トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2018年5月13日日曜日

美しき瘤(こぶ)岩『瑞牆山』

登山道の途中から見えてくる瑞牆山。何と神々しい姿だろう。
久々に家内と山を歩いた。花粉症の家内は2月を最後に山は小休止状態だったが、ここにきてようやく歩けるようになってきたらしい。歩いてきたのは『瑞牆山』。深田百名山にも指定されているこの山は、昔、瘤(こぶ)岩と呼ばれていたらしく、山頂付近の岩の形が特徴的で美しく、何年か前に金峰山に登った時に初めて目にしたが、その時も「きれいな山だな」と、印象に残っていた。

いつもこんな感じなのかな?この日は路上駐車がいっぱいでした。
一般的な登山口は麓のみずがき山荘のすぐ前にある。100台くらいの無料駐車場があるようで、この日はここを目指し、朝6時に家を出発した。ゴールデンウィークの最中、中央道はそれなりの混雑で、途中、ゆるゆるとなりながらも、なんとか9時頃にみずがき山荘付近まで到着した。ずいぶんと山深くまで入っていったつもりではあったが、さすが人気の山、駐車場はすでに一杯なうえ、その付近の道路にも百台は超えているのではないかと思われるほどの車が路上駐車していた。自分も山荘をずいぶん越えた路上に駐車スペースを見つけ、そこに停めた。本当はいけないことなんだろうけど、しょうがなかった(のかな?)。

富士見平林道の標識。踏み入ったのは自分たちだけ。大やけどはしなかった(笑)。
身支度を整え、歩き始めようとしたとき、駐車したすぐそばの道路脇に「富士見平林道」との古い標識が立っている。舗装道路をみずがき山荘まで戻るより、こっちの方が早いとこ山歩きができるだろうと思い地図を確認するも登山道の表示はない。古い登山道なんだろうなと思いつつ、ただ、この辺の緩やかな地形も確認できていたので、この旧道を進んでみることとした。歩き始めると古びた木製の階段もすぐになくなり、かすかに残る踏み跡と地図とコンパスを頼りに歩を進めることとなった。自分の好きな、ちょっとした冒険歩きだが、今日は家内も一緒だから、あまり深追いはできない。小さなピークを過ぎて、すぐに林道方面に向かった。そうそう、今日はそういう歩きをする日ではないのだと。

林道途中から登山口に合流。いよいよ本格的な山歩きが始まる。
結局、近道のつもりが、やや遠回りとなってしまった歩き始め。家内は黙っていたが、恐らくイラっときていただろう。その後、正規の登山道に入って高度を上げていくと、すぐに富士見平小屋が見えてくる。営業意識満載の小屋前のテン場には早くも数十張りのテントがあり、皆、楽しそうに談笑している。「こんなところでテン泊してビールでも飲みたいわ」と、家内は言うが、なんだか毒を感じる。さっきのことをまだ根に持っているようだ。

大賑わいの富士見平小屋のテン場。これから瑞牆?それとも金峰?
気を取り直して、さらに歩を進めると、正面に峨々とそびえる瑞牆山が姿を現した。なんと威厳のある神々しい姿なんだろうと、思わずパシャリ。この後、ルートは一旦沢まで下りてから一気に山頂目指して登り返す。途中の桃太郎岩の大きさに驚き、どんどん傾斜を上げていく上り坂に戸惑い、名前は分からないけどてっぺんが見えないほどの大岩の辺りまでくる頃には、結構な岩場が連続してくる。考えてみると、この山、遠くから見える姿は岩山だから、こんな感じになるのも頷けるわけだ。家内も予想外に岩歩きを楽しむことになったことに浮かれすぎてしまって、途中の鎖場で不用意にもコケてしまった。幸い打撲程度で済んだからよかったけど、下手をすれば下手をする。山ではどんな状況でも気を緩めてはいけないのだと言う手本を体を張って示してくれたようなものだ。

この日、初めての巨岩、桃太郎岩にびっくり!つっかえ棒がお茶目。
沢から1時間半歩くと(と言うより登ると)、ようやく分岐標識のある肩まで辿り着く。ここまで来ると、あとは多少の鎖と階段をクリアして山頂だ。と、簡単に言うが、ここに来るまでに久しぶりの山で、しかもなかなかの登りを味わった家内はすでにヘロヘロ。途中でリタイアすることも考えたらしい。それでも頑張り通した君はエライ!(ちゃんと下りの体力も残していたし)

連続する鎖場を抜けると大きな岩が見えてきた。何岩だろう?
最後、山頂間際の暗い林を抜け、大岩の連なる美しく開放的な山頂に出た時の爽快感や達成感はなかなかのもの。家内もようやく元気を取り戻した様子。ただ、この日の山頂は人が多い!足を滑らせたり、人にぶつかってしまうと大変なことになりそうな崖続きの山頂は登山者で大賑わい。あちこちから「ちょー恐い」だの「おい、頼むから押すなよ」と言って、笑いながらも顔を引きつらせて岩山の上を楽しんでいる。

瘤(こぶ)岩の頂は多くの登山者で賑わっていた。
自分たちは自分たちで、高度感を楽しみつつ、次に歩く山を模索するかのように、眼前に広がる山々を目を細めながら眺めていた。隣にそびえる金峰山の五丈岩がぽっこりと目立って見えていて、いつだったか家内と歩いた日を思い出す。あの時はたしか娘も一緒だった。そんな日もあったなと、つい想いにふけってしまう。

岩の向こうには金峰山が間近に。五丈岩もしっかりと確認できる。
その後、風を避けるために山頂下の林の中で昼食のインスタント麺を2人ですすり、すっかり復活した家内は「下りの女王」と化して、帰りは足取り軽快にスタスタと下りていった。そして気がつけば歩き始めの不穏な雰囲気もいつの間にかどこかに行ってしまっていて、いつも通りの楽しい山歩きになっていた。ただ、帰り道、富士見平小屋の前を通ったときに、ふと「あ〜ビール飲みたい」だって、少しだけドキッとしたよ(笑)。さて、次はどの山歩こう。

【Start 9:03富士見平林道口~9:45登山道出合~10:13富士見平小屋~10:49天鳥川~12:31瑞牆山山頂(昼食)~14:07天鳥川~14:40富士見平小屋~15:28瑞牆山荘~Goal 15:33富士見平林道口】
総行程は、距離約 9.0km、出発地点標高1533m、最高標高2230m(瑞牆山山頂)、最低標高1533m(出発地点)、移動平均速度 約1.3km/h、総所要時間6h30m(recorded by garmin)

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2018年5月12日土曜日

2018黄金週間山行『赤岳』(3日目)

3日目、朝起きて赤岳を見上げる。この日も天気はいい!
《2日目から続く》
ゴールデンウィーク山行最終日。この日の予定は南沢から美濃戸口まで帰るだけ。山行もこれで終わりかと思う反面、考えようによっては「今日の山行はこれから始まる」とも言えるので、気持ちを新たに山歩きを楽しむこととした。南沢も以前、積雪期に歩いたことがあったが、やはりその時と比べると印象はまるで違う。それでも歩き始めはそれなりに雪が残っていて、いくつ目かの森の中は完全に凍結状態で、朝早かったこともあり(ちなみに7時にはスタートしました)、そんな状況をある程度予想してアイゼンを装着していたことが奏功した。

森の中はこんな感じ。朝早いから凍結してる反面、踏み抜きはない。
ただその森を抜けると、雪はほとんど見られない。すれ違った登山者に聞いて見ると、アイゼンなしでも大丈夫というので、そこからは外して歩いてみる。その後、岩だらけで歩きにくい沢沿いと、幾つもの森を抜けて、砂防ダムを越えると、呆気なく美濃戸山荘が見えてきた。ここまでの所要時間は約2時間。朝早いこともあって開店休業状態の山荘では休憩も取らずに続けて美濃戸口を目指した。

鬱蒼とした森の中、光を浴びた緑を見るとホッとする。
この日も天気はよく、2日前にワクワクしながらこの道を歩いていたことを、ふと思い出す。だんだんと現実世界が近づいてくるが、まだ認めたくない自分は無理やり山のことに意識を持っていく。途中の馬頭観音さんに無事下山できたことにお礼をし、もっと山にいたい割には途中のショートカット道はしっかり利用し、そして美濃戸口に着いた。

南沢も終わり。美濃戸山荘が見えてきた。
すぐさま3日間の汗を流そうと、登山口そばにある「J&N」という小ぎれいなレストランを兼営している立ち寄り湯に浸かった。どうもこの日の下山者は自分が一番目らしく、お風呂は貸切状態。もっとゆっくりしていきたい気もあったが、図らずしも一番バスの出発時間に間に合ってしまったので、それに乗ることとした。乗ってみると乗車客は自分の他に1人だけ。行きもそうだったけど、意外に少なく、こんなものなのかと首を傾げてしまう。

一番風呂をいただきました。洗い場は4つで午後は込み合いそう。
走り出した帰りのバス、しばらくすると窓からは、行きの時と同じように八ヶ岳が当たり前にそこにいた。どんな季節だろうが、どんな天気だろうが、誰が登ろうが、その山は何万年も(いや、もっとか)ずっとそこにいる。そんなことを考えていたら、自分の一喜一憂は、なんて小さいことなんだろうと、少しだけ反省する。今回もまた山にひとつが教わったような気がして、「来年もまた来るよ」と山に約束し、振り返ることをやめた。山を下りる時、ちょっとだけセンチメンタルな気分になるんです。分かる人は分かりますよね。さて、次はどの山歩こう?
《1日目に戻る》
赤岳頂上からの眺めに思いを馳せる。必ずまた帰ってきますよと。
【1日目(青線):Start 9:25美濃戸口~10:39美濃戸~12:01堰堤広場(昼食)~13:15赤岳鉱泉~Goal 14:09行者小屋】
総行程は、距離約 9.1km、出発地点標高1489m、最高標高2372m(中山乗越)、最低標高1489m(出発地点)、移動平均速度 約1.7km/h、総所要時間5h21m(recorded by garmin)
【2日目(赤線):Start 8:50行者小屋~9:59中岳分岐~10:33赤岳山頂~11:18赤岳展望荘前(昼食)~Goal 12:31行者小屋】
総行程は、距離約 3.8km、出発地点標高2352m、最高標高2899m(赤岳山頂)、最低標高2352m(出発地点)、移動平均速度 約0.9km/h、総所要時間3h40m(recorded by garmin)
【3日目(水色線):Start 6:46行者小屋~8:51美濃戸~Goal 9:36美濃戸口】
総行程は、距離約 7.2km、出発地点標高2356m、最高標高2356m(出発地点)、最低標高1489m(美濃戸口)、移動平均速度 約2.5km/h、総所要時間2h50m(recorded by garmin)

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2018年5月6日日曜日

2018黄金週間山行『赤岳』(2日目)

赤岳山頂。向こうに見える建物は赤岳頂上山荘。
《1日目から続く》
前日は、重い荷物を運んでの疲れや(まあ、普段の疲れも蓄積していたのだろうけど)、早い時間から飲んだビールも手伝って、星空を見ることなく寝入ってしまった...。
一夜明けたこの日は赤岳を歩くだけの予定なのでそれほど急ぐ必要もなく、暗いうちに目が覚めた後も寒いことをいいことにシュラフに入ったまま、の~んびり。脇に置いていたスントを見ると、温度はプラス5°C。思ったほど冷え込まなかったんだと思いながら、二度寝を楽しむ。今回の山旅の目的のひとつは「のんびりすること」でもあったので、早速実践できてしまっている。

朝食準備中。テン泊時は基本、アルファ米を食してます。
ちなみにこの日の歩きは文三郎尾根から登頂を目指し、地蔵尾根で下りてくる、そんなスタンダードなコースを考えていたが、当日になってもまだ歩き始めの時間に迷っていた。つまり、文三郎尾根にはそれなりの雪が残っているだろうから、朝早く歩くと、その雪はカチコチに凍っている可能性もあるし、かといって午後になると、雪が緩んできて踏み抜き天国になるだろうから、どっちも避けたい。なので、雪の状態が程よい固さになった時に歩けるよう、八ヶ岳の北側に面している文三郎尾根に太陽の日が差し込み始めた頃に歩き始めようと考えていた。

文三郎尾根。すでに雪が溶けだし階段の一部が露出している。
8時頃に遅い朝食をとった後、テント前から山の状態や歩き始める人たちを見送っていたが、そのうちにやっぱりとでも言おうか、居ても立ってもいられなくなり、予定よりやや早めの9時前にテントを後にした。ようやく出番が回ってきたサブザックを背に、初めて使うヘルメットを被り、とりあえず防寒着はザックの中にしまい、颯爽と(自分ではそのつもり。気分は既にエベレストの山頂アタック)、文三郎尾根を目指した。ところが歩いて10分くらい経ったところで、文三郎の分岐を過ぎてしまったことに気づく。自分のドジさ加減に呆れつつも、戻って分岐を確認してから改めて歩き始めたが、このことがむしろ肩から余計な力が抜けて、冷静な自分を取り戻すことができた。

文三郎尾根。例年に比べると雪は少ないらしい。
文三郎尾根はしっかりと雪が残っていて、狙いどおり固さは程よい。もしかしたら、もっと早い時間にスタートしても大丈夫だったかもしれないくらい。アイゼン、ピッケルともしっかりと雪面を捉え、文三郎特有の急な直登をぐいぐい登っていく。バランスを崩すのが嫌なので、途中、振り返ることはしないで、とにかく前だけを見て、足の運びを慎重に登った。ようやく一息つけそうなテラスに辿り着いたので初めて振り返ると、さっき出発した行者小屋が既に小さくなっていた。そして遠くには北アルプスが、すぐ左隣には阿弥陀岳がいつの間にかデーンと居座っていた。この日は雲ひとつない快晴。しかも恐れていた風も全くなく、むしろ暑いくらいのコンディション。最高の山日和だ。しばらく見ていたい気分だが、呼吸も整ってきたので、再び上を目指す。

中岳分岐付近から赤岳山頂付近を仰ぎ見る。
途中、すれ違った人に「中岳分岐からは、むしろアイゼンがない方が歩きやすい」との情報を得たので、言われた通りにしてみる。なるほど、分岐からは雪はほとんどなく、特にキレット分岐からの鎖やハシゴはアイゼンを装着したままでは、歩きにくいだろう思われた。そのキレット分岐からの連続する鎖場は数年前の自分は恐らくビビっていただろう傾斜だが、多少の経験を積んだ今の自分にとっては楽しい以外の何物でもなく、登りながらも「高所恐怖症は改善することができるものなんだ~」と、喜びを感じながら高度を上げていった。最後のハシゴを登るとき、その先に山頂標識が見えた際には、正直自然に顔がにやけてきた。とうとうこの自分が、あの赤岳山頂に立つ時が来たのだと、感動とともに猛烈な喜びが湧いてきた。そして登頂。思っていた通りの360°の大パノラマ。遮るものは何もない。北アルプス、御嶽山、中央アルプス、南アルプス、富士山、奥秩父の山々、そして目の前の八ヶ岳連峰。全てが鮮明に見えた。今となっては見慣れた山々かもしれないけど、今はあの赤岳山頂から望んでいる。

権現岳方面、遠くには南アルプスが。
山歩きを始めてからのひとつの目標としてきたこの赤岳登頂はやはり自分にとっては一つのけじめと言える。大げさかもしれないけど、八ヶ岳を登ったという勲章を手に入れたかのような気分だ。トレッキング初心者も経験を積めば、こんな山にも登れるんだよ的な山のひとつがこの赤岳だと自分は思う(分かるかな?)。そんな感慨を1人密かに味わった後、気持ちを切り替えて下山へ。こんな時だからこそ、下山は絶対にきれいに終わらせたい、そんな気持ちが強かったので、いつも以上に慎重に歩いた。営業前の頂上山荘でアイゼンを装着し直して、ぐずぐずの雪と岩がミックスとなった天望荘までの下りを下り、天望荘前では昼食をとってパワーを回復させ、地蔵尾根を目指した。地蔵尾根は聞いていたほど雪はなく、状態としては文三郎とさほど変わらない印象。時折佇むお地蔵さんに手を合わせ、無事の下山を祈り、下りのアイゼンワークを慎重にゆっくり、ゆっくりと下りた。途中の階段までは、雪はミックスの状態だったが、階段を降りてから下は雪の世界。正午を過ぎて大分気温が上がってきていたので、踏み抜きには十分注意して、トレースを外さないように歩いた。

地蔵の頭に佇むお地蔵さん。向こうのピークは横岳。
途中の林を抜けると、そこは行者小屋、無事たどり着いた時にはホッとした半面、「ああ、終わっちゃった」という感じ。天気は相変わらずの快晴で、時間も体力も十分に余っていたので、こんなことなら横岳、硫黄岳と縦走するんだったと、悔やんだが、それは次回以降の楽しみに取っておこうと誓う。とりあえず、この日は残りの半日を山を眺めながらゆっくりと過ごすこととした。晴天の下、赤岳を目の前に寝そべりながらビールを片手に、持ってきた山野井泰史の「アルピニズム」を読む。なんとも贅沢な時間である。そしてこの日も星空を見ることなくシュラフに潜り込みぬくぬくと眠りについた。

下りた後はテント前でゆっくりと過ごす。大同心が美しい。
【2日目(赤線):Start 8:50行者小屋~9:59中岳分岐~10:33赤岳山頂~11:18赤岳展望荘前(昼食)~Goal 12:31行者小屋】
総行程は、距離約 3.8km、出発地点標高2352m、最高標高2899m(赤岳山頂)、最低標高2352m(出発地点)、移動平均速度 約0.9km/h、総所要時間3h40m(recorded by garmin)

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2018年5月3日木曜日

2018黄金週間山行『赤岳』(1日目)

赤岳展望荘から赤岳を振り返る。いい山でした。
今年のゴールデンウィーク山行は、念願でもあった八ヶ岳は赤岳を歩いてきた。これまでも歩いてみたかったこの山、ゴールデンウィークとはいえ雪が多く残るこの時期は、それに見合った装備が必要だったので、いままで実現できていなかったが、先日、ようやく最後の装備となる耐寒性に優れたシュラフを購入し、いよいよ念願の山行を果たす運びとなった。
初日は例によって電車とバスを乗り継ぐ移動。朝5時前の電車に乗り込み、茅野駅から一番バスに乗り換え、登山口のある美濃戸口に着いたのは9時過ぎ。意外にもこのバスに乗っていた登山客は自分含めて4人、人気エリアの割にこの少なさには多少拍子抜けしたが、車中では次第に近くなってくる山を前にどんどん気持ちが高まっていった。

美濃戸口からの歩き始めは静かな林道歩き。
バスから降りて早速、靴ひもを締め直しながら気持ちも山モードに切り替える。ザックを背負い歩き始めるが、さすがに重い。二泊三日のこの山行をより充実したものにするために、缶ビール6缶とワイン1本を積んできた。軽量化という山歩きのセオリーには程遠く、わざわざ重いものを余計に運んで、これからの数時間を耐える苦行のようなこの状態、この山行、もはや何を目的としているのか、自分でもよく分からない。でもまあ、テント前でゆるりとビールを飲んでいる自らの姿を想像すると、頑張れてしまうのも事実。ああ楽しみだ(笑)。ところでこのコースは数年前に一度歩いたことがあるが、その時は3月で雪の中だったので、この日の景色とは全く違う。この日の印象としては、行けども行けども林道が続く、そんな感じ。やけに長く感じたな~。ようやく建物が見えて美濃戸に着いたことが分かるが、ここまで1時間以上もかかってしまったが、目指す今日のテン場の行者小屋はまだまだ先だ。嬉しいやら悲しいやら。

やまのこ村が見えてきた。美濃戸だ。奥に見える山は阿弥陀岳か?
小休止後、北沢コースを取った自分は再び歩き始めるが、まだ林道が続く...。その後、さらに1時間以上をかけて堰堤広場と呼ばれるところに着き、ここからようやく山歩きらしくなって来くる。なんとなく、以前の記憶が蘇ってきたが、ここから沢沿いにコースは続く。さすがに標高も2000メートル近くになると、谷中の日陰では残雪というか、カチコチに凍結した箇所も多く見られるようになってきた。ただ、アイゼンはまだ必要なさそう。

北沢コースを辿っていると突然、大同心が。いよいよ近づいてきたか。
しばらく歩いていると、沢のせせらぎが遠くなってきたと感じた頃、ようやく赤岳鉱泉が見えてきた。名物のアイスキャンディは既に今シーズンの役目を終え、無残な姿のまま放置されている。その脇を過ぎた小屋のテラスで小休止する。残すは行者小屋までのひと乗越なので、疲れた体に再び気力が湧いてくる。最初から行者小屋に泊まることを考えていたのに北沢コースを選んだのは、この時期の北沢コースを歩いてみたかったから。まあ、どうってことはなかったけど、自分なりの自己満足は満たされた。

朽ち果てたアイスキャンディ。八ヶ岳もこれから夏山に向かって行くのだろう。
その後、中山乗越では緩んだ残雪に意外にも手こずらされたが、それでもようやく行者小屋に辿り着いた。小屋営業は5月入り後らしいので、常駐スタッフはいなかったけど、水場は近いし、トイレも使用可なので全く問題はない。後で鉱泉から出向いたスタッフがテン場使用料を徴収に回っていたが、その辺は小屋側も抜かりがない。テントをセッティングして落ち着いた自分、「早速!」と声にこそ出さなかったが、待ちに待っていたビールをプシュッ。目の前には南八ヶ岳の山稜が広がっている。思ったとおり気持ちイイ!ここに着いたのが3時前だったので、その後、7時頃まで山を見ながら静かに飲んで、暗くなる前に就寝した。ちょっとだけ苦しかったけど、なんとも幸せな1日が終わった。新しいシュラフはあったかい!さあ、明日は赤岳登頂だ!!
《2日目に続く》

テント前から眺める赤岳。明日はあの頂きに立つことができるのかw

【1日目(青線):Start 9:25美濃戸口~10:39美濃戸~12:01堰堤広場(昼食)~13:15赤岳鉱泉~Goal 14:09行者小屋】
総行程は、距離約 9.1km、出発地点標高1489m、最高標高2372m(中山乗越)、最低標高1489m(出発地点)、移動平均速度 約1.7km/h、総所要時間5h21m(recorded by garmin)

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2018年4月22日日曜日

『ヨモギ尾根』から雲取山へ

『ヨモギ尾根』ここはブナも目立つ広々とした尾根道。とても気持ちイイ!
以前にも同じようなことを書いたと記憶しているが、最近、ブログを書くたびに「久々に山を歩いてきた」的なフレーズを書くことが多い。今回もまさにそういうことだ。
ゴールデンウィークのテン泊山行を間近に控え、山歩き不足はおろか運動不足ですらある自分。というのも、最近、珍しくも仕事が忙しいのが背景にある。いい歳をして不良サラリーマンの自分としては、不本意なことではあるが、使われる身としてはやむを得ない事実でもあろう。
気を取り直して、この日は久々のソロ山行。しかもトレーニングを兼ねての山行だったので、思い切り歩くために出発は当然、始発電車。向かった先はホームグランドのJR奥多摩駅。最近の陽気の高まりのせいか、朝も早いというのに乗り継いだバスには大きなザックを担いだ登山者で超満員。そんな大勢の登山者は皆、おそらくは雲取山を目指すのだろうが、鴨沢バス停で降りて行き、ただ一人残された自分はというと終点の鴨沢西バス停で降りた。

鴨沢西バス停から歩いて約20分。「お祭」という名が見え始めた。
そんな自分、向かった先は「お祭」(という地名)の後山林道。登山口はこの林道をさらに1時間半ほど歩いたところにあり、ここに今回目指す登山道『ヨモギ尾根』がある。この日は、大勢の登山者同様に自分も雲取山方面を目指す山歩きだが、どうせ登るならと、以前から歩いてみたいと思っていた、山と高原地図で破線ルートとなっているこの『ヨモギ尾根』をチョイスした。

後山林道入口。立派な門があります。監視カメラが付いていたが何のため?
林道をしばらく歩き、塩沢橋を渡ってシオ沢沿い10分くらいのところに、ようやくこの日の登山口が左手に見える。破線ルートの登山口の割に真新しい道しるべが立ててある登山口。さあ、ここから約3時間、静かな破線ルート歩きを楽しむことができると思うとワクワクしてきます。ところで『ヨモギ尾根』といったが、実は石尾根に出合うまでの中間地点に位置する奥後山までは「ニジュウタキ尾根」といい、後半の方を『ヨモギ尾根』と呼ぶらしい。いずれにしてもこのルート、実に静かで、この日、誰ともすれ違うことはなかったし、むしろ静かすぎて、クマなどの野生動物と出会いそうな気がして、ビビりの自分は終始、声を出して自分の存在をアピールした。

バス停から歩き始めて約1時間半。ようやく登山口に着いた。
また、どこかのブログに、作業道が複数あるので道迷いしやすいとか書いてあったが、今は要所要所に道しるべが立ててあり、迷うことは一切なかったし、広々とした尾根道においても踏み跡がしっかりと付いていて、安心して歩くことができた。危険か所も特になく、しいて挙げれば、取りつき後、尾根に入るまでのトラバース道で幾つかの崩落地帯があるくらいかな。そこにしても、一歩一歩を慎重に歩けば特に問題ない程度だった。

登山道崩落地帯。こんなところが幾つかあったが、慎重に歩けば大丈夫!
心配だったのは、情けない話だけど自分の体力。テン泊装備を持ってきていないので比較的軽装ではあったが、普段運動もせずにしかも2か月ぶりの山歩きとなるので、その点だけが心配だった。この『ヨモギ尾根』ルートは石尾根に出合うまで約13km、標高も1000mは軽く登らないといけなかったので、最初はゆっくりと体力を温存するように歩いた。それでも上り一辺倒のこのルートには、途中、参ってしまったが、しばらくして石尾根が見え始めてくると、再び気力もみなぎってきて頑張り通すことができた。

西側を眺めると去年歩いた奥秩父主脈縦走路が。あれは三ツ山だろうか。
石尾根との出合は奥多摩小屋の水場を通っていくので、そこで冷たく新鮮な美味しい水をいただき、最後の急登を登り切った。奥多摩小屋ではその後のルートをどうするのか、つまり雲取山へ行くのか行かないのかを検討しがてら、昼食をとることにした。ここから雲取山の往復時間は約1時間半。それから鴨沢までの約3時間を考慮すると、日没前までには十分に下りれそうなので、インスタント麺をたいらげ元気が復活してきた状態の自分は、迷わず雲取山経由を選択。そう、なんといってもこの日はトレーニングも兼ねていたのだから。

奥多摩小屋の前。おそらくヘリで物資が届けられたばかりなのだろう。
昼食後、準備を整え雲取山目指して歩いたが、考えてみると雲取山自体は何度も登っているが、石尾根から雲取山を目指すのはこれで2回目だということ。途中、小雲取山の登りがきついなと思いつつも開けて明るい石尾根はやはり気持ちがいい。あっという間に登山者で賑わう雲取山山頂に着いて小休憩後、すぐさま下りの途に就く。下りの目標は日没前までに下りることと、バスの時間を意識しての歩きも。あとは、それなりに景色も楽しみながらというところか。そうそう、それと、トレーニング、トレーニング。ということで、半ば駆け降りるように下って行った。登りで体力を温存していたこともあってか、意外にも足はまだまだ大丈夫そう。傾斜を利用して踏ん張ることなく、惰性を利用し駆け下りた。登りではめっぽう遅い自分も、下りでは何人もの登山者を追い抜いた(ご名答!まったく自慢ではない...)。

石尾根から雲取山山頂方面を眺める。避難小屋は今日も一杯かな?
とはいえ、そんな歩きを3時間続けることは体力というよりも精神的に参りそうになる。小走りの下りで集中力が途切れて、そんなときに運悪く躓いてしまったら転倒は免れないだろう。この日は、そうした際のサポートのためWポールを使ってみた。1度だけこれに助けられたが、1度だけといってもこれがなかったらどんな事態になっていただろう。少しだけゾッとする。まあ、その後、無事に鴨沢まで下りることができてよかったです。
雲取山は泊まりの登山者が多いので、土曜日の夕方は意外にも鴨沢バス停は乗車客が少ない。余裕で座れてJR奥多摩駅へ向かった。楽しみにしていた奥多摩駅前でのビールは電車時刻の都合からこの日は「無し」。泣く泣く電車に飛び乗った自分、山の楽しみの半分を取られてしまった気分だったが、しょうがない。なんといってもこの日は、トレーニングを兼ねた山行だったのだから(涙)。でも、久々の山は最高に気持ちよかった~!

【Start 6:47鴨沢西BS~8:15ヨモギ尾根ルート登山口~11:33奥多摩小屋(昼食)~12:40雲取山山頂~13:34ブナ坂~Goal 15:28鴨沢BS】
総行程は、距離約 27.8km、出発地点標高542m、最高標高2017m(雲取山山頂)、最低標高531m(鴨沢BS)、移動平均速度 約3.2km/h、総所要時間8h40m(recorded by garmin)

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