットボトルに水を補給したのに気づかなかったが、さすがに予備のダウンジャケットまでびしょ濡れになっていたので、ここで水を使い切った。残る飲み水は600mlだけだけど、残りの距離は知れているし、下り中心なので、まあ大丈夫でしょう。

とんがり山の奥の院の山頂です。静かに社が鎮座していました。

それよりこの長尾平、登山者以外の普通の観光客もたくさんいて、自分のムカストーブでインスタント麺を作っている姿が物珍しいらしく、ジロジロ見られたり、小声で「私もラーメン食べたいわ」とか、やたら恥ずかしかった。そんなわけで、落ち着く感じもなく、ラーメンをそそくさと食べて、御岳山へ向かった。

御岳山山頂には人気のパワースポット、武蔵御嶽神社が鎮座していて、この日も大勢の参拝客に囲まれていました。また、本社の脇には立派な枝垂桜が満開に咲いていて、山にも春が訪れ、賑わいが増しているようにも感じ、そこにいるだけで元気が出てくる、そんな気分になりました。さすが都内屈指のパワースポットですね。

武蔵御嶽山神社と枝垂桜。この時間、青空がきれいです。

さて、安全祈願を済ませてからは、いよいよ終盤。あとは大塚山を経由してJR古里駅に向かうだけ。とはいっても、まだ距離は6kmほどはある道のり。足もかなり疲れが溜まってきているようなので、油断せずに慎重に歩くことをまず考えた。大塚山へは御岳ビジターセンターそばの登山道から入っていき、登りは大塚山までの緩やかな登山道を20~30分歩くだけで、頂上を過ぎると、基本、古里駅までの約2時間を下り一辺倒で歩き通すこととなる。この下りも静かで緩やかなのだが(途中、すれ違った登山者は10名くらい)、疲れた足にはなかなかのくせ者で、とにかくつま先に来ました。最後、登山道を出て舗装道路を歩くころには、ももはパンパンだし、両足のつま先が痛すぎて、歩速が上がらないどころか、普通に歩くことができませんでした。

大塚山山頂へ。ハイキングコースのような登山道。

歩き終えてからは、古里駅手前のセブンイレブンで缶ビールを飲んで、この日の無事下山を一人、祝いました。まあ、とにかくお疲れさん会です。下山後のビールは最高です。そう、これも山歩きの一部です。あ~、おいしかった!

さて、次はどの山歩こう。

古里駅からの登山道。この日はここから下りてきました。


【Start 6:09奥多摩駅前~8:36鋸山山頂~10:09大岳山山頂~11:50長尾平(昼食休憩30分)12:31御岳山山頂~13:19大塚山山頂~14:38丹三郎登山口~Goal 15:10古里駅(手前のセブンイレブンで少し休憩していましたが...)】

総行程は、距離約 17.9km、出発地点標高343m、最高標高1266m(大岳山山頂付近)、最低標高299m(古里駅近く)、移動平均速度 約1.9km/h、総所要時間9h00m(recorded by garmin)

▽ ヤマレコ始めました。試しにマップを貼ってみます。