トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2023年11月5日日曜日

初敗退、奥三河の名峰『三ツ瀬明神山』

山歩きを始めて何年か経ったけど、先日、初めて登頂を断念して引き返した。いわゆる敗退である。

言い訳するわけではないけど(てか、言い訳するけど)、この日は朝から変だった。まず、朝、いつも通りに準備を整えてから部屋を出て、いつものコンビニでいつものサンドウィッチとかを買って地下鉄の駅に向かったのだけど、①ここで定期券を忘れたことに気づいて部屋に戻った。このとき、予定電車発車まであと9分。部屋が駅から近いからなんとか間に合ったけど、朝から走った。次に電車に乗ったのはいいけど、②乗り換え案内アプリの指示を無視して定期券利用を優先したルートをとってしまったため、次に乗ろうと思っていた新幹線に危うく乗れないところだった。そしてまた走った。安心したのも束の間、新幹線を降りて乗り換え電車に乗ろうと思ったんだけど、③アプリの乗り場表示を信用しすぎて、実際の乗り場が違っていることに気づかず、乗ろうとしていた電車を乗り過ごしてしまった。結果、1時間、駅ナカのプロントで時間を潰した。ようやく電車に乗れて、その後、バスに乗り継ぎして、歩いて、ようやく登山口に到着したが、気が焦っていたためか、④登山道を見つけることができず、行けるかもと思って林道をひたすら登ったが、行き止まりに着いたところで、「やはり、ダメだったか」と、観念した。結果、30分くらいのロス。心もそれなりにやられました。

このあと、登山口まで戻り登り始めたが、帰りのバスの時間を考えると微妙になってきたので、「今日は行けるところまで行こう」と、方針を定め、ピークハントではなく、山歩きを楽しむことに専念した。とはいえ、歩きながら考えていると、そもそも今回の山歩きは、数日前に急に思い立ち、2日前にこのルートにたどり着いたくらいだから、情報収集不足は否めない状態での決行だったなと、やっぱり自分の性格からして、じっくりと考え抜いてからの計画ができなかったことにもともとの原因があったのかなと、反省山行になってしまった。

さてこの山、まずは沢沿いの登山道をぐいぐい登っていくのだが、その後、尾根にたどり着くと谷から出たこともあって、周りが明るくなり、すると目の前にドーンと岩壁が目に入ってくる。

久々に岩壁を目の前にしてテンションが上がってくるが、見るだけではなく、ここから登山道も一変して、岩登り要素が加わってくる。随所にロープ、鎖場、ハシゴが出てきて、久しぶりのよじ登り感をドキドキしながら味わうことができて、一人静かに感動した。

その後、急登が落ち着いてからも岩尾根や、やせ尾根といった感じが続き、ハアハア息を弾ませる山歩きとは違う山登りを楽しんだが、残念なことにだんだんと折り返しの時間が迫ってきた。六号目にたどり着くと、山頂まで1kmとの表示。往復でおそらく1時間、行こうと思えば行けないことはない。ただし、最終バスの時間はギリギリだ。

来るときに乗ったあの乗合バス的なあの超ローカルバス。途中のバス停で、時刻よりも早く通過する可能性は十分にある。そんなことを考えると、ここで戻ることが正解なのだろうと判断し、戻ることとした。岩や崖のある興味深い山域で、このあとのコースには未練が残るけど、いま、ここで山にいるだけで十分に楽しめてます。あまり欲深くすることは、いいことはない。これまでの人生で得た教訓をここで思い出し、戻りの山歩きを楽しむこととしました。

下りはゆっくり慎重に歩いた。鎖場も落ち着いてしっかりと降りることができたし、後半はポールを出して、安全第一で歩いた。六号目の判断は、こうした心の余裕面にも影響していると思う。やはり山歩きは、余裕を持った行動がいいと、歩きながら何度も自分に言い聞かせた。

その後、無事に登山口を出て、あとはバス停までのロードを約40分歩くだけ。舗装道歩きではあるが、周りは山。道路沿いに続く小さな集落も普段目にすることのない光景。里の季節は秋真っ盛り、木々の葉も少しずつ色づき始めている。こんな歩きも悪くはない。自分もいずれ、体力が落ち、山歩きができなくなるかもしれない。

でも、こうした歩きなら続けられるかも、そんなことを考えていたら、後ろから来たクルマが目の前で止まり、「乗って行きませんか」と、誘ってくれた。たしか、登山口に停まっていた車だ。自分より先輩と思われる優しそうな男性、ご好意に甘えることとして、同乗させていただいた。行き先を告げると、同じ方向のようだったので、途中まで乗せていってもらうこととなり、車の中で話を伺うと、地元の方らしく、山は毎週歩いていて、三ツ瀬明神山は、若い頃から何度も登ったということ、仲間と一緒に日本全国の山もいろいろ歩いていることなど、初めてお会いする方なのに、山という共通の話題で話が弾んでしまった。こんなところでも、山っていいなとジーンとくる。結局、来た時の駅よりもずっと家に近い側の駅近くまで送っていただき、また、どこかの山でお会いできるといいなと思いながら、別れを告げた。それにしても、本当に助かった。

こうして、この日の山歩きは、いろいろあったが、楽しく終えることができた。ああ、山って、本当にいいなと、毎回、胸のあたりが暖かくなります。

さて、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 04:33 距離 11.5 km 登り 740 m 下り 729 m


2023年10月25日水曜日

思いのほか充実『各務原アルプス』縦走

夏山登山を断念せざるを得なくなり、しばらく傷心していたが、今年の猛暑と戦っているうちにいつの間にか心の傷も癒えたようで、ようやく涼しくなってきたかと思えば、暦はすでに10月。前回の山行からすでに2か月以上経っていたので、先日ようやく、「そうだ、山に行こう」と思い立ったので、早速計画を立てることとした。鈴鹿山脈はまだ山ビルが怖いから(かといって、この辺の山域が安全かどうかは分からないけど)、とりあえず岐阜県側の山を狙うこととした。

例によってWEBでまとめサイトやブログ、各種山行記録を物色し、日帰りで行けて、できるだけ景色が良さそうな山を探した。そうはいっても、近場でハートに刺さる山がそうあるわけでもなく、しかも下山後は温泉にも入りたいというわがままなおじさん(自分のこと)の要望に応えられるには、もはや「山行コーディネーター」みたいな専門職にお願いするしかないだろう。もちろん、そんな人がいればの話だが(苦笑)。

さて、いつものことながら前置きが長くなってしまったが、結果的に選んだ山は、『各務原アルプス』。なぬ、アルプス?と思うかもしれないが、いわゆるご当地アルプスで、ややマイナーな山域かもしれないけど、今回はこの山域を縦走登山することにした。標高は低いものの、全9座(Wikipedia情報)を縦走する山旅なので、それなりに楽しめるはずだし、自分が住んでいる場所からそう遠くもなく、アクセスが電車のみで登山口に行けることも自分好みと、一旦いいなと思えばいいとこしか見えてこない。山選びなんてそんなものなのかなと思い、さっそく準備に取りかかった。山行前日での天気予報はまあまあで、久々の山行に心躍らせながらもしっかりと眠りにつき、当日の朝を迎えた。

朝、部屋を出ると縁起よく空はきれいなモルゲンロート、良い予感しか感じないまま、電車をいくつか乗り継ぎ、歩き始めとなる坂祝(さかほぎ)駅に降り立った。周りに人はいない。この時、朝7時半。小さな集落を山に向かって歩いていくと、向かう先に見える小高い山の頂上には、簡易な城のような建物が見える。まさか、あそこに登るのか?そう思っていると、ルートの途中に猿啄城(さるばみじょう)跡との目印があるではないか。やはりそうだ。

しばらく歩いていくと登山口が見えて、ようやくこの日の山歩き第一歩を踏むことに。ワクワクしながら木々に覆われた薄暗い登山道に入ると、中は普通に整備されていて、歩きにくさも感じることないようだ。まずは九十九折りの急登を上がっていく。樹林帯が続くが、この日は基本ずっと樹林帯を歩く標高300メートル前後の縦走路。でも、樹林帯続きの登山道で、たまに展望が開ける、そんな山歩きもたまにはいいもの。

そんなことを考えていると、すぐに最初のピーク、城山に到着。思ったとおり下から見えたあの簡易な城のような建物が立っていましたが、どうやらこれは展望台のようです。登ってみると眼下の町並みや遠くの山も見えます。この日は(この時は)晴れていたので、最高の見晴らしで、400年くらい前にどこかの武士が、ここから敵の来襲を監視しながらこの同じ景色を見ていた思うと、こうした低山縦走もなかなかオツなものだなとも感じます。

その後、繰り返すアップダウンも無難に越えて、そのたびに城跡があったり、お寺や神社があったり、今回の山行はまるで歴史探訪のような山旅です。コース状況はというと、おおむね整備されていて、迷うこともないし危険箇所もありません。場所によってはハイキング気分で歩けるほど安全なコースもあります。あえて言うのであれば、たまにガレた箇所があるので、下りには注意が必要です。浮石に上がってバランスを崩して地面に手をつけたりすると、裂傷を引き起こす可能性はありますね。そこはやはり山歩きなので、慎重に歩く必要がありますし、念のためグローブを装着することをお勧めします。

そしてこのコース、思ったとおりところどころにある山頂や、展望台と名がつく場所では、樹林帯歩きが続く中にあって、見える景色にホッとさせられます。また、一つ一つのアップダウンはそれほど大きいものではありませんが、距離に応じてそれなりに回数をこなすので、徐々に足に効いてきて、最後の方は足がぱんぱんになりました。途中、トレッキングポールを出して使ってみたけど、このツール、改めて実に素晴らしいと感じました。使う使わないでは、体力消費に格段の差があると実感できたので、山に行く時は持ち歩くべきですねトレッキングポール。

ただ、権現山からの下りは、崖なのか沢なのか分からないくらい急で荒れていて、ロープがあるからおそらく登山道なんだろうなと思うくらいの見た目。そんな急坂を踏ん張りながらゆっくりと慎重に下りた後に登り返すこととなる北山への直登は、本当に堪えました。数歩登ってはハァハァ、ゼェゼェと息を荒くして休憩し、また登る。そんなことを繰り返して登り終わった時には、まるで本物のアルプスを制したかと思うくらいの達成感(言い過ぎか)。山頂では、すぐさま休憩したかったんだけど、ベンチを探しても見当たらず、しょうがなく地べたにマットを敷いて休憩しました。正直、立っていられなかったんです。

そこで少し休憩を済ませた自分は、そのあと尾根なのか頂上が繋がっているだけなのか分からない登山道をしばらく歩くと(各務原)権現山という表示が現れ、「ああ、次のピークに来たのか」くらいの拍子抜けを受け、東屋やベンチが整っているのをしらけた目で見過ごしながらも神社があることに目が止まり、ならばと、道中の安全に礼を言うとともに無事下山できることを祈り、いよいよ最後の下りコースに向かった。

途中、最後の下りコースとはいいながらも、若干の登りもあったりして、登りの満腹感に嫌気もさしたが、怪我をすることもなく無事に伊吹の滝まで降りてくることができた。

ああ、ご苦労様、といいたいところだが、この日の目的地はまだ先。事前に調べておいた温泉です。涼しくなったとはいえ、この日は何リットルの汗をかいたんだろうってくらい、とにかく汗をかきました。とにかく体中、汗だくです。こんな状態のまま電車に乗るのはマナー違反でしょという口実を使い、目指すは入浴後のビール、この目標があれば、まだまだ何キロも歩けます。

とはいえ、すでにパンパンとなった足を引きずりながら、稲刈り風景がのどかさを演出する田んぼに囲まれた道を歩くこと約30分、距離にして2kmくらいでしょうか、目指す美人の湯に到着。疲労回復にも効果があるという温泉で身体を癒したあと、館内のレストランでいただいたビールが美味かったことは言うまでもありません。これだから山はやめられませんね。

さて、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 08:33 距離 18.6 km 登り 1351 m 下り 1366 m


2023年8月26日土曜日

夢と散った夏山登山

この一年、着々と計画を練ってきて、体力強化とか、コース選定とか(ちなみに夏山フェスにも行って山小屋の人にも相談した)、高速バスの予約とか、山小屋の予約も解禁日の朝イチに取ったし、下山後の温泉宿も取っておいた。直前にはトレーニングのしすぎで、珍しく膝も痛めたから、サポーターも買ったし、整形外科で山行中にも服用できそうな痛み止めまでもらってきた。

なのに、あの台風7号、なぜこのタイミングであのコースでやってきた(怒)。ギリギリまでいろんな天気予報サイトと睨めっこしたが、無駄だった。何もかも無駄になってしまった。断念することを決めた時は、全てが終わったと、放心状態になりながら、各種、キャンセルの手続きを進めたようだが、今となっては、その時の記憶が定かでない。

今もまだ、これから何を目標にして生活していけばよいのか、考えられないし、まだ考えたくもない。

ちなみに自分が歩こうと思っていた山域は、こちらなんです。山歩きは、半ば天候との戦いのようなものであることは分かっているが、それにしてもそりゃないよ、お天道様。そして、さよなら雲ノ平(涙)。


時間 27:24  距離 53.7 km  登り 3,808 m  下り 3,797 m(4泊5日テン泊山行)

2023年8月22日火曜日

真夏の低山山行『三方山』(養老山地)

この一年、目標としてきた夏山山行、その最後のトレーニングとして、暑さを押してまで臨んだこの日の山行。歩いてきたのは、養老の滝で有名?な『養老山地』。計画段階ではもっと歩こうと思っていたのですが、ピーク数も距離数もそれほどのものにならなかったんです。その理由は暑さ以外にもありました(冷汗)。

この日も予報では最高気温が36℃まで上昇すると、前の日の夜から何度テレビで見てもネットで見ても変わらない情報に、むしろ闘志までみなぎってきた朝4時過ぎ。前日から夏用のハイドレーションをキンキンに凍らせたり、いつもは使わないポカリスエットを飲み水として準備するなどして、熱中症予防はやれるだけのことはやった。総重量11kgで、うち水分は4.5kg。全部飲み切れば、帰りは身軽になるはずと、前向きに考え、5時過ぎ、いつもの始発電車に乗り込んだ。

その後いくつか電車を乗り継ぎ、養老鉄道の養老駅に着いたのは7時半で、暑さがぐんぐんと込み上げてくる中、1人登山口を目指した。養老駅からは、真っ直ぐ山の方向に向かって歩けばよくて、30分で養老の滝に着く。当地では比較的人気スポットなのか、すでに数人の観光客が天然ミストを浴びていて、それぞれスマホで自撮りしている。確かにこの時期、滝の前は涼しげで、いや涼しくて、ずっとここにいたい気分にもさせられる場所だ。ただ、山モードに入っている自分は、そんな軽い誘惑をサッとふり払い、すぐさま灼熱地獄の中に身を投じた。

予定ルートどおり歩を進めると、すぐになかなかの急登が現れ、焦らずゆっくりと高度を上げていく。周りに登山者の気配はない。そりゃ、こんな暑い日に好き好んでこんな低山を歩く人はいないだろうと思っていると、急に熊の存在が気になりだして、クマ鈴を持ってこなかったことに後悔しながらも、1人大声を張り上げて、歌を歌った。時々こうして山の中で歌を歌うことがある自分、久々の歌に歌詞がなかなか出てこない。

そんなことをしばらく続けていると、突然、近くで虫の羽音が聞こえた。明らかに自分の周りを飛んでいる。ハチだろうかアブだろうか。夏の樹林帯なので虫が出るのは当たり前と最初は軽く受け流していたが、これが後悔の始まりだった。この時9時前。この日の計画ではまだ8分の1辺りのことだ。

それ以降、徐々に高度を上げていくも、この山域は樹林帯から抜け出ることなく、蒸し蒸しとした登山道を、すでにTシャツを絞ったら汗が滴り落ちる状態になりながら歩いていく。すると、またもやブーンと羽音が近づいてきた。今度は、明らかに自分の周りをぐるぐると回っている。どうやら、アブのようだ。自分、虫の中でアブが最も苦手で、今度はすかさず準備してきた高濃度ディートの虫除けスプレーを手に持ち、歩きながら自分の体全体に吹きかけた。しかし、数匹のアブはなおも旋回を続け、徐々に間合いを詰めてくる。こちらも、虫除けスプレーを自分の身体に吹きかけるのではなく、直接アブを狙って吹きかけるが、一瞬聞こえなくなる羽音もしばらくするとまた同じように自分の周りを回り始める。こんなことが続くといいかげん自分も嫌になってくるが、ここは山の中、逃げようにも逃げる場所がない。狂ったようにスプレーを振りかけ、足早でその場から離れるように、時には坂を登り、時には階段を下り、とにかくこんなことが1時間ほど続いた。

この間、休憩も取れないし、水も飲めない。写真を撮る余裕すらも全くなく(掲載の写真は歩き始めと、歩き締めのものなんです...)、とにかくスプレーを振りかけ、逃げた。自分でもこの状態が一体いつまで続くのだろうと、しかし体力の持つ限り逃げるしかなく、とにかく逃げた。おかげで、この日予定していた『養老山』の山頂は諦めて、最短ルートで登山口を目指すこととした。

逃げ始めてから、1時間ほど経っただろうか、追いかけてくるアブもやや落ち着いてきたよう、要は襲いかかってくる間隔が長くなってきたようで、しかもややしばらくすると登山道から広い林道へ出て、気持ち的にも楽になってきた。ようやく、手に持ち続けていたスプレーをポケットに納め、ハイドレーションで水をごくごく飲んだ。これが、アブとの戦いの終焉だった。林道を歩いていても時折り偶然目の前を飛ぶ虫に過剰に反応したりしたけど、しつこく追い回してくるヤツはもう現れず、恐怖の時間が済んだ実感がジワジワと湧いてきた。って、真剣に自分何の話をしているんだ。まるで熊が出たかのようなシリアスな一場面。たかが、虫でしょう。とは言いうかもしれませんが、ホント怖かったんです。

このあと、歩き始めに通った養老の滝に寄って、観光客がさらに増えていることにも安心し、養老駅前に向かった。足がガクガクだったし、なによりお腹が空いていた。この山行中、一度も腰を下ろすことはなかったし、行動食を取り出す余裕もなかった。途中、口にしたのは水と塩飴2個。気温が高まってきたことにも気付かず無我夢中でいたが、ようやく11時、養老駅に着いた自分は駅前のベンチに倒れ込むように座った。しばらく放心状態となりつつも、用意していたサンドイッチを頬ばり、ぬるくなったカフェオレをごくごく飲んだ。

いや、しかし本当に疲れたこの日の真夏の低山山行。暑さに加え、まさかの激走山行になるとは。まあ、ただひとつだけ言えること。それはトレーニングとしては最高の山行になったということだ。アブさんありがとう(涙)。

さて、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 03:40 距離 11.9 km 登り 885 m 下り 875 m

2023年7月30日日曜日

涼しく山トレ『木曽駒ヶ岳』(Ⅱ)

山の朝は早いもので、あっという間に翌朝は訪れます。3時頃から周りはざわつき始め、今回はゆっくりを決め込んでいた自分ですが、4時には目がぱっちり開いてしまったので、予定よりだいぶ早いですが、行動を開始することとしました。朝露に濡れたテントから出ると、雲ひとつない快晴で、すでにうっすらと明るくなっています。

テン場からは木曽駒も中岳もバッチリ見えて、東の空、つまりここのテン場では南アルプスや八ヶ岳方面は、空が赤く染まり始めています。いい日になりそうな予感。まずはこのテン場でご来光を眺め、この日も無事に歩けるようにと、どこかにいるかもしれない神様に願い、その後、朝飯前に木曽駒山頂に向かいました。

さすがにダウンを着込んで歩き始めましたが、歩いていると、正直ダウンもいらないかもと思うくらい、朝日がどんどんと力を増してきます。山頂でご来光を拝んだのであろう人たちがたくさん下りてくる中を、1人山頂を目指します。山頂に着くと、これが見たかったんだと大声で叫びたくなるくらいの展望。南アルプス、八ヶ岳、北アルプス、おっ、槍穂高も、目の前には御嶽山も。逆を向くと空木岳などの中央アルプの山々が、そしてその向こうには、なんと富士山の頭まで。

前日のガスガスの山頂とは大違い、山って改めて天候次第だと思わされます。それにしても、テントを担いできて良かった。日帰りと違って、泊まりはこうしたご褒美が待っていることもあるから、やめられないんです。

その後、名残惜しいけどテン場に戻り、お湯を沸かして朝飯の袋麺をすすり、帰り支度を始めました。梅雨で濡れたテントは一拭きすると、朝日がすぐに乾かしてくれて、撤収も楽ちん。急ぐ必要がないので、途中でコーヒーをすすりながらゆっくりと作業を進め、テン場を離れる時は、7時過ぎ。

そのあとも、ゆっくりゆっくりと歩を進め、中岳を下りてからは、目の前にそびえる宝剣岳が次なる目標、と思ったけど、この日は視界抜群で、宝剣岳を望むと、どうも渋滞ができているみたい。そりゃそうだよね、梅雨明けのこんな快晴の日に宝剣岳を目指さない木曽駒登山者はいないでしょ。しばらく宝剣山荘の近くで、取り付きの様子を見ていたけど、渋滞が治りそうにもないので、この日は宝剣岳を諦め、その代わり伊那前岳をピストンすることとしました。

伊那前岳は、たぶんマイナールートで、登るという感じではないけど、稜線歩きが気持ちいいルートで、特にこの日は、天気も良く風もなく、展望の効く稜線を歩くにはもってこいの日。千畳敷カールをぐるりと上から望む歩きは、これはこれで満足のいく歩きとなりました。あんなにいた登山者もこのルートには極端にいなくなり、一人静かに山歩きを楽しむことができました。

その後、乗越浄土に戻った自分、あとは下りるだけです。時間は9時半、この日も多くの登山者が登山道を登ってきます。そうした中を逆行して下りるのは、接触事故が怖いので、やや緊張もしますが、まずまず無難に直登直下の分岐まで下りることができたので、せっかくなので剣ヶ池を経由して千畳敷カールを下からしっかりと目に焼き付けて行きました。

次にここを歩くのはいつになることだろうなどと考えながら、大自然の奇跡とも言えるこの景色をしっかりと目に焼き付け、下りのロープウェイに乗り込みました。

しらび平まで下りてくると、一泊の山行とはいえ、ややホッとした感じが出てきて、気分が変わってきます。この日は、ただ帰るだけだはありません。まだ、イベントは残されています。そう、温泉です。菅野台バスセンターの手前でバスを降りて、すぐ目の前にある「こまくさの湯」です。事前に調べておいた温泉で、湯上がり後にはビールも待っています。

この時、11時(笑)。このこまくさの湯の入湯料は700円とお安いのが魅力な温泉ですが、それよりもこの辺りの日帰り温泉が他に見つからなかったというのが、実のところ。ただ、思っていた以上にここの温泉、よかったです。というのも、内湯からも露天風呂からもなんとあの宝剣岳を中心とした山並みが望めるんです。さっきまで、あそこにいたのかと思うと、感慨もひとしおで、木曽駒ヶ岳帰りにはこの温泉、本当におすすめです。入浴後のビールとソースカツ丼で満足した自分、菅野台バスセンターまでの4〜5分を気持ちよく散歩し、帰宅の途につきました。

ちなみに、このあと菅野台バスセンターでバスを待っていたのだけど、待っている途中で、帰りのバスはここを経由しないバスだと分かり、冷や汗ものでしたが、その後、駒ヶ根インターのバス停まで、路線バスで移動してなんとか間に合いました。元々の切符は駒ヶ根バスターミナル出発の切符だったんだけど、こっちに来る時のバスが菅野台バスセンターで停まったものだから、てっきり帰りも同じかと思ってました。あぶないあぶない(汗)。

さ~て、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 05:21 距離 7.0 km 登り 632 m 下り 625 m



涼しく山トレ『木曽駒ヶ岳』(Ⅰ)

8月の縦走山行までだんだんと時間がなくなってきた。膝の痛みもあり、トレーニングも休み休みだったので、体調、体力面でやや不安は残るものの、残された時間でそれなりに仕上げなければならない。今回は、2日間の時間ができたので、実際の山行でトレーニングすることとしたが、とはいえ、この暑さ、近場で長距離を歩こうと思ったけど、最近流行りの熱中症が怖かったので、悩んだ挙げ句、当地から比較的お手軽に行ける『木曽駒ヶ岳』への1泊テン泊山行に決めた。歩行距離は少ないけど、ここなら涼しい中でのトレーニングができそうと思いますよね。

木曽駒ヶ岳までのアクセスを調べてみると、高速バスが最も早く、しかも安く行けるようだったので、名鉄バスセンターから菅野台バスセンターまで一気に向かった。とまあ、ここまでは良かったのだが、菅野台で往復のバスとロープウェイの切符を買おうとしたら、係の人が「ロープウェイ、2時間待ちですが、どうしますか」ですと。ここまできたからには行くしかないので、一瞬迷いながらも購入し、いざ、しらび平へ向かった。ロープウェイ乗り場に着く直前の車窓からは辺りに人が溢れかえっているのが見え、呆気に取られる中、バスを降りると整理券が配られた。番号は843番。

そのまま前に進むと掲示板の前に行けて、そこに番号ごとの案内予定時刻が表示されている。やはり2時間待ちで13時10分。辺りには数百人の観光客や登山客がそれぞれに時間を潰している。お手軽に高山に行けると考えたのは、どうやら自分だけではなかったようだ。救いだったのは、しらび平まで来ると幾分気温が低いので、日陰にいると2時間もそれほど苦にならずに待つことができた。

ようやく自分の番が訪れて、ロープウェイに乗り込み10分程度だろうか、千畳敷駅に着くと、なんとそこは一面ガスガスの世界。晴れていれば、千畳敷カールや宝剣岳が望めるテラスからも視界ゼロの世界が広がって?いた。それでも風があるせいだろう、時折千畳敷カールの一部分や乗越浄土に向かう登山道が見えたりしたが、その登山道ときたら、登山者で渋滞が発生している様子。ここまで来ると、踏んだり蹴ったりだとも思ったけど、肝心のテン場は空いているのだろうかと思いがよぎる。とは言っても、今さら急いでも意味がないことを悟り、カオスの渋滞路を目掛けて歩き始めた。

思ったとおり登山道は人また人で、思うように進まない。怖いのは、かなりの割合で、普通の観光客や登山初心者のような人たちが登ってもいくし、また下りてきていること。お互いに上手くすれ違うことができずに、余計に渋滞を酷くさせているようだ。自分にはどうすることもできない状況に苛立つこともできず、流れに身を任せひたひたと上を目指した。こうして乗越浄土に着いたのは14時で、早速、ガスで先が見えない中を、その先にあるであろう中岳に向かって歩き始めた。

記憶に反して中岳にはあっさりと辿り着き、続いて頂上小屋に向かって下り始めた。ここでもやはり先は真っ白(真っ暗でないだけいいか)だったが、ここも10分くらいだろうか、下りていくと、強い風が舞う中、見えてきたのはたくさんのテントの花だった。相当な数ではあるが、おそらくまだ張るスペースは残っているだろう。

このあと、受付を済ませ、場所探し。さすがに手頃な場所は全て押さえられているようで、残る場所は平らではないところか、許可されていない域外スペース。自分の場合、どこでも寝られるタイプなので、まあなんとか、手狭ではあるが、張れそうな場所を見つけ、まずは幕営完了。シュラフの中で寝転がってみたけど、エアマットが効いていることもあってか、まあまあの寝心地。

休憩を取って気持ちも落ち着いてきたが、この時、時刻は15時半。さて、どうしようかと思案していると、風の具合でちらちらと見え隠れする木曽駒山頂が気になって、しょうがない。こうなると、日没まで時間はまだあるので、一度、山頂まで歩いてこようとなってしまう。持ってきたビールも気になるけど、ここは山男らしく山を選ぶこととし、山頂での天気回復に期待した。ここから歩くと、20〜30分で山頂まで行ける距離。サブザックで身軽になったので、サクサクと登った。気温は15℃以下ってところだろうか、人によってはソフトシェルみたいなのを着ている人がいるけど、自分は半袖のままで十分。身体がまだ熱を帯びてるみたい。その後、山頂に着き、ややしばらく待っていたけど、やはりガスが晴れることはなく、結果的にはビールを美味しくいただくための運動にしかならなかった。まあ、トレーニングに来たわけだし、これもありかと、次の楽しみへ気持ちを切り替えた。

再びテントまで戻り、とりあえず、この日のミッションは完了したので、例のアレを準備した。まずは、この時のためにと、わざわざ担いできた缶ビールでお疲れさまの乾杯(1人だけだけど)。そして、つまみに準備してきた粗挽きウインナーをバーナーで焼いて、パリッとひと口。うーん、たまりません。来月の山行では重量の関係から禁酒にしようと思っているが、今回はトレーニングといった堂々たる理由があるので、4缶も担いできた。やはり山で飲むビールは何ものにも変え難いと、ぐびぐびやって、むしゃむしゃやった。この時、まだ17時。テン場に着くまでは、もう何時と言っていたのに、状況が変われば感じ方が変わるのは、人として間違ってはいないはずと、うんうん頷きながら、至福のひと時を過ごした。

ひと通り飲み食いして満足した自分、一旦、あったかなシュラフの中で寝ることとしました。歩きたい時に歩き、飲みたい時に飲み、そして寝たい時に寝る。これだからソロ山行はやめられません(Z z z...)。

目が覚めたら、すでに辺りは真っ暗。時計を見ると20時を回ってます。トイレに行こうと思いテントから出ると、そこは満点の星空が降り注いでいました。初めて天の川らしきものも確認できましたし、こんなところもテン泊のいいところです。写真に収めたかったけど、自分の技術ではどうにもなりませんでした。次の山行までには勉強しておこうと思います。

ちょっと寝過ぎかなとも思ったけど、この日はこれで就寝。翌日もそう急ぐ山旅ではないので、早くても5時に起きればいいのでシュラフの中でぐだぐだしていればいいかなと思い、眠りにつきました。

山行記録は、次回に表示することとします。

涼しく山トレ『木曽駒ヶ岳』(Ⅱ)