トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2024年3月2日土曜日

久々に考える。富士山は登るべきか。

最近、週末に天気が悪かったり、仕事が入ったりで山に行けないでいるから、少しだけ山について呟いてみることとした。

登山にあまり詳しくない人には、「富士山に登ることが、山やを名乗るうえでの登竜門であり、登ったことのない者は登山を語る資格が足りない」みたいな感覚がそれなりにあるみたいで、以前、職場の人に「山をやっているそうだね。富士山には登ったの」と聞かれ、登ったことがないことを告げると、「えっ?」みたいな反応が返ってきた。そんなとき、自分は、「富士山は見る山で登る山ではない」という言い訳を使っているが、富士山以外に高尾山くらいしか知らない輩たちは、それを言い訳ともギャグとも取れない不思議なリアクションと捉えるみたいで、それ以上突っ込むことなく、お互いに愛想笑いのような苦笑いが湧いて出てくる気まずい雰囲気になる。なんだか、そんなことを思い出した。

年の初めに富士山を見に山に行ったこともあり、富士山のことを少しだけ真面目に考えてみたくなったわけだが、まあ、そんなわけで自分は富士山を歩いたことがない。登頂にまったく興味がないわけではないが、なにぶん、あの人気である。新型コロナのせいで少しは登山者が減ったようではあるが、それでもやはり二の足を踏んでしまうのは、自分だけではないだろう。多くの登山者もそう思うだろうが、自分の場合、山歩きに期待する要素として、「静けさ」や「自然回帰」といったことも大事にしているので、そうなるとおのずと富士山は山歩き対象から除かれてしまう。それでも、やっぱり気になる。富士山は、山やにとってそんな山なのだと思う。

とはいっても、現実としては、登山者は2023年も20万人をオーバーしたようで、登山期間が3か月もないことから考えると、やはり異常な数字で、今後、富士山人気が衰える時期を待ったとしても、おそらくは自分の残り少ない山人生一生待っていても、その時期は訪れないだろう。思い起こせば、2013年に世界文化遺産に登録されたことが、富士山人気に拍車をかけたのだろうが、そのことから外国人観光客も増加し、挙句の果てには入山料徴収ですよ。まあ、あの風貌・容姿だ。昔の人も現代の人も、日本人も外国人も登りたくなる気持ちはよくわかる。

北斎や広重がとりこになった富士山。そしてその作品に魅了された芸術の都パリを中心としたヨーロッパの人々。特にひまわりで有名なフィンセント・ファン・ゴッホ、あの画家も浮世絵のフジヤマに魅せられた一人だ。そんなことを考えると、今の世のインバウンドの富士山人気も、今に始まったことではないということか。

そんなことを考えていると、富士山のことがいとおしくて仕方がなくなってくる。令和の時代の人間でさえ、そう思うのだから、娯楽や情報量が絶対的に少なかった時代の日本では、どれほど富士山という山が憧れや崇拝の対象となったのか計り知れない。今住んでいる町は、富士山まで直線距離でおそらく160km以上離れた場所に位置しているのだろうが、1月の富士見登山でも多くの観光客が富士山を見に来ていたこともそうだが、こんなに離れた土地でも富士山の影響は、いたるところに見られる。今から600年以上も前の室町時代前中期にはすでにこの町に富士神社が創建されていたらしいし、町名にも富士見町(不二見町)があるなど、この町にもがっちりと富士山の意識が根付いているのが分かる。また、偶然なのかもしれないけど、この町の公園には、富士山型の滑り台がたくさんあるらしい。つまり、昔も今の世も、この町は普段目にすることのない、遠く離れた富士山を少なからず感じているということなのだろう。

そんな、日本国民にも外国人からも愛されている富士山。果たして登るべきだろうか。

まあ、この問題、久々に考えてみたが、やはりいくら考えてもすぐには答えは得られそうもないので、もう少し、富士山をめぐる世の中の動きを見ながら、自身の年齢を重ねていこうと思う。もしかしたら、そのうち何らかの作用が起きて、富士山を歩く機会に恵まれるかもしれない。いつになるかは分からないけど、しばらくはそうしてみよう。

それにしても、果たして、富士山は登るべきなのだろうか。あっ、また考えてしまった(笑)。

2024年1月11日木曜日

富士見運だめし山行『蔵王山』

ふと、富士山が見たくなった。いつも東海道新幹線に乗るのは夜暗くなってからだから、そこにいるのだろうが、見えてない。近辺の山を歩いていても富士山は見えない。いや、もしかしたら本当は見えることもあったのかもしれないが、これまで意識したことはなかった。奥多摩や八ヶ岳など、向こうで山歩きをしていたときは、いつも富士山を探していて、見つけるとなぜか自然と手を合わせていた。そのくらい、富士山は自分の中で山歩きには欠かせないランドマークにはなっていた。そう、山歩きの目標の一つといっても、決して言い過ぎではない存在だった。

そんな富士山、この辺でも見られるところがいくつかあるらしいと、WEBで探し当てたので、年の初めということもあり、おめでたい富士を見に行くこととした。とはいえ、この辺から見るには富士山はやはり遠距離、よほど天気の条件が合わなければ、見られないだろう。つまり、見ることができたら幸運ともいえる富士見の運試し山行に行くこととした。内心、見ることができたら、今年はいい年になりそうな、そんな予感も抱きながらの山旅となった。

歩いてきたのは、渥美半島の先端、田原市の『蔵王山』。山自体は、250mと、そこそこの低山で、山頂には立派な展望台があり、もちろん自家用車でも行くことができる山だ。自分の場合、豊橋鉄道渥美線の終点、三河田原駅から徒歩で権現の森の登山口に向かい、そこから山道を歩いて頂上を目指した。といっても、登山口まで行ってしまえば、30分くらいで山頂なので、どちらかといえば街歩きがメインといった感じ。それでも、そんな短い時間の山歩きでさえ、「山歩きはいい」と感じてしまう自分、やはり山歩きに飢えていたようです。

さて、山頂に着いて、展望台に登り、富士山はどこかと探していると、隣りのご夫婦が「あった、富士山だ」と指を刺したので、自分もその方向を見ると、あっ、見えました!小さいけど、しっかりと見えました。真っ白なベールをまとい、うっすらと光る無垢の富士山。感動のあまり涙が出そうになりました(写真は残念だったけど...)。大袈裟ではなく、本当に。北風が吹く展望台で身体が冷えるまで見続けました。よく見ると、その左手にはアルプスらしき連山も。どこの山かと、その後、室内の表示を見てみると、聖岳と赤石岳のようです。ああ、歩いてみたい山域だけど、その前に歩きたい山はたくさんあるから、この山を歩くのはいつになることだろう。

それにしても、見ることができました富士山!今年はいい年になりそうな予感です。気をよくした自分、展望台の室内休憩所で持ってきたどら焼きとロールケーキをいただき(どんだけ甘い物好きなんだってことだが...)満足なひと時を味わった後は、気分を良くしたまま下山です。下山後は、事前に調べておいた立ち寄り湯。住宅街をしばらく歩くも、着いてみると、あいにくこの日はレストランが休業。しかもお風呂はこの日は小浴場だそう。まあ、しょうがないと、汗もかいていない身体を洗い、湯に浸かった後は、乾いた喉を我慢して駅前まで歩くことに。

30分以上かけて駅前まで来たけど、なんとここでもレストランがどこも開いていない。時刻は15時過ぎ。ちょうど悪い時間帯のようで、結局、電車に乗ることにした。その後、途中の乗り換え駅でビールにありつくことができたけど、このときすでに16時過ぎ。身体もすっかり冷えて、いつもの湯上がりのビールというわけにはいかなくなった。富士見の効果はこの日は現れなかったようだが、必ずや今年はいい年になるはず。めげずにもう少し長い目で効果を待とう(苦笑)。

さて、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(この後G地点からS地点まで歩きました)

GPS 03:15 距離 6.9 km 登り 270 m 下り 238 m

2023年12月10日日曜日

MIYAGENのホイッスル

まず、MIYAGENだが、自分も今年に入ってから存在を知った。確かBE-PALだったろうか、MIYAGENのInstagramを紹介していたと思う。いや、まて。最近、記憶もだんだん怪しくなってきて、紹介していたのはBE-PALだったのか、そもそもインスタの紹介だったのか、そんなことすら、自信がなくなってきた。ただ、印象に残っているのは、このホイッスルのこと。正直なところ、これまでの山歩きでホイッスルを欲した経験は、一度もないんだけど、最近はエマージェンシー対策とかで、野外でのホイッスルは、徐々に光が当てられてきていると思う。実際、自分の日帰り用ザックにもホイッスルは、付属されている。そんな基本知識があったから印象に残っていたのかもしれない。

さて、MIYAGENのことだが、ホームページで商品を確認してみると、ホイッスル以外のものは、数えるほどしかない。ポーチに手拭い、それとザック1種類にウェアもやはり1種類と。この会社何者なんだと思って、さらにサイトを見ていくと、アウトドア用品の販売を始めたのは、2022年かららしい。どおりで知らなかったわけだ。元は酒屋さん?なんだか謎ではあるが、こんな(こんな呼ばわりごめんなさい)ラインナップでも商売は始められるんだと目から鱗。自分がホイッスルを買う時も、実店舗に行ってみようかなとも思ったが、問い合わせてみても上手く連絡がつながらなかったり、在庫があったりなかったりで、結局は通販で予約購入した。なんとなく商売って大変なんだなと感じながらも、MIYAGENさんのビジネスが軌道に乗っていくことを密かに願う。

またホイッスルのことに戻るが、今回購入したホイッスルは、蓄光樹脂で作られていて、ライトなどの光を当てたあと、ややしばらくは、ほのかな光を放つので、夜にはとても便利だと思いますし(まあ、実は珍しさから選んだんだけど...)、なんといっても音量がすごいんです。ためしに息をちょっとだけ吹きかけてみたら、結構な音量になってしまったので、人の多い場所や緊急時以外の使用はあまりお勧めできません。あとは、製品強度がどのくらいかについては、使ってみるしかないですね。

なお、持ち運びは別に細引きを買ったので、これをつけて、テン泊用のザックにでもくくりつけておこうかなと思ってます。エマージェンシー用なので使わないことに越したことはないですが、まあ、保険とでもいうのか、安心のためですかね。ところで、値段は結構なものでした。自分的にはですが。

果たして皆さんは登山用のホイッスル、どう思っているのでしょう?

2023年11月30日木曜日

山、紅葉、温泉、そして少しだけビール...『くらがり渓谷から本宮山』

寒さが増し季節は秋も終わりと思いきや、今が紅葉シーズン真っ只中のようで、そんなことをテレビで言っていたのを見た。山やとしては、そんなニュースを見ると、当たり前のように山歩きのことを連想してしまう。そう、それが山やの性(さが)というもの。しかも、山のことを考え出すと、仕事が手につかなくなってしまうので、こうなるともはや仕事もそっちのけで(まあ、気分的にはってことです)、紅葉が見られる登山コースをWEBで探しまくった。そして、できるならば下山後に温泉に入れたら最高、そんなささやかな願いをオプションとして付いた山旅を探した(「ささやかな」とは言ったが、もちろん山旅としてはパーフェクトなんですが...)。

そして探し当てたのは、『くらがり渓谷からの本宮山』登山で、下りは登りと反対側に下りれば、温泉もあるし、しかもそこからは電車の駅にも歩いて行ける最高のコース。そのコース、町からの近場でもあるし、標高も789mと低山で、ブログで見た様子も登山道は、ゆるゆるっぽい。天気も崩れそうにない予報だったし、気分はハイキング。なので、荷物は、いつもより軽量で臨んだ。前回失敗したアクセスも、今回はしっかりと調べたので迷うこともなくスムーズな旅程となり、登山口に到着したのは午前9時前。そこから歩く距離は10kmちょっとだから、5時間もあれば下りられるだろうと。まあ、まずは紅葉が目的なのでゆるゆるで行くことを決め、一緒にバスから降りた他の登山者の誰よりもゆっくりと歩き始めた。

たまには、こんな歩きもいいかもしれないと、くらがり渓谷の門をくぐり、中に入っていくと、その名のとおり?、樹木に覆われたそこは、やや薄暗く、そして静かだ。聞こえるのはせせらぎと小鳥のさえずり。谷の中だからか風もない。紅葉には詳しくない自分だが、赤や黄色、オレンジ?さらには緑から赤になりかけのグラデーションが美しい葉っぱなど、いろいろな色彩を楽しむことができた。光の差し具合によっても色合いは様々で、紅葉を見ながらこんな温かな気持ちになるなんて、自分も歳をとったのかなと、ふと思った。

登山道も、要は林道で歩きやすい。気をゆるめて紅葉や渓谷を眺めながら歩いても、つまづく心配がないほど、きれいに整備されていて、安心して歩くことができる。途中出会った地元の人間だという先輩おじさまも、ここを歩くのは今日で20回目だが、「こんな山、山のうちに入らない」と言いながらも、ここが地元の人に愛されているのがよく分かる。うんうんと話を聞きながら歩いていると、前方に「馬の背平」という立て看板が現れた。自分はこれに沿って急登に挑み、先輩はなだらかな林道を行くとのことで、ここで別れたが、「馬の背平」からの道は、確かにしっかりとした直登の急坂で、登り甲斐はあったが、今日の自分、ここまでのゆるゆる歩きで体力はほぼ使ってなかったので、急坂に反して、すいすいと登っていく。しかも足下は半舗装道路のような感じで、グリップも最高。

あっという間に尾根までたどり着き、目の前にあった赤い鳥居に惹かれて「国見岩」というありがたそうな、大岩を参拝してきた。「ここまで無事に歩けてありがとう。そしてこれからもよろしく」みたいなことをお祈りして次に進むと、今度は駐車場が見えてきて、車やバイクがたくさん並んでいた。ああ、町近くの低山は、こういうことなんだと、下がるテンションを受け入れながらも、なお進む。建ち並ぶ電波塔の方が山頂らしく、進んでいくとすぐに山頂表示が見えてきて、やはりあっという間に山頂に到着した。

ただ、山頂に着くと、そこからの景色はなかなかのもの。多分、渥美半島だと思うけど、そこを挟んでの太平洋と三河湾が一望できるとても気持ちのいい広場になっていて、それまでのがっかりモードから一転、さわやかモードに気分は一新。やっぱり、山歩きで展望の要素は大きいなと、つくづく感じた瞬間だった。

そこでは、計画どおりお昼ご飯を食べ、山専ボトルに準備してきたお湯でココアを飲んで、本当に久々の山頂でのまったり気分。こんな余裕のある山歩きも悪くないなと思い、ママにも景色をお裾分けと、LINEで画像を送った。スマホのアンテナもいわゆるバリ3っていうのかな?受信状況は最高で、こうしたことも町に近い低山ならではのことだと思う。今までは、自分、こんな感じの山をやや舐めていたと思うけど、こうした山歩きも、これはこれでいいものだと、ちょっとだけ気づきました。

思った以上に休憩を長めにとったこともあったし、また、登りでほとんど体力を使わなかったこともあったので、得意の下り(笑)は、サクサクっとスピードアップして下りることにした。そうでもしないと、山から下りたあとに、疲労感なし、足の張りなし、筋肉痛なしだと、山を歩いたのかどうかもピンとこないから、やっぱり多少の負荷は欲しいと思った。この辺、若い頃からのM体質は、基本変わってないようだ。

下りは、南側の斜面を下りていったけど、こちらの登山道は、くらがり渓谷側とは違って、斜度もそれなりにある普通の登山道になっていて、紅葉のない季節は、むしろこちら側のピストンの方が面白いだろうなと感じた。足元も悪くないし危険箇所もなさそうなので、駆け下りるまではしなかったけど、まさにサクサク、すいすいっと足早に、ほぼノンストップで下りたら、1時間ちょっとで、下りることができたから、距離もそんなにないコースなんだろう。途中、たくさんの登山者とすれ違ったから、人気の山であることは間違いない。まあ、これだけアクセスがよくて、頂上の展望がよければ、それもうなずける。

そんな感じで、登山口に到着すると、さらに嬉しいのは温泉が近いこと。歩いて5分くらいで着いてしまうなんて、なかなかないですよ。よくぞ、ここに作ってくれたと、関係者の皆さんに感謝しかありません。しかもJAF割引付きって、最近、割高な温泉が多い中、しつこいけど感謝です。

この日はいつも以上に温泉にゆっくりと浸かって、そのあとは、この日最後のお楽しみイベントとなる、からからの喉にジョッキビールを流し込んだ。当たり前だけど、これが実に美味い~。これだから山はやめられない。そう、自分的にはこれも山歩きの延長なんです(笑)。こうして久々に充実した1日に気分も良くして、ほろ酔いで家路につきました。ああ、こんな山旅なら毎週行きたいです。

そうそう、この日、山歩きを記録していたヤマレコが歩きはじめの1時間くらいでフリーズしていた。なので、今回は地図を貼り付けは、行っていません。以下のデータは山行計画時のものです。まあ、こんなこともあるでしょう。

さて、次はどの山歩こう。

▽ ヤマレコ情報(時間は実測。距離等は山行計画データ)

GPS 03:55 距離 10.5 km 登り 633 m 下り 761 m


2023年11月5日日曜日

初敗退、奥三河の名峰『三ツ瀬明神山』

山歩きを始めて何年か経ったけど、先日、初めて登頂を断念して引き返した。いわゆる敗退である。

言い訳するわけではないけど(てか、言い訳するけど)、この日は朝から変だった。まず、朝、いつも通りに準備を整えてから部屋を出て、いつものコンビニでいつものサンドウィッチとかを買って地下鉄の駅に向かったのだけど、①ここで定期券を忘れたことに気づいて部屋に戻った。このとき、予定電車発車まであと9分。部屋が駅から近いからなんとか間に合ったけど、朝から走った。次に電車に乗ったのはいいけど、②乗り換え案内アプリの指示を無視して定期券利用を優先したルートをとってしまったため、次に乗ろうと思っていた新幹線に危うく乗れないところだった。そしてまた走った。安心したのも束の間、新幹線を降りて乗り換え電車に乗ろうと思ったんだけど、③アプリの乗り場表示を信用しすぎて、実際の乗り場が違っていることに気づかず、乗ろうとしていた電車を乗り過ごしてしまった。結果、1時間、駅ナカのプロントで時間を潰した。ようやく電車に乗れて、その後、バスに乗り継ぎして、歩いて、ようやく登山口に到着したが、気が焦っていたためか、④登山道を見つけることができず、行けるかもと思って林道をひたすら登ったが、行き止まりに着いたところで、「やはり、ダメだったか」と、観念した。結果、30分くらいのロス。心もそれなりにやられました。

このあと、登山口まで戻り登り始めたが、帰りのバスの時間を考えると微妙になってきたので、「今日は行けるところまで行こう」と、方針を定め、ピークハントではなく、山歩きを楽しむことに専念した。とはいえ、歩きながら考えていると、そもそも今回の山歩きは、数日前に急に思い立ち、2日前にこのルートにたどり着いたくらいだから、情報収集不足は否めない状態での決行だったなと、やっぱり自分の性格からして、じっくりと考え抜いてからの計画ができなかったことにもともとの原因があったのかなと、反省山行になってしまった。

さてこの山、まずは沢沿いの登山道をぐいぐい登っていくのだが、その後、尾根にたどり着くと谷から出たこともあって、周りが明るくなり、すると目の前にドーンと岩壁が目に入ってくる。

久々に岩壁を目の前にしてテンションが上がってくるが、見るだけではなく、ここから登山道も一変して、岩登り要素が加わってくる。随所にロープ、鎖場、ハシゴが出てきて、久しぶりのよじ登り感をドキドキしながら味わうことができて、一人静かに感動した。

その後、急登が落ち着いてからも岩尾根や、やせ尾根といった感じが続き、ハアハア息を弾ませる山歩きとは違う山登りを楽しんだが、残念なことにだんだんと折り返しの時間が迫ってきた。六号目にたどり着くと、山頂まで1kmとの表示。往復でおそらく1時間、行こうと思えば行けないことはない。ただし、最終バスの時間はギリギリだ。

来るときに乗ったあの乗合バス的なあの超ローカルバス。途中のバス停で、時刻よりも早く通過する可能性は十分にある。そんなことを考えると、ここで戻ることが正解なのだろうと判断し、戻ることとした。岩や崖のある興味深い山域で、このあとのコースには未練が残るけど、いま、ここで山にいるだけで十分に楽しめてます。あまり欲深くすることは、いいことはない。これまでの人生で得た教訓をここで思い出し、戻りの山歩きを楽しむこととしました。

下りはゆっくり慎重に歩いた。鎖場も落ち着いてしっかりと降りることができたし、後半はポールを出して、安全第一で歩いた。六号目の判断は、こうした心の余裕面にも影響していると思う。やはり山歩きは、余裕を持った行動がいいと、歩きながら何度も自分に言い聞かせた。

その後、無事に登山口を出て、あとはバス停までのロードを約40分歩くだけ。舗装道歩きではあるが、周りは山。道路沿いに続く小さな集落も普段目にすることのない光景。里の季節は秋真っ盛り、木々の葉も少しずつ色づき始めている。こんな歩きも悪くはない。自分もいずれ、体力が落ち、山歩きができなくなるかもしれない。

でも、こうした歩きなら続けられるかも、そんなことを考えていたら、後ろから来たクルマが目の前で止まり、「乗って行きませんか」と、誘ってくれた。たしか、登山口に停まっていた車だ。自分より先輩と思われる優しそうな男性、ご好意に甘えることとして、同乗させていただいた。行き先を告げると、同じ方向のようだったので、途中まで乗せていってもらうこととなり、車の中で話を伺うと、地元の方らしく、山は毎週歩いていて、三ツ瀬明神山は、若い頃から何度も登ったということ、仲間と一緒に日本全国の山もいろいろ歩いていることなど、初めてお会いする方なのに、山という共通の話題で話が弾んでしまった。こんなところでも、山っていいなとジーンとくる。結局、来た時の駅よりもずっと家に近い側の駅近くまで送っていただき、また、どこかの山でお会いできるといいなと思いながら、別れを告げた。それにしても、本当に助かった。

こうして、この日の山歩きは、いろいろあったが、楽しく終えることができた。ああ、山って、本当にいいなと、毎回、胸のあたりが暖かくなります。

さて、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 04:33 距離 11.5 km 登り 740 m 下り 729 m


2023年10月25日水曜日

思いのほか充実『各務原アルプス』縦走

夏山登山を断念せざるを得なくなり、しばらく傷心していたが、今年の猛暑と戦っているうちにいつの間にか心の傷も癒えたようで、ようやく涼しくなってきたかと思えば、暦はすでに10月。前回の山行からすでに2か月以上経っていたので、先日ようやく、「そうだ、山に行こう」と思い立ったので、早速計画を立てることとした。鈴鹿山脈はまだ山ビルが怖いから(かといって、この辺の山域が安全かどうかは分からないけど)、とりあえず岐阜県側の山を狙うこととした。

例によってWEBでまとめサイトやブログ、各種山行記録を物色し、日帰りで行けて、できるだけ景色が良さそうな山を探した。そうはいっても、近場でハートに刺さる山がそうあるわけでもなく、しかも下山後は温泉にも入りたいというわがままなおじさん(自分のこと)の要望に応えられるには、もはや「山行コーディネーター」みたいな専門職にお願いするしかないだろう。もちろん、そんな人がいればの話だが(苦笑)。

さて、いつものことながら前置きが長くなってしまったが、結果的に選んだ山は、『各務原アルプス』。なぬ、アルプス?と思うかもしれないが、いわゆるご当地アルプスで、ややマイナーな山域かもしれないけど、今回はこの山域を縦走登山することにした。標高は低いものの、全9座(Wikipedia情報)を縦走する山旅なので、それなりに楽しめるはずだし、自分が住んでいる場所からそう遠くもなく、アクセスが電車のみで登山口に行けることも自分好みと、一旦いいなと思えばいいとこしか見えてこない。山選びなんてそんなものなのかなと思い、さっそく準備に取りかかった。山行前日での天気予報はまあまあで、久々の山行に心躍らせながらもしっかりと眠りにつき、当日の朝を迎えた。

朝、部屋を出ると縁起よく空はきれいなモルゲンロート、良い予感しか感じないまま、電車をいくつか乗り継ぎ、歩き始めとなる坂祝(さかほぎ)駅に降り立った。周りに人はいない。この時、朝7時半。小さな集落を山に向かって歩いていくと、向かう先に見える小高い山の頂上には、簡易な城のような建物が見える。まさか、あそこに登るのか?そう思っていると、ルートの途中に猿啄城(さるばみじょう)跡との目印があるではないか。やはりそうだ。

しばらく歩いていくと登山口が見えて、ようやくこの日の山歩き第一歩を踏むことに。ワクワクしながら木々に覆われた薄暗い登山道に入ると、中は普通に整備されていて、歩きにくさも感じることないようだ。まずは九十九折りの急登を上がっていく。樹林帯が続くが、この日は基本ずっと樹林帯を歩く標高300メートル前後の縦走路。でも、樹林帯続きの登山道で、たまに展望が開ける、そんな山歩きもたまにはいいもの。

そんなことを考えていると、すぐに最初のピーク、城山に到着。思ったとおり下から見えたあの簡易な城のような建物が立っていましたが、どうやらこれは展望台のようです。登ってみると眼下の町並みや遠くの山も見えます。この日は(この時は)晴れていたので、最高の見晴らしで、400年くらい前にどこかの武士が、ここから敵の来襲を監視しながらこの同じ景色を見ていた思うと、こうした低山縦走もなかなかオツなものだなとも感じます。

その後、繰り返すアップダウンも無難に越えて、そのたびに城跡があったり、お寺や神社があったり、今回の山行はまるで歴史探訪のような山旅です。コース状況はというと、おおむね整備されていて、迷うこともないし危険箇所もありません。場所によってはハイキング気分で歩けるほど安全なコースもあります。あえて言うのであれば、たまにガレた箇所があるので、下りには注意が必要です。浮石に上がってバランスを崩して地面に手をつけたりすると、裂傷を引き起こす可能性はありますね。そこはやはり山歩きなので、慎重に歩く必要がありますし、念のためグローブを装着することをお勧めします。

そしてこのコース、思ったとおりところどころにある山頂や、展望台と名がつく場所では、樹林帯歩きが続く中にあって、見える景色にホッとさせられます。また、一つ一つのアップダウンはそれほど大きいものではありませんが、距離に応じてそれなりに回数をこなすので、徐々に足に効いてきて、最後の方は足がぱんぱんになりました。途中、トレッキングポールを出して使ってみたけど、このツール、改めて実に素晴らしいと感じました。使う使わないでは、体力消費に格段の差があると実感できたので、山に行く時は持ち歩くべきですねトレッキングポール。

ただ、権現山からの下りは、崖なのか沢なのか分からないくらい急で荒れていて、ロープがあるからおそらく登山道なんだろうなと思うくらいの見た目。そんな急坂を踏ん張りながらゆっくりと慎重に下りた後に登り返すこととなる北山への直登は、本当に堪えました。数歩登ってはハァハァ、ゼェゼェと息を荒くして休憩し、また登る。そんなことを繰り返して登り終わった時には、まるで本物のアルプスを制したかと思うくらいの達成感(言い過ぎか)。山頂では、すぐさま休憩したかったんだけど、ベンチを探しても見当たらず、しょうがなく地べたにマットを敷いて休憩しました。正直、立っていられなかったんです。

そこで少し休憩を済ませた自分は、そのあと尾根なのか頂上が繋がっているだけなのか分からない登山道をしばらく歩くと(各務原)権現山という表示が現れ、「ああ、次のピークに来たのか」くらいの拍子抜けを受け、東屋やベンチが整っているのをしらけた目で見過ごしながらも神社があることに目が止まり、ならばと、道中の安全に礼を言うとともに無事下山できることを祈り、いよいよ最後の下りコースに向かった。

途中、最後の下りコースとはいいながらも、若干の登りもあったりして、登りの満腹感に嫌気もさしたが、怪我をすることもなく無事に伊吹の滝まで降りてくることができた。

ああ、ご苦労様、といいたいところだが、この日の目的地はまだ先。事前に調べておいた温泉です。涼しくなったとはいえ、この日は何リットルの汗をかいたんだろうってくらい、とにかく汗をかきました。とにかく体中、汗だくです。こんな状態のまま電車に乗るのはマナー違反でしょという口実を使い、目指すは入浴後のビール、この目標があれば、まだまだ何キロも歩けます。

とはいえ、すでにパンパンとなった足を引きずりながら、稲刈り風景がのどかさを演出する田んぼに囲まれた道を歩くこと約30分、距離にして2kmくらいでしょうか、目指す美人の湯に到着。疲労回復にも効果があるという温泉で身体を癒したあと、館内のレストランでいただいたビールが美味かったことは言うまでもありません。これだから山はやめられませんね。

さて、次はどの山歩こう。


▽ ヤマレコ情報(山行記録にリンク)

GPS 08:33 距離 18.6 km 登り 1351 m 下り 1366 m


2023年8月26日土曜日

夢と散った夏山登山

この一年、着々と計画を練ってきて、体力強化とか、コース選定とか(ちなみに夏山フェスにも行って山小屋の人にも相談した)、高速バスの予約とか、山小屋の予約も解禁日の朝イチに取ったし、下山後の温泉宿も取っておいた。直前にはトレーニングのしすぎで、珍しく膝も痛めたから、サポーターも買ったし、整形外科で山行中にも服用できそうな痛み止めまでもらってきた。

なのに、あの台風7号、なぜこのタイミングであのコースでやってきた(怒)。ギリギリまでいろんな天気予報サイトと睨めっこしたが、無駄だった。何もかも無駄になってしまった。断念することを決めた時は、全てが終わったと、放心状態になりながら、各種、キャンセルの手続きを進めたようだが、今となっては、その時の記憶が定かでない。

今もまだ、これから何を目標にして生活していけばよいのか、考えられないし、まだ考えたくもない。

ちなみに自分が歩こうと思っていた山域は、こちらなんです。山歩きは、半ば天候との戦いのようなものであることは分かっているが、それにしてもそりゃないよ、お天道様。そして、さよなら雲ノ平(涙)。


時間 27:24  距離 53.7 km  登り 3,808 m  下り 3,797 m(4泊5日テン泊山行)