トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2021年10月31日日曜日

本年ようやく2度目の山行(涙)『武甲山』表参道コース

横瀬駅で降りて眺める武甲山。時々影が見える程度で不安が募った瞬間。

この日の山行を決めるのには、迷いに迷い、前日ぎりぎりまで迷った。というのも、女心と秋の空とはいうが、天気予報が安定しなかったためで、最初はテン泊で雲取山を計画していたが、すると天気予報で2日目が雨に変わったので、日帰り山行に変更。次に2日とも雨の予報に変わったので中止だと、するとまた1日目は曇りに変わったので、やはり日帰り山行をと。登る山の選定も含めて、1か月ほど前から、毎日のように天気予報と睨めっこし、山行の前日までそんなことを繰り返した。最終的に決めたのは山行前日の夕方だけど、そこに至るまでいくつもの山行計画を練ってきたから、すでに何度も山行を繰り返した気分。

横瀬駅ホームから。山行への期待で胸が膨らんでいます。

結果的に大事をとってテン泊は諦めて、日帰りの『武甲山』に決めた。この山は、もちろん以前から「いつかは歩こう」と思っていた山ではあったが、日本アルプスに目が行き始めていたこともあったし、トレーニングとしても身近に奥多摩があったので、なかなかこの山を選ぶきっかけがなかった。今回ここに決めたのは、最近、興味を抱いている秩父の街にも立ち寄ろうと思ったからで、本当は雲取山の鴨沢入り三峯下りにしたかったんだけど、久しぶりの山行でもあるし、やや計画に無理があるかなと思って、無難にここを選んだというわけ。

歩き始めはこんな感じ。雲が厚く薄暗い感じ。まだ朝の6時半。

今回は3月以来の山行であるし、しかも久しぶりのソロ。ソロ山行は記録を紐解くと2020年2月以来というから、凄いものだ(まあ、色々と訳ありまして...)。ただ、行き先さえ決まってしまえば、あとは誰に気を使うわけでもないので、当然、出発は始発。なので3時半起きである。眠い目を擦り、始発電車に乗り込んでから乗り換えること3回、歩き始めのポイントとなる西武秩父線の横瀬駅に到着したのは、6時20分のこと。

歩き始めの横瀬駅はこんなかわいらしい駅舎。

今回の山行は、『武甲山』の表参道コースを登って、裏参道コースを下りるのだが、特に登りでは登山口までの距離がハンパなく長い。まあ、田中陽希さんに言わせれば目と鼻の先なのであろうが、普通のおじさんの自分にとっては、やはり長い。とはいえ、タクシーを使うと3千円近くかかってしまうらしいから、そこはドケチ登山者の自分としては、歩くしかないでしょうと、この日の山行を開始した。

途中、こんな感じの道路を歩く。滅多に出会えない光景と、ポジティブに。

横瀬駅から歩くこと1時間半、ようやく登山口となる武甲山御嶽神社の一の鳥居にたどり着いた。ここまでいくつものコンクリート工場の前を横切り、たっぷり歩いてようやく着いたといった感じで、「これから山に入るなんて、自分ホントに山好きだな」と、ひとりごちながら、ようやく山歩き。最初はやや生活感のある林道を歩いていく感じだが、一の鳥居から歩き始め、途中、不動滝を越え、30分以上たった辺りからようやく山道のような感じになってきて、登山っぽさが出てくる。久しぶりの山で、「こうでなくっちゃ」とワクワクしてくる。

登山口となる武甲山御嶽神社の一の鳥居。雰囲気あります。

ここからはしばらく暗い杉林の中を歩いていくのだけど、駐車場には50台くらい車が駐められていたから、それなりに登山者は入っているはず。ただ、この山もほかの山と同じように、ひとたび山に踏み入ると、山の中はとても静かで、久しぶりの山歩きとしては気分はさらにアガってくる。ここの登山道は基本、展望はなく、ひたすら樹林帯を歩いていくのみで、ひっそり感は余計に増す。所々に「熊目撃情報」みたいな看板があるが、ややドキリとしながらも、いまさら言われてもどうしようもないじゃないかと開き直り、熊鈴さえ鳴らさない。出会ったらその時考えよう(と言いながらも、実は内心それなりに焦って、出会った時のことをめちゃ考えていた)。

始めは沢沿いを歩いていく。いよいよ山歩きスタート。

一千三百メートル程度の標高の山ではあるが、霧が濃くなっているせいもあるとは思うが、標高を上げるにつれやや気温が下がってきたような気がする。とはいえ、この日は天気予報どおり10月にしては珍しいほどの暖かさで最低気温が20℃くらいまでにしか下がっていないらしく、日中の最高気温も25℃くらいまで上がるとのこと、確かに自分もすでに半袖Tシャツ姿になっているにもかかわらず、昨夜のビールが悪かったのか、それともペース配分が早すぎたのか、すでに汗でびっしょり。

歩を進めていくうちに森の中に霧が立ち込めてきた。

それでも、ふと気づいたのは、やはり山はいいということ。ただ一人、久しぶりの静寂の中をもくもくと誰に邪魔されることなく自分のペースで歩き、写真を撮り、水を飲み、辺りを見回す。他愛のないことだが、全てが自由なこの時間、実にホッとできる。普段の実生活から離れ、たまにこうした時間を持つことは大事なことなのかもしれない。今回は半年以上も間隔があいてしまったけど、次回は山歩きのためにもう少し頑張って時間を作るようにしよう、歩きながらそんなことを考えた。

苔むした森は日常から解き放たれ、心を癒してくれます。

歩き始めから3時間半、一の鳥居からだと2時間程度で山頂手前の武甲山御嶽神社が見えてきた。樹林帯を抜けるこの瞬間だけ辺りが一瞬明るくなり、まるで登りの疲れを癒してくれているかのようにも感じ、そうスピリチュアルなものを感じた。が、すぐにそれは気のせいだと分かった。その後、山頂に立って愕然とした。真っ白なのだ。一面の雲で展望などまるでない。見えるのは白のみ。しばらく山頂で粘ったけど、一瞬、明るさは出るものの見えるのはプチ雲海のみで、基本は白。

ほんの一瞬、目の前の雲が途切れ、青空が顔を出した。

まあ、こんなこともあるさと、それ以上、山頂からの展望に期待することなく、頭を切り替えて、「次は秩父の町でも見てみよう」と、そそくさと下山を開始。ただ、この日は路面が多少ぬかるんでいたこともあり、下山時の転倒が心配だったので、トレッキングポールを出して、備えることに。これが、結果的に大正解で、その後、足元の滑りに加え、予想以上に自分の体力に衰えがあったようで、10回以上足元を滑らせ、2回転んだ。ハインリッヒの法則どころではない。それも、なんてこともないところで、石か枝を踏んでだと思うけど、おかげで、ズボンは泥だらけ。このままでは秩父の町も歩けないと思い、裏参道コース最後の急登を下りきったところで、ちょうど見つけた河原で泥だらけのズボンや靴、もちろん手もきれいに洗った。なんだか情けなかった。

山頂手前の御嶽神社の御社。ようやく着きました。

それにしても歩かないって、こんなにも体力が落ちるものかと、正直、ショック。ひざががくがくする感覚はなかったのだが、やたらに下山時に足元がズルっと滑る。おそらくは体幹が衰えてきているんじゃないかと思うけど、とにかく参った。雲取山を選ばなくて本当によかったと、選択を誤っていた時のことを想像すると、ゾッとした。

この河原で小休止。泥も洗い流しました。

この後、約1時間の林道歩きを終えて、無事、浦山口駅には到着できたが、気持ち的にはやや複雑。素直に「ああ、無事に下山できた」と、心から喜べない。そんなショックを隠しきれない状態ではあったけど、時間はまだ1時、気を取り直して初めての秩父の町を歩くことにした。

こんな感じで、今回は、中身の濃い1日となったので、次回、追加でプチ情報を上げることとします。あー、疲れた。でも楽しかった。

さて、次はどの山歩こう。

秩父神社にも寄ってきました。結構立派な神社でした。

【Start 6:28横瀬駅前~7:57一の鳥居~9:50武甲山山頂~12:12長者屋敷登山口(実は下りルートを間違えた)~Goal 13:05浦山口駅】

総行程は、距離約 18.0km、出発地点標高249m、最高標高1304m(武甲山山頂付近)、最低標高240m(横瀬駅近く)、移動平均速度 約2.7km/h、総所要時間6h37m(recorded by garmin)