トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2023年11月30日木曜日

山、紅葉、温泉、そして少しだけビール...『くらがり渓谷から本宮山』

寒さが増し季節は秋も終わりと思いきや、今が紅葉シーズン真っ只中のようで、そんなことをテレビで言っていたのを見た。山やとしては、そんなニュースを見ると、当たり前のように山歩きのことを連想してしまう。そう、それが山やの性(さが)というもの。しかも、山のことを考え出すと、仕事が手につかなくなってしまうので、こうなるともはや仕事もそっちのけで(まあ、気分的にはってことです)、紅葉が見られる登山コースをWEBで探しまくった。そして、できるならば下山後に温泉に入れたら最高、そんなささやかな願いをオプションとして付いた山旅を探した(「ささやかな」とは言ったが、もちろん山旅としてはパーフェクトなんですが...)。

そして探し当てたのは、『くらがり渓谷からの本宮山』登山で、下りは登りと反対側に下りれば、温泉もあるし、しかもそこからは電車の駅にも歩いて行ける最高のコース。そのコース、町からの近場でもあるし、標高も789mと低山で、ブログで見た様子も登山道は、ゆるゆるっぽい。天気も崩れそうにない予報だったし、気分はハイキング。なので、荷物は、いつもより軽量で臨んだ。前回失敗したアクセスも、今回はしっかりと調べたので迷うこともなくスムーズな旅程となり、登山口に到着したのは午前9時前。そこから歩く距離は10kmちょっとだから、5時間もあれば下りられるだろうと。まあ、まずは紅葉が目的なのでゆるゆるで行くことを決め、一緒にバスから降りた他の登山者の誰よりもゆっくりと歩き始めた。

たまには、こんな歩きもいいかもしれないと、くらがり渓谷の門をくぐり、中に入っていくと、その名のとおり?、樹木に覆われたそこは、やや薄暗く、そして静かだ。聞こえるのはせせらぎと小鳥のさえずり。谷の中だからか風もない。紅葉には詳しくない自分だが、赤や黄色、オレンジ?さらには緑から赤になりかけのグラデーションが美しい葉っぱなど、いろいろな色彩を楽しむことができた。光の差し具合によっても色合いは様々で、紅葉を見ながらこんな温かな気持ちになるなんて、自分も歳をとったのかなと、ふと思った。

登山道も、要は林道で歩きやすい。気をゆるめて紅葉や渓谷を眺めながら歩いても、つまづく心配がないほど、きれいに整備されていて、安心して歩くことができる。途中出会った地元の人間だという先輩おじさまも、ここを歩くのは今日で20回目だが、「こんな山、山のうちに入らない」と言いながらも、ここが地元の人に愛されているのがよく分かる。うんうんと話を聞きながら歩いていると、前方に「馬の背平」という立て看板が現れた。自分はこれに沿って急登に挑み、先輩はなだらかな林道を行くとのことで、ここで別れたが、「馬の背平」からの道は、確かにしっかりとした直登の急坂で、登り甲斐はあったが、今日の自分、ここまでのゆるゆる歩きで体力はほぼ使ってなかったので、急坂に反して、すいすいと登っていく。しかも足下は半舗装道路のような感じで、グリップも最高。

あっという間に尾根までたどり着き、目の前にあった赤い鳥居に惹かれて「国見岩」というありがたそうな、大岩を参拝してきた。「ここまで無事に歩けてありがとう。そしてこれからもよろしく」みたいなことをお祈りして次に進むと、今度は駐車場が見えてきて、車やバイクがたくさん並んでいた。ああ、町近くの低山は、こういうことなんだと、下がるテンションを受け入れながらも、なお進む。建ち並ぶ電波塔の方が山頂らしく、進んでいくとすぐに山頂表示が見えてきて、やはりあっという間に山頂に到着した。

ただ、山頂に着くと、そこからの景色はなかなかのもの。多分、渥美半島だと思うけど、そこを挟んでの太平洋と三河湾が一望できるとても気持ちのいい広場になっていて、それまでのがっかりモードから一転、さわやかモードに気分は一新。やっぱり、山歩きで展望の要素は大きいなと、つくづく感じた瞬間だった。

そこでは、計画どおりお昼ご飯を食べ、山専ボトルに準備してきたお湯でココアを飲んで、本当に久々の山頂でのまったり気分。こんな余裕のある山歩きも悪くないなと思い、ママにも景色をお裾分けと、LINEで画像を送った。スマホのアンテナもいわゆるバリ3っていうのかな?受信状況は最高で、こうしたことも町に近い低山ならではのことだと思う。今までは、自分、こんな感じの山をやや舐めていたと思うけど、こうした山歩きも、これはこれでいいものだと、ちょっとだけ気づきました。

思った以上に休憩を長めにとったこともあったし、また、登りでほとんど体力を使わなかったこともあったので、得意の下り(笑)は、サクサクっとスピードアップして下りることにした。そうでもしないと、山から下りたあとに、疲労感なし、足の張りなし、筋肉痛なしだと、山を歩いたのかどうかもピンとこないから、やっぱり多少の負荷は欲しいと思った。この辺、若い頃からのM体質は、基本変わってないようだ。

下りは、南側の斜面を下りていったけど、こちらの登山道は、くらがり渓谷側とは違って、斜度もそれなりにある普通の登山道になっていて、紅葉のない季節は、むしろこちら側のピストンの方が面白いだろうなと感じた。足元も悪くないし危険箇所もなさそうなので、駆け下りるまではしなかったけど、まさにサクサク、すいすいっと足早に、ほぼノンストップで下りたら、1時間ちょっとで、下りることができたから、距離もそんなにないコースなんだろう。途中、たくさんの登山者とすれ違ったから、人気の山であることは間違いない。まあ、これだけアクセスがよくて、頂上の展望がよければ、それもうなずける。

そんな感じで、登山口に到着すると、さらに嬉しいのは温泉が近いこと。歩いて5分くらいで着いてしまうなんて、なかなかないですよ。よくぞ、ここに作ってくれたと、関係者の皆さんに感謝しかありません。しかもJAF割引付きって、最近、割高な温泉が多い中、しつこいけど感謝です。

この日はいつも以上に温泉にゆっくりと浸かって、そのあとは、この日最後のお楽しみイベントとなる、からからの喉にジョッキビールを流し込んだ。当たり前だけど、これが実に美味い~。これだから山はやめられない。そう、自分的にはこれも山歩きの延長なんです(笑)。こうして久々に充実した1日に気分も良くして、ほろ酔いで家路につきました。ああ、こんな山旅なら毎週行きたいです。

そうそう、この日、山歩きを記録していたヤマレコが歩きはじめの1時間くらいでフリーズしていた。なので、今回は地図を貼り付けは、行っていません。以下のデータは山行計画時のものです。まあ、こんなこともあるでしょう。

さて、次はどの山歩こう。

▽ ヤマレコ情報(時間は実測。距離等は山行計画データ)

GPS 03:55 距離 10.5 km 登り 633 m 下り 761 m


2023年11月5日日曜日

初敗退、奥三河の名峰『三ツ瀬明神山』

山歩きを始めて何年か経ったけど、先日、初めて登頂を断念して引き返した。いわゆる敗退である。

言い訳するわけではないけど(てか、言い訳するけど)、この日は朝から変だった。まず、朝、いつも通りに準備を整えてから部屋を出て、いつものコンビニでいつものサンドウィッチとかを買って地下鉄の駅に向かったのだけど、①ここで定期券を忘れたことに気づいて部屋に戻った。このとき、予定電車発車まであと9分。部屋が駅から近いからなんとか間に合ったけど、朝から走った。次に電車に乗ったのはいいけど、②乗り換え案内アプリの指示を無視して定期券利用を優先したルートをとってしまったため、次に乗ろうと思っていた新幹線に危うく乗れないところだった。そしてまた走った。安心したのも束の間、新幹線を降りて乗り換え電車に乗ろうと思ったんだけど、③アプリの乗り場表示を信用しすぎて、実際の乗り場が違っていることに気づかず、乗ろうとしていた電車を乗り過ごしてしまった。結果、1時間、駅ナカのプロントで時間を潰した。ようやく電車に乗れて、その後、バスに乗り継ぎして、歩いて、ようやく登山口に到着したが、気が焦っていたためか、④登山道を見つけることができず、行けるかもと思って林道をひたすら登ったが、行き止まりに着いたところで、「やはり、ダメだったか」と、観念した。結果、30分くらいのロス。心もそれなりにやられました。

このあと、登山口まで戻り登り始めたが、帰りのバスの時間を考えると微妙になってきたので、「今日は行けるところまで行こう」と、方針を定め、ピークハントではなく、山歩きを楽しむことに専念した。とはいえ、歩きながら考えていると、そもそも今回の山歩きは、数日前に急に思い立ち、2日前にこのルートにたどり着いたくらいだから、情報収集不足は否めない状態での決行だったなと、やっぱり自分の性格からして、じっくりと考え抜いてからの計画ができなかったことにもともとの原因があったのかなと、反省山行になってしまった。

さてこの山、まずは沢沿いの登山道をぐいぐい登っていくのだが、その後、尾根にたどり着くと谷から出たこともあって、周りが明るくなり、すると目の前にドーンと岩壁が目に入ってくる。

久々に岩壁を目の前にしてテンションが上がってくるが、見るだけではなく、ここから登山道も一変して、岩登り要素が加わってくる。随所にロープ、鎖場、ハシゴが出てきて、久しぶりのよじ登り感をドキドキしながら味わうことができて、一人静かに感動した。

その後、急登が落ち着いてからも岩尾根や、やせ尾根といった感じが続き、ハアハア息を弾ませる山歩きとは違う山登りを楽しんだが、残念なことにだんだんと折り返しの時間が迫ってきた。六号目にたどり着くと、山頂まで1kmとの表示。往復でおそらく1時間、行こうと思えば行けないことはない。ただし、最終バスの時間はギリギリだ。

来るときに乗ったあの乗合バス的なあの超ローカルバス。途中のバス停で、時刻よりも早く通過する可能性は十分にある。そんなことを考えると、ここで戻ることが正解なのだろうと判断し、戻ることとした。岩や崖のある興味深い山域で、このあとのコースには未練が残るけど、いま、ここで山にいるだけで十分に楽しめてます。あまり欲深くすることは、いいことはない。これまでの人生で得た教訓をここで思い出し、戻りの山歩きを楽しむこととしました。

下りはゆっくり慎重に歩いた。鎖場も落ち着いてしっかりと降りることができたし、後半はポールを出して、安全第一で歩いた。六号目の判断は、こうした心の余裕面にも影響していると思う。やはり山歩きは、余裕を持った行動がいいと、歩きながら何度も自分に言い聞かせた。

その後、無事に登山口を出て、あとはバス停までのロードを約40分歩くだけ。舗装道歩きではあるが、周りは山。道路沿いに続く小さな集落も普段目にすることのない光景。里の季節は秋真っ盛り、木々の葉も少しずつ色づき始めている。こんな歩きも悪くはない。自分もいずれ、体力が落ち、山歩きができなくなるかもしれない。

でも、こうした歩きなら続けられるかも、そんなことを考えていたら、後ろから来たクルマが目の前で止まり、「乗って行きませんか」と、誘ってくれた。たしか、登山口に停まっていた車だ。自分より先輩と思われる優しそうな男性、ご好意に甘えることとして、同乗させていただいた。行き先を告げると、同じ方向のようだったので、途中まで乗せていってもらうこととなり、車の中で話を伺うと、地元の方らしく、山は毎週歩いていて、三ツ瀬明神山は、若い頃から何度も登ったということ、仲間と一緒に日本全国の山もいろいろ歩いていることなど、初めてお会いする方なのに、山という共通の話題で話が弾んでしまった。こんなところでも、山っていいなとジーンとくる。結局、来た時の駅よりもずっと家に近い側の駅近くまで送っていただき、また、どこかの山でお会いできるといいなと思いながら、別れを告げた。それにしても、本当に助かった。

こうして、この日の山歩きは、いろいろあったが、楽しく終えることができた。ああ、山って、本当にいいなと、毎回、胸のあたりが暖かくなります。

さて、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 04:33 距離 11.5 km 登り 740 m 下り 729 m