トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2022年12月11日日曜日

地元に愛されている山『猿投山』

この日は、天気が良かったこともあってか歩いている途中、多くの人にすれ違った。最初のうちは人数を数えていたけど、あまりの登山者の多さに途中からやめるほどで、間違いなく50人以上とすれ違ったと思う。これ、山頂とかの休憩所で会った人を除く数字なので、山歩きをした人は分かると思うけど、驚異的な数字です。標高も近いし、さながら名古屋の高尾山といったところでしょうかね(猿投山 629m、高尾山 599m)。

さて、その登山道といえば、自分が歩いたコースはしっかりと整備されていて、初心者でも歩きやすいと思う。逆に言うと、「整備されている」ということは、低山であることもあり階段が多いことにつながるが、この階段が、さらにまた逆に戻すと、意外にも歩きにくさにもつながっていると思う(ももを上げないといけないので、結構キツイ)。まあ、高低差があまりない山なので、このくらいのキツさは、むしろいい運動として、受け入れられているのかもしれないが、整備された里山とは、こうしたものなのかもしれない。

歩き始めは、名鉄バスの赤津バス停。ここから一般道を10分ほど歩くと雲興寺前に出るので、まずはこの日の安全をこのお寺で祈願した。山里の禅寺で心静かになったところで、登山口に向かい、静かな山歩きをスタートさせたのは、朝8時前。じわじわと標高を上げるにつれ体も温まってきて、それまで来ていたアウターをザックにしまい込み、12月の晴れの日の下、ロングTシャツ1枚でさらに標高を上げた。と思ったものの、このあと登りはすぐに終わり稜線にあっさりと出たが、「今日は、久しぶりの山歩き。ゆっくり行こう」と、あまりにも早く展開していることに自らくぎを刺すように、一歩一歩を味わうように歩いた。

とはいえ、その後、あっさりと山頂にたどり着いたが、自分の場合、低山では、基本、コース全体を楽しむのであって、山頂は一つの通過点としているので、少しだけ写真を撮って休憩することもなく、その場を後にした。歩いていて気づいたのは、この山は地元の人たちに愛されている山なんだということ。すれ違う人の多くは軽装のハイキングスタイルで、元気な子供たちの声や、敬老会とみられるおじいさんばあさんの団体、それからトレランなど様々。そして登山道には名物となっているのかな?ウサギのオブジェやカエル石、どれをとっても、しっかりと地元に根付いた山であることをうかがわせていると感じました。

ただ、あたりまえだけど、山頂を過ぎるとこの山もやはり下りとなるわけで、途中、猿投神社の奥宮なのか、「東の宮」でお参りをしたり、大展望台なる看板につられて眼下に広がる街並みを眺めたり、徐々に里に近づいてくる感じを楽しんだ。自分の場合、山から下りてきて人里を感じ始めると、非日常な世界から別れる残念な気持ちの一方で、事故なく下山できた安堵感で、「帰ってきた~」みたいなことをつぶやいてしまうのだが、この日これは出なかった。まあ、それだけ里山感が強く非日常感が薄かったということかとは思うけど、そうはいっても久しぶりの山歩きは、情けないことではあるが、それなりに足にキテしまった。これはやはり、普段のランニングだけでは足は鍛えられていないことだろうと思うし、これからは、もう少し頻度を上げて山を歩こうと思う。「山歩きは山歩きで鍛える」基本は大事だと改めて感じました。

最後に訪れた猿投神社は、思っていたよりも立派な神社で、神社好きの自分としてはお得な気分に浸れたし、この日の無事にお礼を告げるとともに、今後もいい山とのご縁をお願いすることができました。それから、今年見過ごしてしまったと思っていた紅葉も、少しだけ見ることができて、なんともほんわかとした幸せな気持ちに包まれ、この日の山歩きが幕を閉じた。さて次はどの山あるこう。

▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

  GPS 04:12、距離 10.1 km、登り 543 m、下り 600 m

2022年10月16日日曜日

『鳳来寺山(ほうらいじさん)』と『瑠璃山(るりやま)』

8月以来の山行、天気が良かったこともあり、最高でした。今回は、新幹線に乗ってのアクセスもありと、同じ県内の山なのに、これもまた珍しくも楽しい経験です。

歩いてきたのは、鳳来寺山と瑠璃山。こっちに引っ越してきて、なかなか歩きたいと思える山を見つけられなくて、ネットサーフィン(って、今でも言うのか?)で、ようやく出会ったのだけど、実際の山もなかなかによかったです。標高こそ1000mに満たない低山ですが、至る所に信仰の山という雰囲気が感じ取られ、歩いていて飽きのこない山でした。欲を言えば、もっとガッツリとした登りが欲しかったところですが、それでも今の自分には十分に癒され満足のいく山歩きとなりました。

歩き始めは、電車とバスを乗り継いで到着した鳳来寺バス停の目の前の駐車場。バスを降りて気づいたのですが、どうもこの辺は観光地らしく、そうは言っても観光地の朝8時はまだ静か。しんと静まり返る表参道的な門前道を歩くと、至るところに徳川家康とか、松尾芭蕉とか、山頭火とか、牧水とか、さらに自分の知らない芸術家の歌碑や石碑がたくさん並んでいる。

ここは、なんなのだろうと、首を傾げながら少しずつ登り坂を上がっていくと、登山口と呼んでいいのだろうか、石段の始まりが見えてくる。事前の情報によると、この鳳来寺に向かう石段は、千数百段と、日本でも有数の段数を誇っているらしく、それなりに覚悟はしたけど、日頃のトレーニングの成果があってか、意外にもあっさりと鳳来寺まで辿り着くことができました。もちろんその途中には、さまざまな史跡があったので、何度も足を止めたことも、比較的楽に登れた理由かな。

鳳来寺に着いてみると、朝が早かった割には子供からお年寄りまで、それなりに賑わっていたので、お参りと展望を少しだけ済ませ、そこから少し上にあった静かな祠の前で、小休止することに。せっかく山に来たので、一人静かな場所で山の気分を味わいたい気持ち、分かりますよね。

小休止を済ませてからは、さらに登り上がるコースで、一人息を弾ませ階段を登っていく。そう、このコースはとにかく階段が多く、階段が苦手な人にはあまりお勧めできないが、その分、高度はぐいぐい上がっていく。

途中、朽ちかけた奥の院を通り過ぎ、静かに佇む鳳来寺山の山頂をそおっと通り過ぎ、瑠璃山山頂にたどり着きました。山頂としては、鳳来寺山には申し訳ないが、圧倒的に瑠璃山が、展望よし、岩の具合良しで、軍配が上がるかな。この日は、とにかく待ちに待った晴れの休日。瑠璃山山頂でそれまでの鬱屈とした毒素を体内から思いっきり吐き出しました。ああ、本当にスッキリした!

その後、一旦、鳳来寺山山頂を経由して下りのコースに着くのだけど、このコース、登りと違って普通の登山道。その分、歴史感はないけど、自然はいっぱい。基本、樹林帯を黙々と下りていきますが、途中、ところどころに展望のきく場所があり、中でも鷹打場という場所は開放感がハンパない。時間もお昼近くになっていたので、ここでランチタイム。自分の山行ではすでに定番となったミックスサンドとカフェラテをペロリと平らげると、最後の下りに取りかかる。

まあ、取りかかるといっても、危険箇所の少ないこのコースは、緊張感が保てず、のんべんだらりんと、下っていく感覚なのですが、それでも途中に小ぢんまりとした東照宮があり、再びこの山が信仰の山であることを思い出させてくれます。

ただ、ここを通過すると、今度は本当に見どころはなくなり、ひたすら下るのみの歩き。ただし、このコース、あまり踏まれてないせいか、登山道終盤の林道手前に近づいたところで、地面を覆っている苔のせいで足元が滑るので、注意が必要。

ところで、今回の山行でも、やはり何度かコースを間違えてしまったけど、その度にヤマレコさんがアラートしてくれて、気づきを促してくれました。これ、結構ありがたい機能で、とくに下山間際になると、コースがややこしくなるから、頭も疲れた状態で知らせてくれるのは、ホント助かった。ということで、今回も無事下山することができました。

ちなみに、今回下山した場所は、湯谷温泉というところで、一応、着替えやタオルを持っていったのが、これが大正解で、下りた近くに公共の温泉施設があって、久しぶりに下山後にしっかりと温泉に浸かることができました。いやいや、ホント~に気持ちよかったですよ。しかも、風呂上がりに生ビールまでいただいてしまいました。ケチな自分ではあるけど、まあ、たまにはいいでしょう。いつも頑張っているんだから、自分へのちょっとしたご褒美です。ただ、その分、帰りは新幹線を使わず普通電車で帰りました。やっぱりケチな自分!

さて、今回の山歩き、普段から真面目にトレーニングを積み、ある程度自信を持って臨んだけど、特に後半、転びはしなかったけど、よくつまずき、よく滑った。しかも翌日には、太ももから足の裏までしっかりと筋肉痛。やはり山歩きは山歩きでないと、ちゃんとしたトレーニングにならないみたい。できれば、もう少し間隔を詰めて歩きたいと思います。

さて次はどの山あるこう。

▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

  GPS 05:05、距離 10.8 km、登り 717 m、下り 793 m

2022年8月14日日曜日

灼熱、山の日登山『遠見山』から『納古山』

どうですこの景色。スタートから幸先よしです。

今年2度目の山歩きに行ってきた。『遠見山』と『納古山』。

さて、関東の人からするとあまり聞きなれない山の名前だろうが、それもそのはず、自分、仕事の関係でこの夏、引越しました。今回、歩いたのは、新たな拠点の近場の低山。この日は山の日だったので、それならばと、新たな生活も落ち着き始めてきたこともあり、久しぶりの山へトレーニングも兼ねて歩いてきた。

ワンマン2両編成でした。かわいい!

出発はやはり早朝、6時前。電車を乗り継いで、最終的にはJR高山本線の「下麻生駅」で下車したが、この駅は無人駅なので電車(ていうか、ディーゼル車)を降りる際に車内で現金精算が必要。交通系カードで乗車した自分は、車掌さん(兼、運転手)に随分と手数を煩わせてしまった。住むところが変われば、様々な仕組みもまた変わるもの。知らなかったとはいえ、ごめんなさい。

アップルウォッチにヤマレコを連携。

気を取り直して駅を出て、集落内を歩いて登山口を目指す。今回は、紙の地図を調達できなかったので、頼りはヤマレコのみである。先日水没させてしまったスントからアップルウォッチに替えていたので、その実力を確認してみるのも今回の目的のひとつ。10分少々で登山口に着くが、民家の庭を横切るコースにやや戸惑いつつも、朝の8時、登山道には難なく入れた。

登山口。線路を潜るようです。

取りつきから樹林帯というか裏山の林の中、いきなりの急登で猛暑が予感されるムシムシした朝、一気に汗が噴き出した。ただ、この登りはそう長く続かず、たどり着いたのは小さな尾根。「見晴らし岩」との表示があったので、そちらに向かってみると、この日は最初っから絶景が拝めた。曲がりくねった緩やかな飛騨川が見事に見晴らせて、素晴らしいとしか言いようがない。今日はいい山歩きになりそう。

小尾根の分岐に戻ったが、「南天の滝」との表示に引っ掛かり、迷った末、コースを大きく外れ、100mを一気に下りて、地域が推す滝を見に行った。思いがけずに涼を得たが、そのつけは大きく登り返したときには、自身、滝のような汗が流れ出ていた...。

南天の滝。一瞬、涼を得られました。

その後まもなくして『遠見山』を踏んだが、この時点で歩き始めてから1時間ほどで、この日の山歩きは、まだまだこれから先が本番。この『遠見山』からややしばらくはアップダウンの少ないスピードの稼げる楽チンコース。途中、特に特徴はないが、程よいタイミングで道しるべがあったのはうれしかったかな。それにしても、この山歩き、ネットサーフィンして、とあるブログから人気の山として紹介されていたので、熊鈴を持っていかなかったが、山中、出会った登山者は2人のみ。ただでさえ初めての山域で、多少の不安感がある中で、自分ただひとりだったので、ところどころに熊目撃情報の立て看板があるたびに、「熊鈴持ってくればよかったな」と思いつつ、「やー」とか「はっ」とか奇声を上げて歩いた(笑)。

見通しは良いが、この日は灼熱。

ただ、楽チンだったあとは、なかなかの登りが待っていた。まあ、運動不足で体力の落ちた自分の感想なので、一般的にはこの勾配はどうかわからないけど、とにかく苦しかった。あまりの苦しさにくじけそうになった。登りの途中で何度も立ち止まっては、息を整え、いつまでも休んではいけないと思い、息が整いきれないまま、先を急ぐ。こんな感じで、徐々に次なるピーク『納古山』を目指した。

納古山山頂付近は岩だらけ。

きつい登りを何とか乗り越え、山頂が近づいてくると岩が多くなってくるが、特段、危険箇所もなく歩くことができる。ただ、この日はとにかく暑く、ハイドレーションで歩きながら水分を補給してきたが、おそらくそれ以上に発汗したと思う。Tシャツが水浸し状態で、歩きながら何度絞ったことか。そうしてようやく『納古山』山頂にまさにたどり着いた。この山の山頂は360度展望が効いて、この暑ささえなければ、最高のロケーションだ。ここにきて、登山者2~3名と出会ったが、皆、暑くてへばっているためか、言葉少なげで挨拶もそこそこ。

納古山の山頂。やはり灼熱。

炎天下での休憩をそそくさにして帰路に着くが、下りは中級コースとか表示のあるコースを選んだ。このコース、範囲こそ狭いが山頂直下はなかなかの岩場。へばったなんて弱音は吐いていられないレベル。慎重に慎重に歩を進める。ただ、そこをクリアすれば、基本、尾根をまっすぐと降りていく感じ。ところで、ヤマレコの地図に頼った山歩きだが、まあ、登山道の分かり易さもあってか、不自由を感じることはなかったが、携帯電話の方の充電量が最後のほうで足りなくなってきたので、モバイルバッテリーで補充した。あと、念のため虫よけスプレーを持っていったが、これが助かった。夏の低山はとにかく虫が多かったです。

登山口から出たところ。ホッ!

さて、登山口を出て林道歩きを経て、終着地となる「上麻生駅」までは、約30分。いつもそうだが、林道歩きも悪くはないと思う。登山道の緊張感から解放された感じがいいのかな。山歩きはもちろん大好きだけど、やはりその裏に潜む危険を体が感じているのだと思う。ただ、久しぶりの山歩き、とにかく暑くて大変だったけど、それでもとても楽しく歩くことができました。

さて、次はどの山あるこう。

今日はありがとうございました。

  GPS 04:35、距離 9.2 km、登り 731 m、下り 714 m

 

2022年4月29日金曜日

半年振り、そして今年初の山歩き奥多摩『大岳山』

大岳山山頂。天気が良ければ富士山が見えるはずなのに...

前回の山行から、はや半年、山から離れると月日の流れるのは早いもので、この間、体を動かすことがあまりなかったためか(いや、以前からか...)、身体はぽちゃぽちゃと軟化してきて、一方、その割にはひょろひょろと線が細くなり、まるで茹でたてのもやしのようになってしまった。

このままではいけないと思い、近々、定期検診もあったことから、心ばかりのランニングや筋トレをしてみたけど、身体の弱体ばかりが際立って、身体を鍛えているんだか、いじめてるんだか分からない始末で、余計に疲れてしまった。ただ、この週末は家族が皆、実家に用事があり自分一人になったので、久々のテン泊山行を計画したんだけど、そこは筋金入りの雨男の自分、しっかりと雨空をキャッチしてしまった。なんとか土曜日だけは天気が持ちそうだったので、それだけでも幸いと、今回の日帰り山行を決めた。

それにしても山から離れると、準備すらスムーズにいかなくて、前日からガチャガチャと大忙しで、当日の朝も家を出てしばらくしてから忘れ物があったことを思い出し、家に引き返すなど、山を歩く前から疲れ果ててしまった。

朝6時の奥多摩駅前。この静寂がたまりません。

そんなこんなでようやく辿り着いた奥多摩駅、ここは記憶どおりの静寂さで、ようやく「山を歩くぞ」といった気分がアガってきた。そして、この日の歩き初めは、この奥多摩駅、ここからまずは愛宕山を目指し、歩き始めたのだが、写真を撮ろうとカメラを構えたところ、液晶パネルが真っ黒のまま。電源は確かに入ってるようだが、どうにもこうにも液晶が使えないみたいだ。仕方なく、この日の写真はiPhoneで撮影することとした。

この日の登山口。アートなオブジェが素敵です。

なんとも不吉な歩き初めであるが、気を取り直して、登山口から少し歩いていくと、本日最初の難関と言っていいだろう、愛宕山神社直下の階段が見えてきた。改めて数えてみたけど、おそらく188段あったと思う。久々の高度感に慄きながらも登り切って愛宕山神社でこの日の安全を祈願し、神社を出ようとしたら、目の前に「この先通行止め」の立て札が。不吉な予感的中かと思い、一瞬目の前が真っ暗になったが、この日はどうしても歩きたかったので、多少の危険は覚悟するとして、大人気もなく強行突破してしまった(関係者の皆様、ごめんなさい)。ただし神社の階段を降りたらその先は通行止めの様子はなかった。どうも神社の階段が老朽化で通行止めになってたみたい。迂回路がちゃんと用意されてたようで、焦りのあまり迂回路を見逃してしまったようだ。幸い大事には至らなかったからよかったものの、山では危険回避のために冷静な判断が必要だと、改めて反省しました。本当に申し訳ありませんでした。

愛宕山神社に向かう階段。なかなかの高度感があります。

さて、というわけで歩き初めはなんだかんだあったけど、その後は順調に歩きを進めた。久しぶりの山は日ごろの喧騒から解き放たれた解放感がたまらなく、最高の気分。この日は風もなく、聞こえてくるのは小鳥たちの囀りだけ。目に涙が滲んでくるほど嬉しかった。忘れかけていた感覚が次々と蘇ってくる。息が弾み、時折出てくる岩をよじ登り、汗もしっかりかき、急登の途中で一旦休み、たまに平らな道になるとホッとし、たまに見える遠景に目を細め、そしてまた坂の上を見る。こんな動作が延々続き、息苦しさや足のキツさはあるけれど、でもたまらなく楽しい。そんな、あの頃の感覚が蘇ってくる。

鋸尾根。半年ぶりのおじさんには結構堪えます。

この鋸尾根、考えてみると登りを歩くのは初めてかもしれない。これまであまりノコギリを感じることはなかったけど、登ってみると確かに数メートルクラスの岩こぶや、10メートル超えの小ピークみたいな登りがそれなりに出てくるので、やはり鋸尾根なんだと実感する。久々の山歩きとしては、まあまあ堪える。というか、結構、堪える。山に行っていない間、田中陽希さんの三百名山とかテレビで見ていて、そんなイメージを持って歩いたけど、当たり前だがうまくいくはずがない。自分は凡人中の凡人で、やはりあの人は超人だと思い知る。

登山道の傍らには可憐な花が。ほっとします。ツツジですかね?

鋸山の山頂で休憩をとったのち、次に目指すは大岳山。この日は特に朝のうちは雲が多かったので、天気が良ければ富士山が見えるであろう西側の展望も残念ながら雲で覆われている。鋸尾根と違って、大岳山までの登山道は比較的平坦で、富士山が見えないのであれば、ぐいぐいと進むしかないと、先を急ぐが、さすがに山頂が近づくにつれて急登が増してくる。久しぶりのこのルート、何やら見慣れぬ階段が現れると山頂はもう少しで、ところにより鎖も出てくる。山頂に到着したのは10時頃。この時間になってくると御岳山側から歩いてきたであろう登山者もかなり現れ始め、山頂ではさすがにマスクを着用したが、逆を言うとそれまでは人とすれ違うことは稀だったため、マスクを外して歩いていた。正直、山でマスクなんてしたくないからね。

人気の大岳山。山頂にはぞくぞくと登山者が集まってきました。

大岳山山頂では、かろうじて富士山の裾野が見えるだけで、肝心の5合目より上は相変わらず雲の中。これでこの日の富士山には見切りをつけて、パンを少しだけ食べて、山頂を後にした。まだまだ足の調子は大丈夫みたいだったから、ここから鍋割山、奥の院と続けて走破し(気分です。歩きましたけど)、御岳山手前の長尾平で昼食タイムとした。ここでザックから取り出したプラティパスの異変に気づいた。というのも、ザックの中がびっしょりと濡れているのだ。プラティパスの中の水は十分に入っているにもかかわらず、この状態。おそらくじわじわと水が漏れていたのだろう。途中で何度かペットボトルに水を補給したのに気づかなかったが、さすがに予備のダウンジャケットまでびしょ濡れになっていたので、ここで水を使い切った。残る飲み水は600mlだけだけど、残りの距離は知れているし、下り中心なので、まあ大丈夫でしょう。

とんがり山の奥の院の山頂です。静かに社が鎮座していました。

それよりこの長尾平、登山者以外の普通の観光客もたくさんいて、自分のムカストーブでインスタント麺を作っている姿が物珍しいらしく、ジロジロ見られたり、小声で「私もラーメン食べたいわ」とか、やたら恥ずかしかった。そんなわけで、落ち着く感じもなく、ラーメンをそそくさと食べて、御岳山へ向かった。

御岳山山頂には人気のパワースポット、武蔵御嶽神社が鎮座していて、この日も大勢の参拝客に囲まれていました。また、本社の脇には立派な枝垂桜が満開に咲いていて、山にも春が訪れ、賑わいが増しているようにも感じ、そこにいるだけで元気が出てくる、そんな気分になりました。さすが都内屈指のパワースポットですね。

武蔵御嶽山神社と枝垂桜。この時間、青空がきれいです。

さて、安全祈願を済ませてからは、いよいよ終盤。あとは大塚山を経由してJR古里駅に向かうだけ。とはいっても、まだ距離は6kmほどはある道のり。足もかなり疲れが溜まってきているようなので、油断せずに慎重に歩くことをまず考えた。大塚山へは御岳ビジターセンターそばの登山道から入っていき、登りは大塚山までの緩やかな登山道を20~30分歩くだけで、頂上を過ぎると、基本、古里駅までの約2時間を下り一辺倒で歩き通すこととなる。この下りも静かで緩やかなのだが(途中、すれ違った登山者は10名くらい)、疲れた足にはなかなかのくせ者で、とにかくつま先に来ました。最後、登山道を出て舗装道路を歩くころには、ももはパンパンだし、両足のつま先が痛すぎて、歩速が上がらないどころか、普通に歩くことができませんでした。

大塚山山頂へ。ハイキングコースのような登山道。

歩き終えてからは、古里駅手前のセブンイレブンで缶ビールを飲んで、この日の無事下山を一人、祝いました。まあ、とにかくお疲れさん会です。下山後のビールは最高です。そう、これも山歩きの一部です。あ~、おいしかった!

さて、次はどの山歩こう。

古里駅からの登山道。この日はここから下りてきました。


【Start 6:09奥多摩駅前~8:36鋸山山頂~10:09大岳山山頂~11:50長尾平(昼食休憩30分)12:31御岳山山頂~13:19大塚山山頂~14:38丹三郎登山口~Goal 15:10古里駅(手前のセブンイレブンで少し休憩していましたが...)】

総行程は、距離約 17.9km、出発地点標高343m、最高標高1266m(大岳山山頂付近)、最低標高299m(古里駅近く)、移動平均速度 約1.9km/h、総所要時間9h00m(recorded by garmin)

▽ ヤマレコ始めました。試しにマップを貼ってみます。

2022年2月6日日曜日

ついでにこんなものも買ってました『 MAGIC MOUNTAIN COMPRESS DRYBAG 』(コンプレス ドライバッグ)

コンプレス ドライバッグです。25ℓサイズを購入しました。

北海道旅行を企画していたと前回の投稿で書きましたが、旅行グッズとして、こんなものも買っていました。それは『MAGIC MOUNTAIN COMPRESS DRYBAG』(コンプレス ドライバッグ)です。これ、かなりな優れもので、まあ、要は圧縮袋なんですが、嵩みがちな衣類などの荷物は、冬物であれば三分の一くらいの質量になるんじゃないかと思うくらい圧縮できます。また、内容が確認できる透明な窓付きですし、さらには完全防水というのも、さすが山道具です。

今回は試しにアウターとスウェット上下を収納してみます。

これをうまく使えば、山歩きでのパッキングもさらに効率よくできそうです。山歩きでは、まだ実際には使ってはいませんが、早く使ってみたいものです。とまあ、なんだか便利グッズばかりが増えてはいますが、肝心な山歩きは、なかなか行けてないこの頃。

圧縮前の状態。このままだと結構嵩張ります。

昨年は、とうとうとでもいうのか、年間で2回しか山に行けませんでした(生涯山行85回、181座)。なんとも情けない話です。今年はもう少し歩けるといいですが、どうなることやら。

圧縮後。画像では分かりにくいが、三分の一程度の質量になったかな。

2022年1月22日土曜日

またもやアークテリクス『エアリオス FL ミッド ゴアテックス シューズ』

ミドルカットが雪道でも使えると思って買ったんだけど。

また、買ってしまった。いや、実は北海道旅行を企画していたのだけど、このオミクロン騒動の最中、さすがに強行突破することもできず、泣く泣くキャンセルしてしまったのだが。そんなわけで、手元に残ったのはクレジットカードの明細と、このシューズ。

さて、今回購入した『エアリオス FL ミッド ゴアテックス シューズ』はメーカーサイトによると、テクニカルなトレイルでの長期トレッキング・ハイキング向けのブーツとなっている。ようは雪用のシューズではないので、デザイン的には普段でも履こうと思えば履けるわけだが、コロナ禍をきっかけにハイキングでさえ行かなくなっていることを考えると、いま、普段履き(ハイキング用)シューズには困っていない。実は前回購入したコンシールFL2ゴアテックスも、後生大事に箱に入れっぱなしの状態。だとしても、折角買ったのだから使えばいいじゃんとのご意見もあろうかと思うが、ハイキング用とするには、自分的にはやや格好が良すぎるし、普段履きとしても同じこと。

アッパーのパッドが意外にもがっちりしている。

もともと、このシューズ、高級感ありありな感じはあったんだけど、そこは旅行者だから許されるだろうと思って買ったのだが、いざ日常用に使用することをイメージしてみると、このシューズに合わせられるウェアがない。全身、アークで揃えられないわけではないが、自分、それほどセレブではないし、セレブな格好も好きではない。第一、自分には似合わないと思う。

横から見ても恰好よし。さすがです。AERIOS FLと。

でもまあ、よくよく考えてみると、このシューズ、旅行が終わったらどうするつもりだったのか、自分でもなにを考えていたのか、まったく記憶にない。これを注文したときは、とにかく北海道旅行であれこれ準備しなければと、気ばかり焦ってしまっていて、旅行が終わってからのことなんて、あまり考えていなかった。

そうはいっても、現にこのシューズは目の前にあるわけだから、利用方法?を考えなければならない。さあ、どうしよう。どう履こう。今さらながら、分不相応な物を買ってしまったものだ。アーク様、格好良すぎるんです、なんとかしてくれないかな。
ソールはビブラム社のメガグリップアウトソール