トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2020年11月1日日曜日

渋滞山『日光白根山』

下山時に撮った一枚。山頂部の三つのドーム状地形が特徴的

 コロナ禍、GoToトラベルを利用したことのなかった我が家としては、一度は利用してみたいものだと、どこに行こうか考えていたところ、ちょうど家内が丸沼高原のゴンドラ券を2人分もらってきたので、であれば関越道の付近がよいかと方向性は定まった。もちろんゴンドラを利用しての『日光白根山』を歩いてからの泊まりである。この山は一度歩いたことがあるが、その時の印象としては、とにかく人が多く、賑やかな山で、山歩きにどちらかと言えば静寂を求める自分としては(普通そうかな)、あまり気乗りのしない山であった。とは言っても、せっかくのGoToトラベルとゴンドラ券、お得感満載の山旅企画を自称ケチ男の自分が手放すわけもなく、善(?)は急げと言うことで、その週の週末に行くこととした。GoToトラベルを利用するには、まずは旅行会社を通じてホテルを予約する必要があるので、最近ハマっている「YYねっと」で検索したところ、該当地域に温泉旅館が一部屋だけ空きが残っていた。激安サイトで最後に残った部屋がどんな部屋なのかと、やや不安を覚えながらもポチッとして当日を待つこととした。

公式サイトはこちら。

出発の朝は意外にも晴れ。早い時間にもかかわらず通行量の多い関越道をゆっくりとスタートし、沼田インターからの日本ロマンチック街道もそこそこスムーズに通行でき、朝の9時前にはゴンドラ乗り場に到着した。当のゴンドラ乗り場はというと、それほど長い行列ができているわけではなく、渋滞の不安は思い過ごしかなと一瞬思いつつ、全長2500m、高低差600mをたった15分で一気に登った。いや、運んでもらった。実に楽ちんである。

新しくロープウェイのセンターステーションができていた

頂上駅を降りて、二荒山神社で山行の無事を祈り、すぐ脇にある登山口に入った。登山道は、最初の200〜300mくらいだろうか、砂利が敷き詰めてあって、なんとも残念な感じはあるが、そこを過ぎるといよいよ山らしくなってくる。今回のルートは山頂駅から七色平分岐経由で山頂を目指し、帰りも同じルートで下りてくる最短ルート。何せ運動不足なもので、このくらいが適当かと思い、このルートに決めた。我ながら情けない...。

歩き始めは残念な砂利道登山道...。

ルートの大半はトラバースと言っていいのかもしれない。多少のアップダウンはあるものの、基本、シラビソ、ダケカンバ、白樺などが混じる緩やかな樹林帯を余裕を持って歩いていくことができる。2時間ほど歩くと九十九折の登りが始まり、30分もかからず森林限界に達するが、どの山を歩いてもそうだけど、この樹林帯を抜けた時の開放感は実に気持ちがいい。ただ、楽をして高山を味わおうとした身としては、森林限界に達して初めて見える山頂付近までのそれなりの距離感によって、開放感のすぐ後に脱力感を覚える人もいるようだ。家内がまさにそう。久々の山歩きで体力をそこそこ消費した登りで迎えた森林限界。多少の達成感を得られた直後の現実にややヤラレタそうです。

森林限界に達した光景。山頂はまだまだです。

森林限界のあたりには、名は知らぬ低木や高山植物がたくさん生えていて、どれもその体に真っ白な霧氷をまとい、それが陽の光に当たりキラキラと輝いていた。この季節ならでわのプレゼントに思わず穏やかな気持ちになる。ふと気づくと空は青く、風が少し当たるようになり、周りには達成感を得たためか、それとも脱力感から抜け切れないでいるためか、たくさんの登山者が休憩をとっていた。見上げると山頂に向かう登山道は、色とりどりの小さな粒となった登山者が数珠つなぎで山頂へ向かっている。ちょうどいい頃合いなので、自分たちもここで小休止してから再び気合を入れ直すことにした。

霧氷が日に照らされてキラキラしてました。

小休止後の登山道は火山にありがちな、いわゆるザレ場の登山道で、一歩前に踏み出しては三分の一後ろにずり落ちることの繰り返し。「こういうものなんだ」と割り切って歩かなければ心が折れそうになる登山道。とにかく一歩一歩、着実に少しずつでも前進することを無心で繰り返す。そうすると、ふと気づくと高みに上がっている。自分が登山で得た教訓もそう、やや大袈裟かもしれないけど、人生にとってもそうした考えはとても大切だと思う。一歩一歩、着実にである。

ずいぶんと登ってきました。山頂はもうすぐです。

ただ、そんなザレ場もそう長くは続かず、最後の急登に取り付く。際立つ危険箇所もなく、気づけば登山隊のような列の一部になっていた自分たちも、彼らとともにゆっくりと目前の山頂を目指す。登り切ったところが山頂、と思いきやさらに向こうに高みが見える。えっ?どういうこと?そういえばこの山、ロープウェイ山頂駅から臨む山頂部分が三つのドーム状に分かれていたことを思い出す。ということは、向こうの高みが本当の山頂ということか。ただ、その山頂を望むと記念撮影のためか長蛇の列。しかもさらに次々と山頂に向かって登山者が岩をよじ登っている。もっと言えば、山頂に向かうためには、一旦20mほど下ってから登り返さなければならない。自分は大丈夫だったけど、家内はすでに気持ちが切れてしまったらしく、「2度目の山だしね」と、あっさり登頂は諦めた。まあ、それでも十分に満足した様子である。

この様子を見て、家内は萎えてしまったようです。

その後、風を避けるため、昔の火口跡だろうか、窪んだ円形状の広場のような場所でお昼ご飯のカップ麺を食べ、おそらく氷点下近傍だろう凍える場所には長居は無用と、準備してきたコーヒーを飲むこともなく、下山することとした。下山時にもまだまだたくさんの登山者が登ってくる。驚いたのは、今から登頂を目指したら確実に下りは日が暮れるだろうという時間に登ってくる、いかにも登山初心者の皆さん。さすがに途中で引き返すんだろと家内と話をしながら、すれ違った後の彼らの後ろ姿を眺め、どうか無事に下山できますようにと心の中で祈った。

登山道はシラビソの森。人がいなければ静かなはずなのですが...。

自分たちといえば、まあ、難なく下山を果たし、ロープウェイ山頂駅に到着。振り返り改めてこの山の全容を眺め、「なんだかんだ言って、大きな山だったね」と、家内が一言。確かにそうだ。関東以北最高峰、2578m。深田百名山にも選ばれているブランド山だ。しかもロープウェイで2000mまで運んでくれるので比較的楽に登ることができるのだから、老若男女、登山初心者まで気軽に訪れることができる山だろう。ただ、そうは言っても相手は立派な山、危険はつきもので、過去には滑落などの遭難事故も発生している。初心者の皆さん、どうか山を甘く見ず、しっかりとした準備で臨んでください。そうしていれば、必ずや山はあなたの味方になってくれて、楽しい山歩きができると思います。山は厳しいけど楽しいものです。

さて、次はどの山歩こう。

この日の宿の近く。お分かりだろうか。

ちなみに、この日の宿は温泉街の思いっきり外れにあるひなびた温泉旅館。案内された部屋は地下で、一晩中(おそらく)部屋の外からエンジン音に似た機械音が鳴り響いていたが、幸いにも疲れとお酒のおかげで寝不足になることはなかった。残り一部屋には十分に注意ですね。新たな教訓です。

【Start 9:18ロープウェイ山頂駅~9:59七色平分岐~12:12日光白根山山頂付近(昼食休憩)~13:58七色平分岐~Goal 14:32ロープウェイ山頂駅】
総行程は、距離約 7.2km、出発地点標高1990m、最高標高2578m(山頂付近)、最低標高1990m(出発地点)、移動平均速度 約1.4km/h、総所要時間5h14m(recorded by garmin、4時間10分コースのはずなのに...)

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