トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2017年5月19日金曜日

奥秩父から奥多摩まで2泊3日の山旅(3日目)

山行3日目、奥多摩小屋の朝。この日の楽しい山歩きを富士山が約束してくれているよう。
(2日目から続く)
さて、今回の山行も最終日。この日も目覚めたのは午前4時半。昨夜も一晩中、人の歩く足音で何度も起こされてしまった。しかも木の根がひどいテン場。でも、連日の疲れもあってか、それでもまあ、よく寝られた方かな。疲れも十分にとれたし。自分、結構すごいな...。
3日目のこの日は、奥多摩小屋からJR奥多摩駅まで石尾根をひたすら下る約20kmのコース。山行最終日なので、ゆっくりとじっくりと楽しんで歩こうと、朝日まぶしく富士山が微笑む中、奥多摩小屋を後にした。まず目指すのは七ッ石山(1757m)、昨日までの2日間で約30km歩いてきた足は歩き始めからパンパンといった感じで、ブナ坂からの登りがかなり応えたが、昨日会得した歩行法で着実に山頂に辿り着いた。この石尾根、七ツ石山を過ぎてから尾根道と巻き道の選択ができるのだが、疲れた体に鞭打って「せっかくだから」と、尾根道をチョイス。足がパンパンなのに尾根道、もう訳が分からない。ただ、この尾根道、展望がハンパない。歩き始めてすぐに「ああ、こっちを選んでよかった~」と疲れも吹き飛んだ。というのもこの石尾根は、防火帯になっていて尾根道が結構広い幅で木が生えていないので、何度も言うようだがホント展望がよくて、しかも美しい。

見通しが効いて気持ちの良い石尾根の尾根道。
その後、高丸山(1733m)、日蔭名栗山(1725m)といったアップダウンを経て鷹巣山避難小屋に到着。ここでは、飲み水を補給するために寄ったんだけど、ここの水場も避難小屋から200mほど下った場所にある。だから、重いザックは避難小屋にデポして駆け足で往復。だいたい10分弱で行けたかな。その後、およそ2年ぶりの鷹巣山(1736m)へ到着。ここも人気の山だけあって、まだ10時そこそこなのにすでに10人以上の登山者が各々に食事をとったり展望を楽しんだりしながら休憩している。みんないい顔してる。
かくいう自分は先がまだ長いので、ぐびっと水を一飲みし、そそくさとその場を後にした。すでに4時間近く歩いているのに道のりとしてはまだ半分も歩いていない。

鷹巣山から奥多摩の山々を望む。遠くには富士山も。
その後、徐々に高度を下げていって六ッ石山(1478m)で昼食をとったあと、この日最後のピーク、三ノ木戸山(1177m)をクリアした。これでこの日一日で一体いくつのピークを踏んだのだろう。有名峰でなければアルプス級の高山ではないけど、身体の疲れに反してこの日の縦走は気分がいい。思い返せば、昨日までの登山道はちゃんとした尾根道を歩くことがなく、なんとなくうっそうとした巻き道を延々と歩いてきた。それはそれで悪いとは言わないけど、この日こうして開けた尾根道を歩いて改めて思ったのは、「山はやっぱり展望だ」ということ。自分の中で山歩きの楽しみのかなりの割合で展望を期待していることがはっきりと分かった。次に山行を計画する際も展望の効いた山を歩くこととしよう。
さて、最後の下りは、さすがの石尾根も奥多摩特有の植林域に入り、勾配もきつくなってきた。これほど長い時間、下り坂を歩いていると、さすがに後半は踏ん張りがきかなくなってきて、足元もふらふらしてくるが、何とか頑張って無事に奥多摩駅に下りてきた。5月初めなのに下界はなんて暑いのだろう。早速いつもの酒屋に寄り、下界は下界の楽しみを「ゴクリ」っと。これはこれでいい!そのあと、混んでいるだろう「もえぎの湯」は避けて、一度行ってみたかった「玉翠荘」(ぎょくすいそう)へ。ただここもゴールデンウィークの力は及んでいて、団体さんが休憩室を占領していた。まあ、休憩室は今度来た時に入ってみようと、とりあえず3日分の垢だけを落として建物を出た。そのあと帰路に就くためJRホリデー快速に乗ったが、車内は大混雑で最後まで立ちっぱなし。下界はやっぱり大変だ...。

休憩室は入れなかったけど、温泉はよかった。また来てみたい玉翠荘さん。
今、こうして山から下りてきて2週間経つが、最初の1週間は足のどこかが日替わりで傷んだ。筋肉痛というよりも痙攣があったり膝が痛んだり。足先のしびれに関しては今でも取れないでいる。やはり、ちょっと無理をしたようだ。去年はこんなことなかったのに...。今回の山行でも毎度同じことを反省することとなってしまったが、「もっと体を鍛えなきゃ」ですね。でも、そんなこんなもひっくるめて最後に一言、「やっぱり山はイイ!」ですね。


【1日目:Start 新地平BS~雁峠~笠取山~唐松尾山~Goal 将監小屋】(青ライン)
距離14.9km、出発地点標高1065m、最高標高2109m(唐松尾山)、最低標高1065m(出発地点)、移動平均速度1.7km/h、総所要時間8h17m
【2日目:Start 将監小屋~飛龍山~雲取山~Goal 奥多摩小屋】(紫ライン)
距離15.0km、出発地点標高1744m、最高標高2077m(飛龍山)、最低標高1744m(出発地点)、移動平均速度1.7km/h、総所要時間8h44m
【3日目:Start 奥多摩小屋~石尾根~Goal JR奥多摩駅】(赤ライン)
距離19.3km、出発地点標高1746m、最高標高1757m(七ツ石山山頂)、最低標高348m(JR奥多摩駅付近)、移動平均速度2.2km/h、総所要時間8h24m
(いずれもrecorded by garmin)

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年5月16日火曜日

奥秩父から奥多摩まで2泊3日の山旅(2日目)

夜明け直後の将監小屋テン場。正面に見えるのは大菩薩嶺だろうか。
(1日目から続く)
さて2日目。前の晩はお隣のテントからの強烈ないびきや、夜中なのにテントのそばを歩く人の足音、さらにはシカなどの野生動物を追い払うためなのだろうか、爆竹の爆音などによって、熟睡などできるはずもなく何度も目を覚ましたが、それでも体の疲れは十分とれた。朝、シュラフから出たのは4時半、朝もやがこの日の晴天を予感させた。正面に見えるのは大菩薩嶺だろうか、富士山はまだ見えない。仕事の日の朝とは違って起きた瞬間から目はやたら冴えている。長い一日を乗り切るために早速朝食をと、アルファ米に生卵、フリーズドライのおかずスープに甘いココアまでいただいて体調はすこぶる快調。ただ、そうこうしているうちにテン場を出発したのは6時半。周りを見渡すとほとんどの人が出発していた...(涙)。

こんな橋がたくさんある。中には高度感でドキドキモノの橋も...。
2日目のこの日は、以前から奥多摩側から見てて一度歩いてみたかった飛龍山(2077m)からお馴染みの雲取山(2017m)を経てこの日の宿泊場所、奥多摩小屋までの約15km。行程としては、将監小屋を出てから、まずは飛龍山まで、ただただひたすらにアップダウンの少ないトラバース道を歩き続けるといった感じで、多少荒れた登山道は所々に崩落地帯があったり両側切れ落ちた手摺のない橋があったりで、奥多摩の整備された登山道育ちの軟弱登山者の自分にとっては決して歩きやすい登山道とは言えない状態だった。ただ救いだったのは、所々で展望が効いたこと。富士山がずーっとこちらに微笑みかけてくれていたので、そんな登山道でも飽きることなく頑張り続けることができた。特に飛龍山手前の禿岩の展望は最高で、富士山はおろか南アルプス、その他よく分からないけどたくさんの山々を眺めることができた。あの山域にあってあの場所は、実に気分爽快である。

禿岩から望む富士山。ここは実に開放感があって気持ちも晴れます。
その後、藪漕ぎのような飛龍山への登りと展望のほとんど効かないその山頂に期待を裏切られたのち、次に目指すは我が故郷、雲取山(なんちゃって)。途中、狼平という開けた鞍部で栄養補給し、あっ、ちなみに今回の山行では一食に一個、必ず生卵を混ぜている。だから生卵は全部で6個も持ってきた。家内に教えたら、「サプリでいいんじゃない」だって。次回からそうしよう...。まあ、そんなことはどうでもいいが、その後、三条ダルミから雲取山山頂を目指したが、これが結構きつかった。でも、この登りで自分の山歩きとしてはとても貴重な一つの気づきがあった。聞けば当たり前のことだけど、それは「とにかく小股で少しずつ登っていくこと」。この歩行法のおかげで疲れにくくなったし、ペースは遅いけど安定して着実に前進できるようになったので、結果的に今までよりも登りのスピードは上がったと思う。この三条ダルミからの登りもこの歩行法で、もちろん辛かったけどしっかりと歩きぬくことができた。一年ぶりに雲取山の山頂に着くと、さすが人気の山だけあって登山者が大勢。特に今年は2017年なので、標高2017mの雲取山は人気があるらしい。そんなこともあってか、うわさには聞いていたけど、山頂標識が新しくなっていた。しかも立派な石造り。さすが東京都。

人気の雲取山山頂。石造りの山頂標識が真新しい。
さあここまで来ると、あとは奥多摩小屋まで小一時間下るだけ。以前から泊まってみたかった奥多摩小屋のテン場、この日は100張り以上もあっただろうか。とにかく混んでいた。受付を済ませてからテントを張る場所を探したんだけど、なかなかいい場所が見つからない。このテン場、よくよく見ると広さの割に平らな部分が少ないんじゃないかな。やっと見つけた場所も木の根がひどかったけど、まあ何とかなった。それとこのテン場、水場がやや遠いのが厄介なところだと感じたし、それと汚い話になっちゃうけど、トイレがかなり汚れている。しかも箱が3つしかない。あのテント数で3つはないよね...。だからこの日も早々とトイレを済ませ、19時過ぎには就寝し翌朝4時半には目を覚ましトイレを済ませたので、渋滞にはハマらないですんだ。トイレの話しで終わっちゃったけど、2日目はこんな感じで終了~。しつこいようだけど、残念ながらトイレの汚さは山小屋としてはポイントダウンですよね。何とかしてくださいよ。奥多摩小屋さん。
(3日目へ)
この日は大混雑の雲取小屋テン場。こんな感じのテン場が延々続く...。
【1日目:Start 新地平BS~雁峠~笠取山~唐松尾山~Goal 将監小屋】(青ライン)
距離14.9km、出発地点標高1065m、最高標高2109m(唐松尾山)、最低標高1065m(出発地点)、移動平均速度1.7km/h、総所要時間8h17m

【2日目:Start 将監小屋~飛龍山~雲取山~Goal 奥多摩小屋】(紫ライン)
距離15.0km、出発地点標高1744m、最高標高2077m(飛龍山)、最低標高1744m(出発地点)、移動平均速度1.7km/h、総所要時間8h44m

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年5月14日日曜日

奥秩父から奥多摩まで2泊3日の山旅(1日目)

直登の登山道が印象的な笠取山。頂上付近の傾斜が急で怖かった...。
このゴールデンウィーク、2泊3日で山に籠ってきた。歩いてきたのは奥秩父は西沢渓谷近くの新地平からJR奥多摩駅までの約50kmの縦走コース。新地平の登山口にはJR塩山駅から山梨交通バスで新地平バス停で下車して入るのだが、この日はさすが晴天のゴールデンウィーク、電車もバスも大混雑で、車内でじっとこらえながら「早く静けさがほしい」と願っていた。
登山口からは、中学生や高校生の登山部だろうか、たくさんのパーティーが軽やかな足取りで20kgの装備で足取りの重いオジサンを次々と追い越していった。それにしてもこのコース、計画段階では「おそらく人は少ないだろう」と高をくくっていたが、若者たちでいっぱいだった。たぶん中高生の登山部は日本アルプスや八ヶ岳といった人ごみの予想される人気エリアを避けてここに集まってきたのではないかな。確かにこのコースは危険個所もないし、そういう意味でも登山研修的な山行はしやすいのだろう。
さて、1日目は笠取山(1953m)や今回の山行を通して最高峰の唐松尾山(2109m)をクリアしてから最初のテン場のある将監小屋までの約15km。歩き始めがバスの時間の関係から9時半となってしまうので、日没のリスクを避けるため、なんとしても18時までにはテン場に着きたかった。そんな気持ちを抱きながらの歩きだったので、ゆったりとした山歩きというわけにはいかなかったが、山歩きで焦りは禁物。この日は、急ぐ気持ちを抑えながらの山歩きとなった。

登山者で賑わう雁峠。正面に見えるのは笠取山。
登り始めからひたすら沢筋の作業道を歩いたあと、5kmくらい経ってからようやく登山道らしくなってくる。最初の目標地点でもある雁峠はベンチもあり休憩場所としてはちょうどよく、登山部の皆さんも大勢休憩していた。自分はというと、休憩もそそくさにあわただしく出発。すぐに荒川、富士川、そして多摩川に分かれる分水嶺に来たかと思うと、左手に笠取山が目に入る。写真では何度も見ていた山だが近づいていくうちに頂上付近の急勾配が気になり始め、標高差120mを一気に直登する登山道の終盤には「自分はやっぱり高いところが苦手だったんだ」と、久々に思い知らされてしまうほどの恐怖感を味わってしまった。なかなか侮れないです笠取山。この山を下りてからは巻き道との分岐に出合ったが、時間のことが気にはなったものの、せっかくなので尾根道をチョイス。ただここからのコース、途中、今回最高峰の唐松尾山を経るもこれといって大きな見どころもなく、しかも尾根道といっても微妙に芯を外された感の登山道をひたすら歩くって感じ。

ひっそりとした登山道。笠取山を下りてから将監峠までで出会った登山者はたった一人!
歩き詰めてようやく将監峠までやってくるとこの日のゴールはもうすぐ。ここまで来ると、ようやく一日を振り返る余裕も出てきたが、それにしても雁峠まではあんなにたくさんの登山客がいたのにも拘らず、尾根道の分岐からすれ違ったのはたった一人という、後半は実に静かな山歩きとなった。距離がある割に唐松尾山山頂の展望のないひっそり感のハンパない様子、このコースの登山者の少ない理由(わけ)はそこにあるような気がした。マニアが好むコースなのかな?ここは。

段々畑のような将監小屋のテン場。ほぼほぼ満杯だった。
将監峠を下りると誰かが言っていた「段々畑」のようなテン場が現れ、10分かかることなく本日の宿泊場所、将監小屋に到着。時刻はちょうど17時で、何はともあれ1日目は無事に目的地に辿り着くことができた。よく頑張った。本当はここで「お疲れさん!」とビールでも飲みたかったところだが、去年のGW山行とは違って、今回はアルコール抜きで行こうと決めていた。重さ対策もあったし山籠もり感も味わえるから。だからこの日も小屋で売っていたとても冷えていそうな缶ビールには目もくれず(って、しっかり見ているじゃないか!)、黙々とテントを設営し、夕飯のアルファ米を食べ、日暮れ間もない19時過ぎにはシュラフにもぐり込み、そして初日を静かに終えた。山伏か俺は!
(2日目へ)


【1日目:Start 新地平BS~雁峠~笠取山~唐松尾山~Goal 将監小屋】(青ライン)
距離14.9km、出発地点標高1065m、最高標高2109m(唐松尾山)、最低標高1065m(出発地点)、移動平均速度1.7km/h、総所要時間8h17m

にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ このエントリーをはてなブックマークに追加