トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2019年5月11日土曜日

2019GW山歩き『南八ヶ岳』(2日目)

残雪の深い文三郎尾根をひたすらに登る。
(1日目からの続き)
ゴールデンウィーク山行、2日目の始動は朝5時半から。朝食のインスタントラーメンをすすり、身支度を整えてベースキャンプを出発したのは6時半。以前から歩きたいと思っていた赤岳から横岳、硫黄岳へとの縦走が始まるとあっては、心はまさにウキウキワクワク状態。ただ、もちろん分かってます。浮かれすぎてもいられないことは。久々のアイゼン、そして相手は雪と岩の赤岳、横岳。しかも初めてとなるルートも歩くのだから、事前に勉強してきたとはいえ、油断は禁物だ。

朝の行者小屋前のテン場の様子。行ってきまーす。

まずは文三郎尾根、歩き始めなのでペースはゆっくりと、そしてバランスを崩さないように注意が必要。この日は風もなく、早朝だったので雪の締まり具合もほどほどで、アイゼンの爪がしっかりと雪面を捉えてくれる。途中の登りが緩くなっている地点で後ろを振り返ると、そこには出発地点の行者小屋がすでに小さく見える。また、左側には前日歩くはずだった阿弥陀岳が雄大にそびえている。ずっと見ていたいところだけど、呼吸を整えて再び山頂を目指す。

今回登れなかった阿弥陀岳。次こそは必ずや登ってみたい。
文三郎尾根は中岳との分岐まではしっかりと雪が付いているが、そこからは岩が露出し始めてくる。ただ、山頂取り付きの鎖場付近からは再び雪が多くなっていて、一歩一歩、しっかりと雪面を捉え、ときには鎖を掴み岩にアイゼンを噛ませ、ガリガリと登って行った。

赤岳山頂への鎖場に取り付く。ここからが赤岳登頂への核心部。
そして、ようやくたどり着いた頂上。ラッキーなことに周りには誰もいない。360度の大パノラマを独り占め。なんて爽快なことだろう。抑えきれない喜びがふつふつと湧いてくる。頂上にいても風は穏やかで、むしろ暑さすら感じるこの日(まあ、インナーダウンを着ていることもあるけど...)、久しぶりに高い位置にいることの感触が、気分を高揚させいるようだ。とはいえ、浮かれ気分をリセットし、次なる歩きの安全を山頂のお社にお願いして、いざ出発。

赤岳山頂から春の日差しに霞んだ富士山を望む。
地蔵の頭を過ぎると未知なるコース。机上では何度もイメージしたが、初めての横岳はやはり緊張する。鉄梯子から始まって鎖場、高度感のある雪上トラバース、そしてまた鉄梯子に鎖場と、危険地帯が連続するコース。足元も岩が露出しているところが多数あり、アイゼンワークにも気を遣う。万が一、ここで爪を岩に引っ掛けてバランスを崩してしまったら、それこそ一巻の終わりだ。慎重に一歩一歩、前に進む。

いよいよ挑む初めての横岳。どんなことが待ち受けていることやら。
幾つかのピークが連なる横岳は、奥の院と呼ばれるピーク(2829m)が主峰のようで、この辺まで来ると初めの緊張感もなくなり、快晴の下の雪山歩きを存分に楽しむことができた。爽快感の連続で、感覚がマヒしているのか、不思議と恐ろしさを全く感じずに歩くことができたのだが、果たしてどう考えてよいものやら。でも、気持ちがいいのだからしょうがない。奥の院を下りるときにやや注意を要する岩場があるけど、そこを抜けるとだんだんと硫黄岳モードに入ってくる。つまり岩山歩きとはお別れ。規模こそ小さい岩山だったが、横岳歩きはそれなりにスリルはあるし、終わってみれば楽しい岩山歩きができた。

横岳山頂は雪の中。日差しがだんだんと強くなってきた。
次に目指すは硫黄岳だが、この山は風が強いことでも有名で、なるほど少し風が強くなってきたような気がする。ただし、登山道はなだらかな丘陵地を思わせる安全なガレ場歩き。ここも油断さえしなければ問題なく歩くことが可能だろう。途中、雪が少なくなってきたので、アイゼンを外し身軽になると、ますます足取りが軽くなった。硫黄岳山荘辺りまで下った後、再び徐々に高度を上げていく。この時は追い風をうまく利用して省エネ歩きで前に進む。地味な坂道だけど、これが強い向かい風だったら、それなりにへこたれるだろうが、この日は楽チン。

爆裂火口。噴火ってすごいエネルギーだな。怖い怖い。
硫黄岳山頂付近からは、あの爆裂火口を望むことができたが、写真で見るよりもずっと迫力があった。あのスケール感は一見の価値はあると思う。
ここで一旦、今日歩いてきた道のりを振り返ることができるので、休憩取りがてら南八ヶ岳の美しい山容を眺める。春の青空の下、八ヶ岳は雪と岩のコントラストが美しく、またその裏には恐ろしい顔も潜んでいるかのようにも見える。遠くに文三郎尾根が白い縦の線となって赤岳山頂方向に延び、その赤岳は八ヶ岳主稜と呼ばれるだけあって威風堂々と構えている。稜線を辿ってこちらに向かってくると大同心、小同心をまとった荒々しい岩稜の横岳が登山者の行く手を阻んでいるかのように鎮座し、そこを通ったものだけがなだらかな硫黄山への稜線を歩くことができる。

硫黄岳山頂からは今日歩いてきた道のりを振り返ることができる。
そんな南八ヶ岳のバランスの取れた山容を眺めていると時間を忘れてしまいそうになるが、最後の下りこそが大切だから、もう一度、気を引き締めて歩き始めた。外していたアイゼンを赤岩の頭の分岐で装着しなおし、雪深い下り坂を赤岳鉱泉を目指して下った。

下りは細く長い樹林帯歩きが待っていた。
その後、無事にテントまでたどり着いた自分、時間はまだ13時。日は高いがこの日は楽しみがもう一つ残っていた。そう、晴天の下でのビール。この日は行者小屋二階のテラス?に陣取り、雪で冷やしておいたビールを飲り始めた。このテラス、鉄でできているので、晴天下、熱せられて程よいホットプレートとなってくれていて、半袖でも暑いくらいの最高の環境。赤岳、中岳、阿弥陀岳を目の前に、ゆっくりとゆっくりと味わいながらおいしくビールとワインを完飲。あ~、山って本当にいい。いやホント、いいのは山なんです。

これも山でのお楽しみのひとつ。たまりません。
最後に3日目は行きと同じく、南沢から無事に下山。去年と同じく美濃戸口ではJ&Nさんでお風呂をいただき、上がったのがバス出発8分前。今度こそはと、去年飲めなかったビールを注文し、しっかりと飲み干し、そして予定どおり帰還することができた。あ~、山って本当にいいですね(笑笑)。さて、つぎはどの山歩こう。

【1日目:Start 10:06美濃戸口~11:12美濃戸山荘~14:08行者小屋(設営後)15:30~16:00赤岳鉱泉~16:40行者小屋】
1日目の行程(赤岳鉱泉往復を除く)は、距離約 7.7km、出発地点標高1490m、最高標高 2345m(行者小屋前)、最低標高1484m(柳川付近)、移動平均速度 約1.9km/h、総所要時間4h02m(recorded by garmin)

【2日目:Start 6:21行者小屋~7:53赤岳山頂~9:45横岳(奥の院)山頂~10:57硫黄岳山頂~12:16赤岳鉱泉~12:57行者小屋】
2日目の行程は、距離約 9.8km、出発地点標高2345m、最高標高 2899m(赤岳山頂)、最低標高2235m(赤岳鉱泉前)、移動平均速度 約1.4km/h、総所要時間6h36m(recorded by garmin)

【3日目:Start 7:00頃 行者小屋~9:00頃 美濃戸山荘~10:00頃 美濃戸口】
1日目の行程(赤岳鉱泉往復を除く)は、距離約 7.7km、出発地点標高2345m、最高標高 2345m(行者小屋前)、最低標高1484m(柳川付近)、移動平均速度 約2.5km/h、総所要時間 約3h00m(garmin電源入れもれ...)

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2019年5月5日日曜日

2019GW山歩き『南八ヶ岳』(1日目)

一日目、テント設営を終えて一段落したところ。赤岳が眩しい。
今年のゴールデンウィークも結局のところ行者小屋をベースキャンプとしての『南八ヶ岳』を歩いてきた。というのも、この時期にテン泊ができて、しかも今の自分が魅力を感じる山域となると、ここしか思いつかなかったから。
『南八ヶ岳』とざっくり言ったが、当初の予定としては、1日目に美濃戸口から行者小屋まで歩いてから設営後に阿弥陀岳をピストンし、翌日は赤岳から硫黄岳まで縦走し、3日目に撤収、帰還を考えていた。ところが、JR茅野駅からの美濃戸口行きバスが、今シーズンから始発が去年より45分も遅くなっていたことに茅野駅のバスセンターで初めて知らされ、はなっから計画変更をせざるを得なくなってしまった。

10連休ど真ん中。美濃戸口は多くの登山者で賑わっていました。
しかも自分の体力の衰えに気づかずに、前回と同じく欲張って缶ビール6缶とワイン1本背負ってきたものだから、歩きが予想以上に遅くなってしまった。さらには、今年の八ヶ岳、残雪が非常に多く、行者小屋の水場の水がまだ出ていなかったものだから、往復1時間以上もかけて赤岳鉱泉に飲み水をもらいに行く羽目となってしまった。そんなことだから、落ち着いたのは17時近くなってから。阿弥陀岳云々と言っている場合ではなくなってしまった。

夕焼けに輝く横岳、大同心。しばらく目を離すことができませんでした。
そうは言っても、この日、落ち着いてからは、恒例の山を眺めながらのビール。苦労して背負ってきた甲斐があったというものです。行者小屋の前からのアーベンロート(夕焼け)で輝く阿弥陀岳、赤岳、横岳、大同心、どれも最高に綺麗でした。そんな景色を見ながらのビール、心が洗われるって、こういう気分なのかな。それと、今回初めて気づいたのだけど、行者小屋の二階テラス?から赤岳と逆側を展望すると、ちょうど北アルプスが見えていて、この日は天気が良かったこともあって、槍穂、大キレットをバッチリと確認することができた。山からの思わぬプレゼントに大感動、さっそく胸がジーン。

自分のカメラではこれが限界。大キレットを中心に槍穂がくっきりと見えました。
さて、この日は重い荷物による疲れと、翌日への備えのため、アルファ米の夕食をそそくさと取って、早めに就寝。ちなみに、今年の行者小屋前のテン場は地面が露出しているところは一切なく、どこも深い雪に覆われていたが、それでも10張り以上の方が泊まっていた様子。自分は初めての雪上テント泊だったけど、上下ダウンと、冬用のシュラフのおかげであったかく寝ることができた。やっぱり、あったかいってイイね。
(2日目へ続く)

【1日目:Start 10:06美濃戸口~11:12美濃戸山荘~14:08行者小屋(設営後)15:30~16:00赤岳鉱泉~16:40行者小屋】
1日目の行程(赤岳鉱泉往復を除く)は、距離約 7.7km、出発地点標高1490m、最高標高 2345m(行者小屋前)、最低標高1484m(柳川付近)、移動平均速度 約1.9km/h、総所要時間4h02m(recorded by garmin)

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