トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2023年4月30日日曜日

久々テン泊、地元で人気の山『藤原岳』

現在、単身赴任中の自分、時間は比較的自由に使えるから(というか、暇を持て余している)、山には行き放題なわけだが、そうは言っても自身で身の回りのことを全てこなす必要があるので、せいぜい月に一度くらいの山行としている。先日も山を歩いてきたが、これが今年初のテン泊登山で、歩いてきたのは、鈴鹿山脈の『藤原岳』。ここは、登山口までのアクセスが電車だけで行けるのでとても便利だし、山頂手前の避難小屋にはトイレもあるので、多くの登山者が小屋の周りをテン場として利用しているらしいく、今回、トレーニングの一環としてこの山を歩くこととした。

一泊ということもあるし、しばらくぶりのテン泊でもあったので、缶ビールを持って行くことにした。350ml缶を6本で、このためザックの総重量は約20kg。自分でもバカじゃないかと思いながら、余計に重くなったザックをふうふう言いながら、登山道を登っていった。また、久々のテン泊だったので、忘れ物はないかと心配したが、おそらくは大丈夫だったと思う。寒さが心配されたけど、それほどでもなく、終始、快適なテン泊登山を楽しむことができた。

歩き始めは、朝8時で、自分は電車を利用して登山口まで来たが、登山口にある駐車場はすでに満車。当地の登山熱もなかなかに高いんだなと思いながら、登山口の鳥居をくぐった。

すぐに小さな神社があったので、この日の安全登山を祈念した。幸いにも山に入ると登山者の多さを感じることもなく、ひとり気ままな山歩きを楽しむことができそうで、いっそう、ワクワク感が湧いてきて、早速ご利益があったみたいだと、ひとり笑顔になりながら、静かな登山道を歩き進めた。

樹種こそ多様だが基本的に樹林帯が続くこの登山道は、足元もしっかりと整備されていて、とても歩きやすい。しかも危険箇所も見当たらず、山だから油断できないことは当たり前として、老若男女が楽しめそうな登山道だと思う。

ただ、この日はさすがにザックが重すぎた。普段からトレーニングしているので、多少の自信はあったけど、その自信は簡単に打ち砕かれたが、そうはいっても登らないわけにはいかないので、一歩一歩、足元を確かめるかのように、徐々に高度を上げていった。その結果、次から次へと、それこそ老若男女に先を譲った、いや抜かれた(汗)。

それでも、登山というのは、先を急がず時間をかけて歩いていると、目的地にはたどり着くもので、この日もようやく樹林帯を抜け、ややしばらく歩くと、避難小屋が見えてきた。ここが、今日の幕営地だ。

幕営地に着いたとはいえ、時間はまだ午前中。元々の計画では、すぐにテントを張って空身で山頂などを歩こうかなと思っていたが、樹林帯を抜けてからの風の強さが凄くて、最適な幕営場所が見当たらない。強いていうなら、今休んでいる避難小屋の前庭のような場所だが、ここは登山者たちの休憩場所になっていて、たくさんの人であふれ返っている。さすがに、今ここに張るわけにはいかないから、日帰り登山者が帰ってから張ることにした。

ということで、ザックを避難小屋にデポして、サブザックでまずは間近に見える山頂を目指すこととした。重い荷物から解き放たれた自分は、まるで翼を得たかのように、ひょいひょいと歩くことができて、ものの10分ほどで山頂に着いた。山頂は、岩がゴロゴロとしていて、やはり山岳信仰系の雰囲気も多少感じる。ただ、人気の山だけあって、山頂標識の前にはたくさんの記念写真待ちの行列ができていて、シャッターチャンスがなかなか巡ってこない。デポした荷物も気になるので、写真はそこそこの出来でよしとして、次に進むこととした。次は天狗岩だ。

天狗岩までは一旦、避難小屋前を通り過ぎて反対側の方向に向かうことになるが、小屋にデポしてきた荷物が大丈夫そうなことを確認して先を急いだ。避難小屋を過ぎると、カルスト地形っぽさがある、岩のぼこぼことした露出が目立つ広々とした丘といった場所で、見晴らしもよく気持ちのいい歩きができる。そこを抜けると、樹林帯に入っていき、標識どおりルートを取ると、すぐに目的の天狗岩に着く。ここもやはり人気のスポットで、すでに大勢の登山者で占領されている。まあ、確かにずっと佇んでいられるいい眺めだ。

天狗岩でのまったりとした時間に後ろ髪を引かれながら、テン場に戻ったが、時間はまだ12時。お昼ご飯を食べながらしばらく避難小屋前で休んでいると、素敵な初老の紳士といった雰囲気の登山者に話しかけられた。この方も今日はここに泊まるらしい。しかもツェルト泊だそう。風がやや心配ですねみたいな話をしながら、2人で話をしていると、今度は隣にいた、大阪から来たという女性登山者に話しかけられて、3人でしばらく登山談義に花が咲いた。2時も過ぎ、下山する姉ちゃん登山者(姉ちゃん呼ばわり、ごめんなさい)と別れて、テントを張って、一旦、一眠り。実は、この間、苦労して担ぎ上げてきた缶ビール6缶(これだけで約2kgだから、何度も言いますがバカみたいですが)をグビグビと飲っていたので、程よい眠気が襲ってきていた。

その後、起きたり寝たりで、だらだらと過ごしながら、朝5時に起床。途中、3時頃かな、トイレに起きた時は星空がとてもきれいだったけど、スマホカメラでは収めきれないと思って、写真は撮りませんでした。予定にはなかったけど、テン場からは山頂が近いので、急きょ、ご来光を拝みに行くこととした。早朝の冷たく張り詰めた空気を感じながら、薄暗い登山道にヘッデンを照らし、山頂に着くと、すでに何人かが夜明けを待っていた。お互いに挨拶を交わし日の出を待つが、いつもそうだけど、こういう時の太陽は出そうでなかなか出ない。このじれったさを楽しみながら数分、ようやく太陽が顔を出し始めた。伊勢湾を見下ろしながらのご来光は初めてだったので、感慨もひとしお。自分が知らない中で、毎日、このようなことが繰り返されていると考えると、日々の感謝が足りないのかなと反省しながら、もっと毎日を丁寧に大事に過ごさないといけないなと考え直す。ホント、ご来光っていいものです。

この後、テン場に戻って朝食の尾西(アルファ米です)を食べて、テントをたたんで、身支度を整えて下山を開始した。久しぶりのテン泊はホント楽しかった。やっぱり山はいいなと思いながら、少しは軽くなったザックを背負い、それでも気を抜かず、しっかりと一歩一歩を確かめながら下りた。事故は下山時に起きることが多いことは知られているし、好きな山歩きをさせてもらっているので、家族には迷惑をかけるわけにはいかないと思いながら、急ぐ行程でもないのでゆっくりと下りた。その後、登山口の休憩所で靴を洗い、電車の時間調整を兼ねた休憩をとった。この日もたくさんの登山者が山に入っていく。この山は、本当に地元に愛されている人気の山なんだなと感じながら、この場を後にした。その後は、近くの温泉に寄って、汗を流してから、電車で街まで移動し、駅前の食堂で軽くビールをいただき(またか...)、この日の楽しい山歩きを終えました。ああ、久々のテン泊登山は重かったけど、実に楽しい山歩きでした。

さて、次はどの山歩こう。



  GPS 06:03、距離 11.1 km、登り 1200 m、下り 1097 m