トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2023年10月25日水曜日

思いのほか充実『各務原アルプス』縦走

夏山登山を断念せざるを得なくなり、しばらく傷心していたが、今年の猛暑と戦っているうちにいつの間にか心の傷も癒えたようで、ようやく涼しくなってきたかと思えば、暦はすでに10月。前回の山行からすでに2か月以上経っていたので、先日ようやく、「そうだ、山に行こう」と思い立ったので、早速計画を立てることとした。鈴鹿山脈はまだ山ビルが怖いから(かといって、この辺の山域が安全かどうかは分からないけど)、とりあえず岐阜県側の山を狙うこととした。

例によってWEBでまとめサイトやブログ、各種山行記録を物色し、日帰りで行けて、できるだけ景色が良さそうな山を探した。そうはいっても、近場でハートに刺さる山がそうあるわけでもなく、しかも下山後は温泉にも入りたいというわがままなおじさん(自分のこと)の要望に応えられるには、もはや「山行コーディネーター」みたいな専門職にお願いするしかないだろう。もちろん、そんな人がいればの話だが(苦笑)。

さて、いつものことながら前置きが長くなってしまったが、結果的に選んだ山は、『各務原アルプス』。なぬ、アルプス?と思うかもしれないが、いわゆるご当地アルプスで、ややマイナーな山域かもしれないけど、今回はこの山域を縦走登山することにした。標高は低いものの、全9座(Wikipedia情報)を縦走する山旅なので、それなりに楽しめるはずだし、自分が住んでいる場所からそう遠くもなく、アクセスが電車のみで登山口に行けることも自分好みと、一旦いいなと思えばいいとこしか見えてこない。山選びなんてそんなものなのかなと思い、さっそく準備に取りかかった。山行前日での天気予報はまあまあで、久々の山行に心躍らせながらもしっかりと眠りにつき、当日の朝を迎えた。

朝、部屋を出ると縁起よく空はきれいなモルゲンロート、良い予感しか感じないまま、電車をいくつか乗り継ぎ、歩き始めとなる坂祝(さかほぎ)駅に降り立った。周りに人はいない。この時、朝7時半。小さな集落を山に向かって歩いていくと、向かう先に見える小高い山の頂上には、簡易な城のような建物が見える。まさか、あそこに登るのか?そう思っていると、ルートの途中に猿啄城(さるばみじょう)跡との目印があるではないか。やはりそうだ。

しばらく歩いていくと登山口が見えて、ようやくこの日の山歩き第一歩を踏むことに。ワクワクしながら木々に覆われた薄暗い登山道に入ると、中は普通に整備されていて、歩きにくさも感じることないようだ。まずは九十九折りの急登を上がっていく。樹林帯が続くが、この日は基本ずっと樹林帯を歩く標高300メートル前後の縦走路。でも、樹林帯続きの登山道で、たまに展望が開ける、そんな山歩きもたまにはいいもの。

そんなことを考えていると、すぐに最初のピーク、城山に到着。思ったとおり下から見えたあの簡易な城のような建物が立っていましたが、どうやらこれは展望台のようです。登ってみると眼下の町並みや遠くの山も見えます。この日は(この時は)晴れていたので、最高の見晴らしで、400年くらい前にどこかの武士が、ここから敵の来襲を監視しながらこの同じ景色を見ていた思うと、こうした低山縦走もなかなかオツなものだなとも感じます。

その後、繰り返すアップダウンも無難に越えて、そのたびに城跡があったり、お寺や神社があったり、今回の山行はまるで歴史探訪のような山旅です。コース状況はというと、おおむね整備されていて、迷うこともないし危険箇所もありません。場所によってはハイキング気分で歩けるほど安全なコースもあります。あえて言うのであれば、たまにガレた箇所があるので、下りには注意が必要です。浮石に上がってバランスを崩して地面に手をつけたりすると、裂傷を引き起こす可能性はありますね。そこはやはり山歩きなので、慎重に歩く必要がありますし、念のためグローブを装着することをお勧めします。

そしてこのコース、思ったとおりところどころにある山頂や、展望台と名がつく場所では、樹林帯歩きが続く中にあって、見える景色にホッとさせられます。また、一つ一つのアップダウンはそれほど大きいものではありませんが、距離に応じてそれなりに回数をこなすので、徐々に足に効いてきて、最後の方は足がぱんぱんになりました。途中、トレッキングポールを出して使ってみたけど、このツール、改めて実に素晴らしいと感じました。使う使わないでは、体力消費に格段の差があると実感できたので、山に行く時は持ち歩くべきですねトレッキングポール。

ただ、権現山からの下りは、崖なのか沢なのか分からないくらい急で荒れていて、ロープがあるからおそらく登山道なんだろうなと思うくらいの見た目。そんな急坂を踏ん張りながらゆっくりと慎重に下りた後に登り返すこととなる北山への直登は、本当に堪えました。数歩登ってはハァハァ、ゼェゼェと息を荒くして休憩し、また登る。そんなことを繰り返して登り終わった時には、まるで本物のアルプスを制したかと思うくらいの達成感(言い過ぎか)。山頂では、すぐさま休憩したかったんだけど、ベンチを探しても見当たらず、しょうがなく地べたにマットを敷いて休憩しました。正直、立っていられなかったんです。

そこで少し休憩を済ませた自分は、そのあと尾根なのか頂上が繋がっているだけなのか分からない登山道をしばらく歩くと(各務原)権現山という表示が現れ、「ああ、次のピークに来たのか」くらいの拍子抜けを受け、東屋やベンチが整っているのをしらけた目で見過ごしながらも神社があることに目が止まり、ならばと、道中の安全に礼を言うとともに無事下山できることを祈り、いよいよ最後の下りコースに向かった。

途中、最後の下りコースとはいいながらも、若干の登りもあったりして、登りの満腹感に嫌気もさしたが、怪我をすることもなく無事に伊吹の滝まで降りてくることができた。

ああ、ご苦労様、といいたいところだが、この日の目的地はまだ先。事前に調べておいた温泉です。涼しくなったとはいえ、この日は何リットルの汗をかいたんだろうってくらい、とにかく汗をかきました。とにかく体中、汗だくです。こんな状態のまま電車に乗るのはマナー違反でしょという口実を使い、目指すは入浴後のビール、この目標があれば、まだまだ何キロも歩けます。

とはいえ、すでにパンパンとなった足を引きずりながら、稲刈り風景がのどかさを演出する田んぼに囲まれた道を歩くこと約30分、距離にして2kmくらいでしょうか、目指す美人の湯に到着。疲労回復にも効果があるという温泉で身体を癒したあと、館内のレストランでいただいたビールが美味かったことは言うまでもありません。これだから山はやめられませんね。

さて、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 08:33 距離 18.6 km 登り 1351 m 下り 1366 m