トレッキング初心者が始めちゃったブログ

【ここだけの話】『トレッキング初心者が始めちゃったブログ』 と、タイトル設定したけど、今のところ主な活動は、「山登り」、「山歩き」、要は登山ですね。これが実に楽しい。タイトル下にも書いたけど、本当に不思議なくらいにこの世界に引き込まれていく自分が突然として顔を見せた。自分はいい年齢(トシ)なので、余り危険なことをする気はないけど、若いうちにこの世界を知っていれば、もしかしたら冒険心みたいな気持ちに灯がともってしまったかもしれない。この「山の世界」、かなりお勧めである。

2019年3月30日土曜日

軽登山用靴『THE NORTH FACE Creston Mid GORE-TEX』(クレストンミッド)

はじめてのノースフェイス。どうだろうこのカラー、とても気に入ってます。

先日、職場の仲の良い先輩が「登山に連れて行ってくれ」と言ってきた。おそらく自分がいつも山歩きのことを楽しそうに話をするものだから、一度、歩いてみたくなったのだろう。その先輩とは4月に入ったら奥多摩を一緒に歩こうということになった。ほぼ登山初めての先輩には、少なくとも登山靴は用意してくれとお願いし、そんなに高価なものでなくてもいいからとか、できればくるぶしが隠れるタイプのものがいいからとか、登山靴について説明していたら、なんだか自分の「買いたい虫」がむずむずとうずいてきた。
はじめは先輩のためにとネットで軽登山靴を調べていたが、最近の靴、いい靴がたくさんあるじゃないですか。しばらく登山靴をチェックしていなかったので、その新しいラインナップにすっかり魅入られてしまった自分。たまらず、先週末、お得意様の山系ショップで登山靴を購入してしまった。自分、重登山靴しか持っていないし、これからも家内と日帰り登山をする機会が多くあるだろうし、やはり軽登山靴が必要だ。と、新しい登山靴が必要だという理由を自分に言い聞かせ、この購入は正しい行動だったと無理やり納得させた...。
前書きが長くなってしまったが、購入した登山靴はTHE NORTH FACEの『Creston Mid GORE-TEX』(クレストンミッド ゴアテックス)。これに決めた理由は、まず、ノースフェイスの靴が欲しかった。NHKのグレートトラバースの田中陽希さんがモデルは違うけどノースを履いていて、前々から「ノースもいいものだな」と思っていた。次にノースの中でもこれに決めた理由は、履いた時のフィット感。ノースの靴といえばやや細身の印象があり、幅広の自分の足には合わないものと思っていたが、このモデルは日本人に合わせた足型を使っているそうで、これが自分の足にぴったりくるのだ。そしてなんといっても、このカラーに惹かれた。結局、色?と言われるかもしれないけど、とにかくそこが気に入ったのだから、しょうがない。自分、見た目に弱いのだ。
そうはいっても、この靴、片足が550gしかない。いま履いているAKUのテッレアルテが810gだから、相当軽い。テントを担いだガチガチの縦走系登山には向かないだろうけど、軽登山にはぴったりだろう。さあ、今度の山歩きが楽しみだ。

ソールはそれほど剛性が高くないと思うが、登山目的に合わせれば十分。

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2019年1月14日月曜日

2019年初歩き『雲取山』日帰りピストン

最後の登りを前に山頂方面を眺める。避難小屋がいつものように静かに佇む。

2019年、今年最初の山歩きは我がホームグラウンド、奥多摩は雲取山とした。コースは鴨沢からの日帰りピストン。それと、七ツ石神社が復興したらしいので、そこも拝んでおこうと思った。
この時期、日が短いので歩く時間は限られている。だから、歩き始めは早ければ早いほうがいい。しかも雲取山の日帰りとなると、なおさらのことだ。ということで、始発電車を乗り継いで、鴨沢の登山口に着いたのは6時半過ぎ。身支度を整えて歩き始めたのは7時前。帰りのバスは14時44分か16時3分。その後の移動のことを考えると早めに帰りたいところだが、時間優先で歩くと事故につながりかねないので、やはりいつも同様に無理せずマイペースで歩くことに。とは言っても、この日はトレーニングも兼ねた山歩きなので、いつもより早めのペースで歩くこととした。

朝7時前の鴨沢バス停前。ようやく辺りが明るくなってきた。

鴨沢から登るのは初めて雲取山に登った時以来だから、7年ぶり。下りにはよく使うので見慣れているけれど、下るのと登るのとでは同じ登山道でも印象がやや違ってくる。こんなところに木階段あったっけ、この廃屋、こんな雰囲気だったっけ、この分岐、こんなに遠かったっけ、そんなことばかり。それと、今回歩いて目に付いたのが、昨年の秋に登山口付近で起きた連続滑落事故を受けてのたくさんの「滑落注意」の札。恐らく事故現場であろう場所は、それほど危険なところには見えないけど、やはりこうした事故は色々な条件が重なって偶発的に起きてしまうのだろう。
そんな簡単なことではないのだろうけど、少なくとも山では、あらゆる面で油断禁物ということなんだと思う。

自分、ここまで2時間半かかってしまった(この後2時間で山頂に着いたけど...)

そんなことを思いながら、この日の山歩きは順調に先に進んでいく。久しぶりの山行なのに、なかなか調子がいいみたい。ようやくブナ坂までたどり着いたが、ここまでで3時間。ここからは大好きな石尾根縦走路。風もない青空の下、石尾根歩きを存分に楽しむこととした。もちろん、油断は禁物ですが...。途中、今年の3月で閉鎖となる奥多摩小屋の前を通ったが、一張りの幕営もなかった。そういう季節なのか、小屋閉鎖が影響しているのかは分からないけど、なんだか寂しい光景だった。

奥多摩小屋前のテン場。一張りもない不思議な光景。

ブナ坂から雲取山山頂に至るまでにはおおよそ4か所の急坂があるが、そこも難なくクリアして山頂にたどり着いたのは11時。途中、凍結地帯もほぼなく、あってもアイゼンは必要なかった。「まあまあいいペースかな」と思いながら、周りを見渡してみると、あんなに晴れていた空には灰色の雲が覆い、いかにも寒々しい光景が広がっている。この時、気温は氷点下2℃。富士山も見えないし、長居は無用と、山専に入れていたお湯を、準備していたスーパーカップに注いで速攻で麺をすすり、早々と山頂を下りた。時間は11時半。

避難小屋前から石尾根を見下ろす。空はいつの間にか雲に覆われてしまった。

こうなると、14時44分のバスが見えてくる。ということで、下りはお得意の「重力利用小走り歩行」とでも言おうか、ちょっとした坂道をその勢いを利用して、あえて小走りをする歩き方だが、そんな歩きで時間を稼いだ。ぐいぐいと石尾根を下る。もちろん、そうはいっても細心の注意は払ってのこと、でも、この日は集中力は切れなかった。あっという間にブナ坂まで下りて、今度は七ツ石山へ登り返し。この時も疲労は感じなかった。今日はどうしたのかと思いながら、七ツ石神社の真新しいお社で帰りの安全を祈願した。

きれいになった七ツ石神社。安全祈願をしっかりとしてきました。

この後、本当は七ツ石小屋の前を通るショートカットでさらに時間を稼ぎたかったのだけど、どこで間違ったのか、巻き道まで引き返してしまった。この時間ロスが、さらに重力利用小走歩行に拍車をかけることとなり、ほとんどトレラン状態で一気に鴨沢まで駆け下りた。途中の滑落現場ではさすがに慎重に歩いたけど、この日の自分、絶好調であった反面、よく事故を起こさなかったものだと、下りてから反省。そう、山で事故を起こすも起こさないも紙一重なのだと思う。無事に帰ってこれたことをラッキーだと思った方がいい。登り始めに思ったとおり、時間優先はよくないね。でもまあ、おかげでこの日は14時44分のバスに間に合ったのだけれど...。
さて、次はどの山歩こう。

【Start 6:56鴨沢バス停~8:40堂所~9:50ブナ坂~11:02雲取山山頂~12:08ブナ坂~13:24堂所~Goal 14:28鴨沢バス停】
総行程は、距離約 25.1km、出発地点標高536m、最高標高2017m(雲取山山頂)、最低標高536m(出発地点)、移動平均速度 約3.3km/h、総所要時間7h31m(recorded by garmin)


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2019年1月12日土曜日

2019年の山歩きに向けて

甲斐駒山頂から望んだ日本の山TOP3(富士山、北岳、間ノ岳)。

先の年末年始、意外にもやることが多くて、毎年、掲載していたその年の山歩きを振り返る記事を掲載し損ねてしまった。今さら振り返りをタイトルにするのも変なので、今年の山歩きの展望についての記事に合わせて昨年の振り返りを書くこととした。
早速だが、昨年は山行13回で、踏んだピークは27座(生涯山行74回、165ピーク)。おおむね、月に1回山歩きをしたこととなる昨年。うち前半6月までに9回歩いていた。これはやはり天候の影響かな。昨年後半は天候が崩れる日が多かったからね。

仙丈ケ岳山頂まであと30分の地点。画像にはないが右側の藪沢カールが美しい。

昨年の山歩きで最も印象に残っているのは、何といっても南アルプスは仙丈ヶ岳甲斐駒ケ岳。自身初となる3000m峰の仙丈ヶ岳は、その山容が雄大で、登山道には高山植物の花々が咲き乱れ、まさに南アルプスの女王と呼ぶにふさわしい山だった。中央本線から見える勇姿に憧れていた甲斐駒ケ岳、実際に歩いてみると、屈強な直登コースに手こずったが、山頂にたどり着くと霊峰としての神聖な雰囲気に息を飲んだ。どちらの山も個性的で素晴らしかった。ベースキャンプとした長衛小屋の幕営での2泊3日の山旅は、今考えると遠い夢のよう。

長衛小屋のテン場は、カラフルなテントでいっぱいだった。

今年、狙っているのはやはり南アルプスや北アルプスの縦走旅。また、八ヶ岳も全山制覇したいな。今年のGWは10連休だから、天候さえよければどこかを歩いて来ようと思っている。いずれにして、今年もまた新しい山旅に挑み、自分の心に多くの思い出を刻み込みたいと思っている。さて、今年はどの山を歩こうか。

今年はこの3000mの峰々を歩いてみたい。

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2018年12月1日土曜日

極寒『行者小屋』キャンプ

白く輝く八ヶ岳。目が離せません。この景色を見ながらのビール、最高でした。

先週、せっかくの連休ということで、選んだのは八ヶ岳は赤岳。今回は家内も一緒だったので、負担を減らしてあげようと思い、マイカーで登山口を目指した。しかも、美濃戸まで。赤岳はこれまでバスでしかアクセスしたことがなかったので、今回は初めての車。幸い目指す赤岳山荘はカーナビに載っていたので、ルートは問題なかったが、問題は美濃戸口からの悪路。我が愛車は1000ccクラスのコンパクトカーで、小回りには自信があるが、車高が低いので、ワイルドな林道はかなり苦手。時速10km/hにも満たない速度で、大きな凸凹道をそろりそろりと走ること30分間、なんとか美濃戸にある赤岳山荘の駐車場にたどり着くことができた。それにしても思い出すだけでも冷や汗が出てきそう。1時間の歩きを減らすことはできるものの、美濃戸までのマイカーでのアクセスは考えものだ。

南沢も北沢も歩き始めはいつもここからです。

美濃戸からは気を取り直して楽しい山歩き。今回は行者小屋でテン泊を計画していたので、南沢ルートを歩いた。これまで美濃戸からは北沢から上がって南沢から下りるパターンだったが、今回初めて南沢から登ってみた。この南沢、改めて歩いてみると、登山道がごつごつとした岩だらけでかなり歩きにくい。今回もザックには夕飯用の鍋セットと2人分のビール8本にパック酒5号までしっかりと背負ってきたため、総重量も20kgオーバー。自分ら、山歩きも楽しみだが、山で飲むお酒も同じくらい楽しみなのである。そんな訳で岩がごつごつの登山道は足に来る。それにしても噂には聞いていたが、この登山道、今年の秋の台風に相当やられたようで、谷の様相が変わっていた。いたるところに上流から流されてきたのであろう流木が溜まっていたり、新しい橋がたくさんできたりしていた。復旧に携わった方々のご苦労が窺われる。

沢はどこも荒れてました。この橋も今年設置したのかな?

歩き進めると山が白くなっているのが見えてきた。霧氷だ。山の景色に白が際立ち、とてもきれいで見とれてしまう。重い荷物を背負って歩いているので、寒さは感じなかったが、温度計を見ると-1度。時間は11時。山が見えたということは行者小屋はもう間近なので、疲れ始めていた足に再び力が湧いてきた。そして歩くこと3時間半、ようやく行者小屋に到着。

阿弥陀岳分岐から見上げた赤岳。もはや雪山の様相。

ベースキャンプを整え、さっそく赤岳に向かった。山から下りてきた登山者に山頂付近の状況を聞いてみると、雪はうっすらと積もっているだけなので、アイゼン無しでも大丈夫だという。文三郎尾根を進んでいくとだんだんと足元に雪が見え始めてきたが、確かに深さはなさそう。ただ、歩を進めるうちに家内の様子がおかしくなってきた。歩くペースが極端に遅くなっている。聞いてみると気分が悪くなってきたのだそうだ。呼吸が苦しくなり、それに伴い吐き気が出始めているのだという。家内は以前にも同じ症状が出たことがあった。金峰山(2599m)を歩いてた時のことだ。まさかとは思うけど、高山病?と思った。この時、歩いている地点はおよそ2500m付近。果たしてこの高度で高山病になるものだろうかと、この時思ったが、後で調べてみると、人によっては2000mくらいから症状が現れるらしい(Wiki情報)。こんなわけで、この日は登頂を断念したわけだが、山の楽しみはピークハントだけではないと気持ちを切り替えて、ビールの待つベースキャンプを目指した。

文三郎尾根の登山道。足元が滑らないように注意が必要です。

ベースキャンプに戻った自分たち、さっそく白く輝く赤岳や横岳、阿弥陀岳を眺めながらの山見酒。山のことについてあーだ、こーだと話しながら山を見てビールを飲む。そんな最高の時間をずっと過ごしていたかったけど、時間が進むにつれてだんだんと底冷えがしてきたので、続きはテントの中でということになった。この時、17時で気温は-6度。少し時間は早いけど、テントに入ってシュラフに体半分を入れて前室部分で鍋を炊いた。やはり外にいるのとは暖かさは段違いで、温度計を見ると0度くらい(それでも、そのくらい!)。持ってきた日本酒をシェラカップに入れてバーナーで熱燗にした。寒いところで飲む熱燗は格別。って、なんのレポートか分からなくなってきたが、この日は早めに就寝。この時使ったシュラフは、家内がイスカ・エア630EX(-15度リミット)で、自分はモンベル・アルパインダウンハガー#3(0度リミット)にシュラフカバーのセット。さすがに深夜から朝方にかけては薄ら寒くて熟睡はできずに何度も起きたが、こうしてブログを書いているということは生きて帰ってこれたということ。テン場には他にも10張りくらいのテントがあったが、朝方、どなたかが言っていたが、-10度を超えていたらしい。寒いはずだ。でも、思わぬ極寒キャンプを味わえることができた。

行者小屋のテン場。この後、しっかりと集金された。

2日目は、やはり登頂は目指さないこととして、その代わり北沢を経て下山することとした。キャンプ撤収直後、家内の身体の冷えがなかなか戻らなかったので、赤岳鉱泉に寄って、コーヒーをいただいてきた。午前中の赤岳鉱泉は登山客はすべて出払った後で、スタッフの方々が忙しそうに掃除をしていた。山小屋の誰もいない広々とした食堂で2人コーヒーを飲むという贅沢な時間を過ごし、身体も暖まってきたので、改めて歩き始めたが、北沢もやはり台風の影響が大きかったようだ。修復がまだ済んでいなかったようで、途中から山の中に入っていく旧道を歩くこととなったが、初めて歩くコースだったので、これはこれでなかなか良かったかな。後で見た鉱泉日誌によると、この日の午後に北沢ルートが復旧したのだそう。運がよかったのか悪かったのか...。

赤岳鉱泉のアイスキャンディ。山もようやく冷えてきたから完成は近いか?

ちなみに赤岳山荘駐車場から美濃戸口までの移動は、恐れていた車のすれ違いもなく、無事に下りてくることができた。やっぱり、次来るときは美濃戸口から歩くことにしよう。そう思った。さて、次はどの山歩こう。

【1日目:Start 8:17赤岳山荘駐車場~南沢(青線)~11:42行者小屋12:14~13:05文三郎尾根2553m地点~13:47行者小屋、2日目:不詳(garmin電源切れ...)】
1日目の行程は、距離約 6.3km、出発地点標高1673m、最高標高 2553m(文三郎尾根途中)、最低標高1673m(出発地点)、移動平均速度 約1.3km/h、総所要時間4h58m(recorded by garmin)なお、2日目の距離は約5km(赤線は予定ルート)


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2018年10月28日日曜日

栗城史多さん、改めてご冥福をお祈りいたします。

享年35歳、若くしてこの世を去った栗城さん、改めてご冥福をお祈りします。

栗城 史多(くりき のぶかず)、今年、エベレスト南西壁ルートからの単独無酸素での登頂チャレンジにおいて、途中、無線連絡が途絶え、捜索隊が遺体を発見した。5月21日のことだ。体調を崩して下山途中に滑落死したと報道されている。
心ない一部の者から「下山家」などと揶揄されるほど、彼はエベレストとは相性が良くなかったようで、単独無酸素という無謀とも言えるその登山スタイルもあってだろう、8度の挑戦の甲斐なく、結局、登頂を果たすことなく、この世を去った。
昨日、栗城さんの追悼ギャラリーに行ってきた。老若男女問わず思ったより多くの人が訪れていて、人気の高さを改めて認識した。

たくさんの方の応援を得てエベレストに挑戦したのだろうだが、本当に残念なことだ。

そんなこともあり、山での危険と死について改めて考える良いきっかけとなった。エベレストの、しかも単独無酸素といった世界トップクラスの登山と、自分のハイキング程度の登山とを当たり前のことだが比べるなんて、とてもおそれ多く、恥ずかしいことだとは承知している。まったく、世界が違うのだから。ただ、子を持つ親として、山をやる仲間を持つ友として、その死を身近なこととして置き換え考えてみると、「冒険心」というある種の欲望なのか人間の本能なのか、あるいは見栄なのか、いずれにしても冷静に考えてみると命を軽く考えがちな行動は、自分本位であって、周りの人のことをまるで考えていない。

たくさんの方が、追悼ギャラリーを訪れていた。

一度きりの人生において、それがいいか悪いかなんて議論することは考えてはいないが、ただ、大事な人がいなくなるなんてやはり単純に悲しい。だから、自分はこう思う。「そこを進む前に大事な人の顔を思い浮かべてほしい」と、岩を登る前にそんなことを考える人間なんて、たぶん誰一人としていないと思うが、でも、例えば崖から落ちる瞬間には一瞬思い浮かべるのではないか。自分は、昔、海でおぼれて危ういところを人に助けてもらった経験があって、その時、もうだめだと思った時には家族の顔が一瞬、脳裏をよぎった。自分はたまたま命を失うことはなかったが、時すでに遅しとなる前に、どうか考えてほしい。そう思う。
ただ、栗城さんの場合、そんな思いもおそらくは届かなかったのだろう。冒険家というのは、そういうものなのかもしれない。ただただ、残念です。今となってはご冥福を祈るだけです。


こんなメッセージがあった。もしかしたらあの世でも挑戦を続けているかもしれない。

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2018年10月15日月曜日

山頂異空間『日向山』(ひなたやま)

頂上の様子。樹林帯の登山道から忽然と白砂の世界が現れる。

約3ヶ月ぶりの山行。最近思うが、いつ書いても結局、書き始めはこうなる。「久しぶりの山歩き」...。歩いたのは南アルプス前衛峰とでもいうのかな、低山ではあるが山頂が花崗岩の白砂で覆われていることで有名な『日向山』(ひなたやま)1660m。
真夏の日差しもいつの間にかなくなり、残暑の厳しさも秋の長雨により気がつくと秋のそよ風に変わってきたこのごろ。暑さが苦手な我が妻もようやく重い腰を上げ、活動の季節がやってきたご様子。鈍った身体をまずはほぐすために、簡単に歩ける山にしようということで、この山を選んだ。往復6km程度で4時間もあれば歩くことができるこの山。ネックは矢立石登山口のそばにある駐車場の狭さだけだ。ウェブの情報によると10台程度のスペースしかないらしい。もし、この駐車場に停められない場合には、片道50分の歩きが追加となる尾白川渓谷駐車場に停めなければならない。目標としては矢立石駐車場に朝の6時までに到着することだが、逆算すると我が家を出発するのは深夜となってしまい、これでは現実的ではないと、考えたのが前泊。どうせ自家用車で行くのだから荷物はある程度詰めるので、登山口近隣のキャンプ場に前泊して山に挑むこととした。これであれば安心して山歩きも楽しめるし、加えて久しぶりのキャンプも楽しめることができて一石二鳥。

前祝いの様子。野外で鍋とビール、最高でした。

とはいえ、出発日の前日にこのプランを思いついたので、準備にまごつき出発したのはお昼過ぎ。まあ、この日はキャンプ場で前祝い(なんの祝いだ?)するだけの予定なので急ぐ必要はない。キャンプ場は地図で見る限り尾白川渓谷駐車場のすぐそばにあるようなので、ナビをセットして家を出た。連休中日の中央道にはそれなりの量の車が走っていて、「皆さんどこに行くんだろうね」と、呑気なことを話しながら、目的地を目指した。インターを降りてからもナビ任せで走っていると、思ったよりも早く尾白川渓谷駐車場に到着。キャンプ場はどこかと、売店のおばちゃんに聞いてみると、関係者以外通行禁止と書かれている先の車一台が通れるかどうかの細いガタガタ道を進めと言う。マジかと思いながらもおそるおそる進んでみること約300m、確かにそこにキャンプ場の受付があった。想像していたキャンプ場と違うそこは、ファミリー用と言うよりも、山専。すでに張られているテントもほとんどが山用で、受付のおじさんが言うには、適当に車を止めて好きなところに幕営していいそう。あの細い山道を冷や汗をたっぷりかいて入ってきて、この山小屋風幕営地なのだから、一般の方にはあまり人気がないのだろう。しかもすでに16時を回っている時間、そうであればと、駐車場の一番奥に車を停めて、その前にテントを張り、そのまたすぐ傍にテーブルと椅子をセットした。ちょっとしたオートキャンプだ。すぐにでも前祝いを始めようかと思ったが(だからなんの前祝いだ...)、まずは近くにあるという甲斐駒ヶ岳神社にお詣りに行かなければと足を向ける。結構な山の中にありながら、しっかりとした、しかも歴史を感じる雰囲気のある甲斐駒ヶ岳神社で、翌日の安全を祈願する。毎度のことだが、ついでに家族のことも。
あとは、初めて使うMSRのステンレスクッカーで鍋を炊き、持参したビールとワインをそれなりにいただき、頭上に広がる星空を眺めながら楽しい会話をし(たはず...)、気分良くしてこの日は早めにシュラフに潜り込んだ。

白州の森にひっそりとたたずむ厳かな雰囲気の甲斐駒ケ岳神社

翌朝は4時起床で朝からカップ麺を頬張り撤収。まだ暗い中、周りの方に極力迷惑をかけないように、そろりそろりといった感じで車をスタートさせた。矢立石までは暗いながらも標識を確認できたので迷うことなく進むことができたが、この道もハンパなく狭い。帰りのことを考えるとやや気が重くなるが、そんなことを考えても仕方ないので前を向く。車は徐行状態で進みながら、約30分で矢立石に着いた。幸いまだ5台程度しか駐車してなく、スペースに余裕はある。うっすらと明るくなってきた中、時間を見ると5時40分。

早朝6時前、まだ矢立石駐車場は車が少ない。

早速、準備を整え、久しぶりの山歩きを始める。登山道はやはり樹林帯の中にあり、最初はヘッドライトをつけながらの歩きとなったが、これといって急勾配もなく順調に高度を上げていく。まあ、考えてみるとこのコース、ハイキングコースと紹介されているくらいで、山頂まで危険地帯は特になく、安全に山歩きを楽しめる。反面、山頂まで通してほぼ展望はなく上り一辺倒なのが辛い。2時間もかかることない短いコースだからいいものの、特徴のない登山道をひたすら登ることとなるので、やや飽きはくるかな。

登山道。途中、展望もなく樹林帯は延々続く。

それでも山頂手前の森を抜けた時の感動はなかなかのもので、そこには大きく開けた異空間が待っていた。この山が人気なのはこれなんだと、すぐに納得。残念ながら展望はほとんどなかったけど、山の中に忽然と現れた白砂の世界がまるで黄泉の世界感を思わせるような、不思議な感覚に陥ってしまう。目の前にあるであろう信仰の山、甲斐駒は厚い雲に覆われ最後まで姿を見せなかったけど、そこにいることは感じるし、まるで蟻地獄かのように切れ落ちている砂の谷は深く、恐らく昔からこの場所が霊的な信仰に関わってきた場所なんだろうと想像がついた。

深く切れ落ちる砂の谷。怖くて近づけない。

しばらく山頂付近を見て回って楽しんだあと、回復しそうもない天気に諦めをつけて下山の途についたが、あの山頂の景色は山を歩く者に拘らず一見の価値はあると思う。下山時には、次から次へと登山者とすれ違い、この山の人気ぶりを感じたが、特に登山口に下りた時の駐車場の車の数には驚いた。あの狭い駐車場に15台は停まっていたと思うし、車を走らせてからの途中の路肩にもさらに15台は停まっていて、さらに続々と車が入り込んできた。家内と二人、「早い時間に来てよかったね〜」と胸をなでおろし、ようやくこの日の山を振り返った。

山は雲に覆われて展望はほぼないが、家内は元気。

久々の山歩き、運動不足もあってやや足に疲れは出たものの、その疲れまでもが楽しさに感じられた。雲の多い山頂ではあったが、そこには自らの足を使って訪れなければ見られない、その日だけの絶景があった。こんな楽しい山なのになんでいつも「久々の...」なんだろう。これからはもっと歩くぞ、そんなことを思ったこの日の山歩きであった。さて、次はどの山歩こう。

【Start 5:38矢立石登山口~7:11日向山山頂7:56~Goal 9:15矢立石登山口】
総行程は、距離約 5.5km、出発地点標高1153m、最高標高1660m(日向山山頂)、最低標高1153m(出発地点)、移動平均速度 約1.5km/h、総所要時間3h36m(recorded by garmin)


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2018年9月15日土曜日

涼を求めて『日原鍾乳洞』

幻想的なライトアップによって視覚的にもある意味涼しげ?

今年の夏はホント暑かった。ここに来てようやく涼しさが出て来たが、9月に入った当初は真夏並みの暑さが続いていた。これだけ暑いと、どこも出歩きたくなくなる。山にしてもそうだ。標高の高い場所は涼しいとしても、下りてくると灼熱地獄。まあ、それでも一瞬の夢を求めて臨むのが山の魅力なのだろうが、でも今年はちょっと違う。暑すぎるのだ。山から離れて2ヶ月半たった。この間、運動らしき運動をなに一つしていない。寝に帰るだけの平日、その疲れを理由にだらだらしている休日。身体は鈍りきっている。今週予定していた山も秋雨前線に邪魔されてしまった。でも、山を見たい、緑を見たい。そんな気持ちは、忙しい日々の中にあって、ふと頭をよぎる。
そんな思いを抱え、先日行ってきたのが、日原鍾乳洞。ここなら、我がベース基地、奥多摩のど真ん中にありながら、涼も感じることができる。これまで何度も日原を訪れながら一度も行ったことのない日原鍾乳洞、電車とバス、そして少しだけの歩きも味わえて行くことができる最高の場所を思いついたと、家内と二人、久しぶりに休日、出かけた。

この日も鍾乳洞にはたくさんの観光客が訪れていました。

日原鍾乳洞はJR奥多摩駅から東日原行きのバスで約30分、そこから歩いて約30分、岩崖の目立つ小川谷の沢脇にある。かつては山岳信仰の場として栄えたらしいそこは、東京都の天然記念物となっていて、大人は700円で入場することができ、この日も大勢の観光客で賑わっていた。普段、朝早く山歩きの際に通るこの場所にたくさんの自家用車や普段着の人がいる光景が不思議で、なんだか戸惑ってしまった。
入場券を購入し、鍾乳洞の入り口に近づくと、中からの冷風でもう涼しい。中に入ると涼しいを通り越して寒いくらい。この日の格好は猛暑用の短パンTシャツ。洞内の気温は夏冬通じて11℃らしい。暑さに弱い家内はまるで天国だとはしゃぎまくり、天国ババア振りを大いに発揮していた。中は思ったよりも広くて、各所にやれ「天井しれず」だ、それ「ガマ岩」だのと、岩の特徴に合わせて名前が付けられているのだが、どれもいまいちピンとこない。胡散臭さはあるけど、それでも、いちいち云々と言いながら、それなりに面白く見て回ることができた。しかも、時折、進路が狭くなっているところや、全体に薄暗さもあるから、探検気分も味わえて、歩くこと30分程度だろうか、久々の涼しい世界を楽しんだ。外に出ると、冷え切ってしまったのだろう、メガネの曇りがなかなか取れない。帰りはバスの時間に注意しつつも、それでも家内とおしゃべりしながら、周りの緑や山を眺め、久々に心癒される時間を過ごすことができた。自家用車で来る人は注意が必要かな。というのも駐車場が狭いので、結構並んでいたみたい。暑い夏、ここは結構なおすすめポイントです。一度足を運ばれてはどうでしょう。

鍾乳洞の周りは岩だらけ。名のある岩も幾つかあるみたい。

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