トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2023年7月30日日曜日

涼しく山トレ『木曽駒ヶ岳』(Ⅱ)

山の朝は早いもので、あっという間に翌朝は訪れます。3時頃から周りはざわつき始め、今回はゆっくりを決め込んでいた自分ですが、4時には目がぱっちり開いてしまったので、予定よりだいぶ早いですが、行動を開始することとしました。朝露に濡れたテントから出ると、雲ひとつない快晴で、すでにうっすらと明るくなっています。

テン場からは木曽駒も中岳もバッチリ見えて、東の空、つまりここのテン場では南アルプスや八ヶ岳方面は、空が赤く染まり始めています。いい日になりそうな予感。まずはこのテン場でご来光を眺め、この日も無事に歩けるようにと、どこかにいるかもしれない神様に願い、その後、朝飯前に木曽駒山頂に向かいました。

さすがにダウンを着込んで歩き始めましたが、歩いていると、正直ダウンもいらないかもと思うくらい、朝日がどんどんと力を増してきます。山頂でご来光を拝んだのであろう人たちがたくさん下りてくる中を、1人山頂を目指します。山頂に着くと、これが見たかったんだと大声で叫びたくなるくらいの展望。南アルプス、八ヶ岳、北アルプス、おっ、槍穂高も、目の前には御嶽山も。逆を向くと空木岳などの中央アルプの山々が、そしてその向こうには、なんと富士山の頭まで。

前日のガスガスの山頂とは大違い、山って改めて天候次第だと思わされます。それにしても、テントを担いできて良かった。日帰りと違って、泊まりはこうしたご褒美が待っていることもあるから、やめられないんです。

その後、名残惜しいけどテン場に戻り、お湯を沸かして朝飯の袋麺をすすり、帰り支度を始めました。梅雨で濡れたテントは一拭きすると、朝日がすぐに乾かしてくれて、撤収も楽ちん。急ぐ必要がないので、途中でコーヒーをすすりながらゆっくりと作業を進め、テン場を離れる時は、7時過ぎ。

そのあとも、ゆっくりゆっくりと歩を進め、中岳を下りてからは、目の前にそびえる宝剣岳が次なる目標、と思ったけど、この日は視界抜群で、宝剣岳を望むと、どうも渋滞ができているみたい。そりゃそうだよね、梅雨明けのこんな快晴の日に宝剣岳を目指さない木曽駒登山者はいないでしょ。しばらく宝剣山荘の近くで、取り付きの様子を見ていたけど、渋滞が治りそうにもないので、この日は宝剣岳を諦め、その代わり伊那前岳をピストンすることとしました。

伊那前岳は、たぶんマイナールートで、登るという感じではないけど、稜線歩きが気持ちいいルートで、特にこの日は、天気も良く風もなく、展望の効く稜線を歩くにはもってこいの日。千畳敷カールをぐるりと上から望む歩きは、これはこれで満足のいく歩きとなりました。あんなにいた登山者もこのルートには極端にいなくなり、一人静かに山歩きを楽しむことができました。

その後、乗越浄土に戻った自分、あとは下りるだけです。時間は9時半、この日も多くの登山者が登山道を登ってきます。そうした中を逆行して下りるのは、接触事故が怖いので、やや緊張もしますが、まずまず無難に直登直下の分岐まで下りることができたので、せっかくなので剣ヶ池を経由して千畳敷カールを下からしっかりと目に焼き付けて行きました。

次にここを歩くのはいつになることだろうなどと考えながら、大自然の奇跡とも言えるこの景色をしっかりと目に焼き付け、下りのロープウェイに乗り込みました。

しらび平まで下りてくると、一泊の山行とはいえ、ややホッとした感じが出てきて、気分が変わってきます。この日は、ただ帰るだけだはありません。まだ、イベントは残されています。そう、温泉です。菅野台バスセンターの手前でバスを降りて、すぐ目の前にある「こまくさの湯」です。事前に調べておいた温泉で、湯上がり後にはビールも待っています。

この時、11時(笑)。このこまくさの湯の入湯料は700円とお安いのが魅力な温泉ですが、それよりもこの辺りの日帰り温泉が他に見つからなかったというのが、実のところ。ただ、思っていた以上にここの温泉、よかったです。というのも、内湯からも露天風呂からもなんとあの宝剣岳を中心とした山並みが望めるんです。さっきまで、あそこにいたのかと思うと、感慨もひとしおで、木曽駒ヶ岳帰りにはこの温泉、本当におすすめです。入浴後のビールとソースカツ丼で満足した自分、菅野台バスセンターまでの4〜5分を気持ちよく散歩し、帰宅の途につきました。

ちなみに、このあと菅野台バスセンターでバスを待っていたのだけど、待っている途中で、帰りのバスはここを経由しないバスだと分かり、冷や汗ものでしたが、その後、駒ヶ根インターのバス停まで、路線バスで移動してなんとか間に合いました。元々の切符は駒ヶ根バスターミナル出発の切符だったんだけど、こっちに来る時のバスが菅野台バスセンターで停まったものだから、てっきり帰りも同じかと思ってました。あぶないあぶない(汗)。

さ~て、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 05:21 距離 7.0 km 登り 632 m 下り 625 m



涼しく山トレ『木曽駒ヶ岳』(Ⅰ)

8月の縦走山行までだんだんと時間がなくなってきた。膝の痛みもあり、トレーニングも休み休みだったので、体調、体力面でやや不安は残るものの、残された時間でそれなりに仕上げなければならない。今回は、2日間の時間ができたので、実際の山行でトレーニングすることとしたが、とはいえ、この暑さ、近場で長距離を歩こうと思ったけど、最近流行りの熱中症が怖かったので、悩んだ挙げ句、当地から比較的お手軽に行ける『木曽駒ヶ岳』への1泊テン泊山行に決めた。歩行距離は少ないけど、ここなら涼しい中でのトレーニングができそうと思いますよね。

木曽駒ヶ岳までのアクセスを調べてみると、高速バスが最も早く、しかも安く行けるようだったので、名鉄バスセンターから菅野台バスセンターまで一気に向かった。とまあ、ここまでは良かったのだが、菅野台で往復のバスとロープウェイの切符を買おうとしたら、係の人が「ロープウェイ、2時間待ちですが、どうしますか」ですと。ここまできたからには行くしかないので、一瞬迷いながらも購入し、いざ、しらび平へ向かった。ロープウェイ乗り場に着く直前の車窓からは辺りに人が溢れかえっているのが見え、呆気に取られる中、バスを降りると整理券が配られた。番号は843番。

そのまま前に進むと掲示板の前に行けて、そこに番号ごとの案内予定時刻が表示されている。やはり2時間待ちで13時10分。辺りには数百人の観光客や登山客がそれぞれに時間を潰している。お手軽に高山に行けると考えたのは、どうやら自分だけではなかったようだ。救いだったのは、しらび平まで来ると幾分気温が低いので、日陰にいると2時間もそれほど苦にならずに待つことができた。

ようやく自分の番が訪れて、ロープウェイに乗り込み10分程度だろうか、千畳敷駅に着くと、なんとそこは一面ガスガスの世界。晴れていれば、千畳敷カールや宝剣岳が望めるテラスからも視界ゼロの世界が広がって?いた。それでも風があるせいだろう、時折千畳敷カールの一部分や乗越浄土に向かう登山道が見えたりしたが、その登山道ときたら、登山者で渋滞が発生している様子。ここまで来ると、踏んだり蹴ったりだとも思ったけど、肝心のテン場は空いているのだろうかと思いがよぎる。とは言っても、今さら急いでも意味がないことを悟り、カオスの渋滞路を目掛けて歩き始めた。

思ったとおり登山道は人また人で、思うように進まない。怖いのは、かなりの割合で、普通の観光客や登山初心者のような人たちが登ってもいくし、また下りてきていること。お互いに上手くすれ違うことができずに、余計に渋滞を酷くさせているようだ。自分にはどうすることもできない状況に苛立つこともできず、流れに身を任せひたひたと上を目指した。こうして乗越浄土に着いたのは14時で、早速、ガスで先が見えない中を、その先にあるであろう中岳に向かって歩き始めた。

記憶に反して中岳にはあっさりと辿り着き、続いて頂上小屋に向かって下り始めた。ここでもやはり先は真っ白(真っ暗でないだけいいか)だったが、ここも10分くらいだろうか、下りていくと、強い風が舞う中、見えてきたのはたくさんのテントの花だった。相当な数ではあるが、おそらくまだ張るスペースは残っているだろう。

このあと、受付を済ませ、場所探し。さすがに手頃な場所は全て押さえられているようで、残る場所は平らではないところか、許可されていない域外スペース。自分の場合、どこでも寝られるタイプなので、まあなんとか、手狭ではあるが、張れそうな場所を見つけ、まずは幕営完了。シュラフの中で寝転がってみたけど、エアマットが効いていることもあってか、まあまあの寝心地。

休憩を取って気持ちも落ち着いてきたが、この時、時刻は15時半。さて、どうしようかと思案していると、風の具合でちらちらと見え隠れする木曽駒山頂が気になって、しょうがない。こうなると、日没まで時間はまだあるので、一度、山頂まで歩いてこようとなってしまう。持ってきたビールも気になるけど、ここは山男らしく山を選ぶこととし、山頂での天気回復に期待した。ここから歩くと、20〜30分で山頂まで行ける距離。サブザックで身軽になったので、サクサクと登った。気温は15℃以下ってところだろうか、人によってはソフトシェルみたいなのを着ている人がいるけど、自分は半袖のままで十分。身体がまだ熱を帯びてるみたい。その後、山頂に着き、ややしばらく待っていたけど、やはりガスが晴れることはなく、結果的にはビールを美味しくいただくための運動にしかならなかった。まあ、トレーニングに来たわけだし、これもありかと、次の楽しみへ気持ちを切り替えた。

再びテントまで戻り、とりあえず、この日のミッションは完了したので、例のアレを準備した。まずは、この時のためにと、わざわざ担いできた缶ビールでお疲れさまの乾杯(1人だけだけど)。そして、つまみに準備してきた粗挽きウインナーをバーナーで焼いて、パリッとひと口。うーん、たまりません。来月の山行では重量の関係から禁酒にしようと思っているが、今回はトレーニングといった堂々たる理由があるので、4缶も担いできた。やはり山で飲むビールは何ものにも変え難いと、ぐびぐびやって、むしゃむしゃやった。この時、まだ17時。テン場に着くまでは、もう何時と言っていたのに、状況が変われば感じ方が変わるのは、人として間違ってはいないはずと、うんうん頷きながら、至福のひと時を過ごした。

ひと通り飲み食いして満足した自分、一旦、あったかなシュラフの中で寝ることとしました。歩きたい時に歩き、飲みたい時に飲み、そして寝たい時に寝る。これだからソロ山行はやめられません(Z z z...)。

目が覚めたら、すでに辺りは真っ暗。時計を見ると20時を回ってます。トイレに行こうと思いテントから出ると、そこは満点の星空が降り注いでいました。初めて天の川らしきものも確認できましたし、こんなところもテン泊のいいところです。写真に収めたかったけど、自分の技術ではどうにもなりませんでした。次の山行までには勉強しておこうと思います。

ちょっと寝過ぎかなとも思ったけど、この日はこれで就寝。翌日もそう急ぐ山旅ではないので、早くても5時に起きればいいのでシュラフの中でぐだぐだしていればいいかなと思い、眠りにつきました。

山行記録は、次回に表示することとします。

涼しく山トレ『木曽駒ヶ岳』(Ⅱ)